「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

生物社会学的理論からのガイドライン (1)

2015年10月10日 20時40分55秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPDは 先天的な感情特性に加えて、 非承認的な環境によってつくりあげられます。
 
 以下に、 最善の治療法と、 BPと関わる 有益な方法を記します。
 
・ その人が感じている気持ちから、 言葉の力で脱出させようとしない。
 
 BPが過剰反応しているとか、 動揺すべきでないと言わないようにします。
 
 なだめることは事態を悪化させるだけです。
 
・ BPの感情的な 「壊れやすさ」 を抱擁するため、 あなたの世界を作り直さない。
 
 BPの感情に、 あなたは疲れ、 恐れ、
 
 BPを動揺させないようにするのは やめましょう。
 
 BPは この世界で生きていく方法を 学ばなければなりません。
 
 あなた自分自身の感情をケアするため、
 
 BPの感情が冷める間、 距離を置くことも必要です。
 
・ BPの感情調整の課題を理解する。
 
 感情調整するために、 私たちは次のことが必要です。
 
1. 注意の方向を変える。
 
   気を紛らわす。
 
2. 覚醒度が増した場合 (怒り, 恐れ, うんざり) は、 それを低減させる。
 
   覚醒度が減った場合 (悲しみ, 恥) には、 増加させる。
 
3. 感情と気分が命じる 行動を取らない。
 
   気分に従うことは  「気分依存行動」 と呼ばれ、 気分が主体になっています。
 
4. 感情とは独立した、 目標ある人生を過ごす。
 
   厳しい状況でも、 向かっていける目標を持つ。
 
 次に、 BPが感情的になっているとき、 どのように対処できるか、
 
 試してみましょう。
 
1. 何が起きたのか質問して、
 
   論駁したり、 価値判断したりせず、 耳を傾けましょう。
 
2. その人の 認められる点を探しましょう。
 
   感情的になるのはもっともだと 認めてあげましょう。
 
3. 気晴らしをして力になれるか 尋ねましょう。
 
   起きたことを蒸し返すべきではありません。
 
   BPの神経をなだめるために、
 
  (言葉ではなく) 温かいお風呂に入る, 音楽を聴くなど 手伝うことができます。
 
   感情を行動化しないよう、 力を貸すこともできます。
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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