メモメモ。
牛場靖彦
"江戸っ子"リスクマネジャーの車座清談
~自己責任時代の処世術~
第47回
「不祥事であたふたするな」――J&J が見せた24年前の見事な対応
~出稽古の意義と必要性(4)~
J&J(ジョンソン&ジョンソン)のタイレノール事件への対処は、ビジネススクールの企業倫理に関する授業で必ず出てくる事例だ。そして、「クレド(我が信条)」という経営理念にもとづいて行動したことは、尊敬に値する。
以前から「honesty」と「integrity」の語感の違いが気になっていた。「honesty」は嘘や欺瞞がないこと。「integrity」はそれに加えて首尾一貫した価値観とか、権力や圧力に屈しない道義心とか、もっと高い次元の概念だと思う。政治家や企業経営者にとって「インテグリティ」を問われることは極めて厳しいことだ。それを実現して見せたJ&Jは尊敬できる会社だと思う。
牛場靖彦
"江戸っ子"リスクマネジャーの車座清談
~自己責任時代の処世術~
第47回
「不祥事であたふたするな」――J&J が見せた24年前の見事な対応
~出稽古の意義と必要性(4)~
J&J(ジョンソン&ジョンソン)のタイレノール事件への対処は、ビジネススクールの企業倫理に関する授業で必ず出てくる事例だ。そして、「クレド(我が信条)」という経営理念にもとづいて行動したことは、尊敬に値する。
「ジョージ、いいか、企業広報で最も大切なことは『事実を正直に、ありのまま発表する』ことだ。小手先のごまかしは絶対に後で必ずバレる。だから、正しい正直な発表に勝るものはないんだ」――彼はこう言うと次のように続けた。
「正直といっても、『オネスティー(Honesty)」ではダメだ。清廉、高潔、誠実といった意味合いの『インテグリティー(Integrity)』の態度で臨むべきなんだ。そうすれば消費者や取引先、株主、世間、さらには社内の人たちからも強い信頼を得ることができる」と力説した。
私はJ&J 社のタイレノール事件を通じて、同社のマスメディア対応、すなわち「インテグリティー」な対応が、企業の広報にとっていかに大切かを強く認識していた。
以前から「honesty」と「integrity」の語感の違いが気になっていた。「honesty」は嘘や欺瞞がないこと。「integrity」はそれに加えて首尾一貫した価値観とか、権力や圧力に屈しない道義心とか、もっと高い次元の概念だと思う。政治家や企業経営者にとって「インテグリティ」を問われることは極めて厳しいことだ。それを実現して見せたJ&Jは尊敬できる会社だと思う。