「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「戦場のアリア」(2)

2006年05月06日 10時09分40秒 | 映画
 
 戦争という場で会わなかったら、本来こうして心を通い合わせることができるはずの人間同士なのです。

 それが互いに憎み合い、殺し殺され合わなければならない。

 悲惨な戦闘シーンとは別の形で、戦争の空しさや無意味さを感じさせられました。

 人としての友情でつながった両軍の指揮官は、自国の攻撃から相手軍を守り合うようにまでなります。

 それが本来の人間の自然な姿でしょう。

 しかしながら、現地にいない軍上層部や教会から見れば、彼らの取った行動はとんでもない反逆行為であり、非国民です。

 ミサを行なった神父をはじめ、指揮官や兵士たちは全員処罰されるのでした。

 そして、こういう事実は戦争の記録としては抹消されました。

 ところが兵士たちが故国に送った手紙などから史実が明らかになり、こういうでき事は実は各地で起こっていたということが分かってきたのです。

 血で血を洗う戦禍の中でも、人間は平和や友情を求め、相互に信頼し合える存在なのですね。

 まさに戦場で起きた、奇蹟の真実でした。
 
コメント
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