「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

生物社会学的理論からのガイドライン (2)

2015年10月11日 20時09分51秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
(前の記事からの続き)
 
 BPが あなたの助けを受け入れられず、 何も提案できない場合は どうでしょう?
 
 可能であれば そのままにしておきましょう。
 
 感情的リアクションは やがて終わりになるでしょう。
 
 あなたができるのは、
 
 忘れるべきだ, 過剰反応しているなどと、 非承認を行なわないことだけです。
 
 BPの内的経験について質問し、 価値判断したりせずに、 その答を聞くのです。
 
・ 変化はBPにとって 苦痛だと知る
 
 BPDの強烈な感情は、 重症の火傷を負っているようなものです。
 
 火傷患者には、 治療こそが 最大の苦痛にほかなりません。
 
 弁証法的行動療法は、
 
 苦痛を緩和する手段 (薬物, 自傷など) を 断念するよう求めます。
 
 その代わり、 感情調整の技能を授けますが、
 
 その長い道のりで 多くの苦痛を経験しなればなりません。
 
 弁証法的行動療法には、 多くの健全な気晴らしの方法と、
 
 有害な衝動的行動を阻止する 多くの選択肢があります。 (後述)
 
《おさらい》
 
 感情調整には 次の4つが必要です。
 
1. 感情を引き起こしているものと 関係がないことをする。
 
2. 身体を調整して、 感情の覚醒度をダウン、 またはアップさせる。
 
3. 感情に流されない。
 
4. 感情とは独立した目標を持ち、 それに焦点を当てられるようにする。
 
 生物社会学的理論を包含した 提案があります。
 
1. 査定する: 何が起きたのか質問する。
 
2. 積極的に耳を傾ける:
 
   論駁したり、 価値判断したり、 過剰反応している言わない。
 
3. 承認する: BPの理解可能なもの,共感できるものを見つけ、 それを言う。
 
4. 問題を解決するためでなく、 その瞬間を乗り切るために、 力になれるか問う。
 
5. BPがノーと言えば、 そっとしておき、 感情は長く続くことを思い出す。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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