○ 不在の親
非承認的な環境は、 親が不在という 環境であるかもしれません。
子供は 行動のモデルを示す大人が 周囲にいないと、
感情の調整を学ぶことができません。
あるクライアントは、
幼少時に 弟が難病を発症し、 親は弟の病院につきっきりでした。
敏感だった彼女は、 自分が病人ほど重要ではない と学びました。
無数の感情の全てを どうすべきか教えてもらえなかったのです。
○ 他の虐待と犯罪行動
他には、 身体的・心理的虐待,
親が物質乱用や犯罪行為をする 環境が挙げられます。
しばしば家族メンバーが、
「泣くのはやめろ」 などと 子供の経験を罰したり、 軽視したりします。
涙は悲しみの生理的表現ですが、 大人が その悲しみに正当な理由はない と伝え、
子供の内的経験は否定されます。
子供は 自分の感情的経験は信頼できない, 間違っているのだと学ぶのです。
その影響で、 子供はもっと感情的になります。
そして、 自分の感情が分からず、 封鎖しようとするか、
自分の感情に 良い悪いという 価値判断を下す人へと 成長するのです。
○ 感情的に敏感な子供は 環境にも影響を与える
感情的に敏感な子供は 辛いものであり、 その子どもの家族も 辛いものです。
子供の過敏な感情レベルも 環境に影響するのです。
子供は気持ちを理解されようと どんどん声高に泣きわめくか、
感情を抑制するか、 どちらかです。
前者の場合、 子供は 感情的反応をエスカレートさせると、
欲しいものが手に入るという 強化を受けることになるでしょう。
子供とその環境は 時間をかけて発達していきます。
環境は感情に反応し、 感情は環境を変えます。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]