「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「戦場のアリア」(1)

2006年05月05日 19時01分27秒 | 映画
 
 第1次大戦中の実話を元にして創られた映画です。
(何か戦争映画の感想が多いですね。 (^^;))

 フランス・スコットランド連合軍とドイツ軍が、至近距離で銃撃戦を交えるフランス北部の戦場に、クリスマスイブが訪れます。

 ドイツから戦地に送られてきた10万本のクリスマスツリー。

 ドイツ兵たちはそれを塹壕の手前に飾って、クリスマスイブをささやかに祝いました。

 ドイツ兵の中のテノール歌手が、仲間のハーモニカに乗せて「きよしこの夜」を披露します。

 その歌声がスコットランド軍の塹壕まで聞こえてきて、スコットランド兵の一人が歌にバグパイプの音色を重ねました。

 そのとき、敵同士だった兵士たちの心がつながるのです。

 テノール歌手は1本のクリスマスツリーを手に塹壕の外へ出て、歌いながら敵軍のほうへ歩いていきました。

 スコットランド軍も彼を攻撃することなく迎えます。

 フランス軍も加わって臨時に指揮官たちが協議をし、しばしの休戦が成立するのです。

 きのうまで殺し合っていた者の間でこんなことが起きるのかと思いつつも、とても自然な感情の流れでした。

 フランスのシャンパンで乾杯し、兵士たちは皆入り交じって、片言の英語や相手国の言葉で語らい合うのでした。

 兵士の中にいた神父は、その場でミサを行ない、全員で神の愛を祝福します。

 テノール歌手に会うため現地に来ていた恋人のソプラノ歌手も、天使のような澄みきった声で聖歌を歌い上げます。

 その美しさに涙する心の琴線は、荒々しい兵士であろうが、敵味方の国の人間であろうが、変わりはありません。

(続く)
 
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