BPDを形成するには、 ふたつの基本的材料と 時間が必要です。
材料のひとつめは、 生まれつきのもので、 感情に対する脆弱性です。
ふたつめは、 その人が成長した 非承認的な環境です。
時間が この材料を引き合わせます。
子供とその環境は、 時間をかけて発達していきます。
環境 (子供の周りの人たち) は 子供の感情に反応し、
感情は環境を変えるのです。
感情と環境のリアクションの悪循環です。
感情の脆弱性 (感情的であるということ) は、
コントロールの欠如というより、 感情の変動をもたらす 3つの傾向です。
感情の過敏さ, 感情の強さ, 感情の回復の遅さです。
○ 感情の過敏さ: 素早く引き金を引く指
BPの感情の神経は むき出しの状態です。
大半の人にとって ほとんど何の感情も引き起こさないことが、
BPには 大いに感情を誘発します。
ネガティブな感情 (恐怖, 悲しみ, 怒り, 恥, 罪悪感) であれ、
ポジティブな感情 (喜び, 幸せ, 愛情) であれ、
感情的なリアクションが起こるのです。
彼らの感情の引き金に対して、
あなた自身には 感情的リアクションは出てこないでしょう。
そのため 引き金を特定することは 困難になります。
BP自身も この過敏さに困惑しているのです。
BPは 激しい感情に飲み込まれると、 何が感情をかき立てているか 分かりません。
感情的になればなるほど、 さらなる感情がわき起こるのです。
きっかけとなるものにリアクションし、
そのリアクションにリアクションしてしまいます。
あなたは、
BPの感情的リアクションの 原因になりそうなことに 恐怖を感じるかもしれません。
これが 二人の関係にストレスを与え、 関係を終わらせる可能性もあるのです。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]