ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

インスピレーションが上司とシンクロする時

2006-06-21 20:18:19 | しごと
 昨日、American Society of Training & Development(ASTD、全米人材開発協会)の大会レポートを読んでいて、ピンと反応したことがあった。

日本でも求められる研修評価モデルの有効活用──吉津弘一 日本文理大学助教授・ASTD 2006 国際大会レポート2

研修担当部署と現場との社内コミュニケーションについては、カークパトリックやフィリップスと並ぶ大御所であるブリンカーホフが具体的な提言をしていました。その内容は、「成功ストーリーを語れ」、「社内外に2つのチャンネルを持て」です。彼もレベル3である行動の変化、つまり業務への応用と実行を重視していました。


 研修の費用対効果については意識しなければならないと思っているが、実際に数値化するのは難しい。営業職の販売スキル研修なら売上をどのくらい向上させることができたかという測り方も可能だが(実際に測ろうとすると純粋に研修の効果を取り出すのは難しいと思うが)、我々のやっているリーダーシップ・マネジメント開発という分野は、特に費用対効果を測定しにくい。しかも、他の研修に比べて割高になる領域でもある^^;。

 しかし、受けた人たちがどう仕事への取り組み方を変えたか、行動を変えたかという「成功ストーリー」を示すことによってトップをはじめとするマネジメントを納得させることができるのではないか。

 そう思って、昨日スタッフにメールで記事へのリンクを送り、「成功ストーリーを集めよう」と呼びかけたところだった。

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 今日、上司の人事部長と、今年の選抜型研修の冒頭あいさつにどんな話をしてもらうかを打ち合わせた。

 ふと、上司が、過去に受けた受講者で、その後仕事ぶりや仕事の中身が変わったという例はないか、と尋ねた。ここ4年ほど毎年やってきた研修は確実に人々を変えつつあるはずだから、と。

 同席したスタッフのひとりと顔を見合わせ、にんまりした。「ちょうどその話を昨日からしていました。早速、去年の参加者などから話を聴いてきます」と、スタッフは請け合った。

 上司のコメントは、まさしく、昨日私がスタッフに呼びかけたこととシンクロしている。上司と自分の問題意識がシンクロしているというのは、絶好調の証だな(^^)v。

考える習慣を徹底するトヨタの新人研修

2006-06-21 20:18:02 | しごと
 前から噂には聞いていたが、ウェブ上にレポートが載っていたので興味深く読んだ。

1カ月半で基本思想と共通言語をたたき込む、これがトヨタの新人研修だ!
日経情報ストラテジー 川又 英紀

 問題解決の基本思想と共通言語を入社1ヶ月半で叩き込むのがトヨタの強さにつながっていると思う。

 会社のカラーはあまり好きじゃない。だが、社会人向けビジネススクールでトヨタの社員と接したことがあるのだが、やはり問題解決の思考力は際だっていた。

 何をどう考えるかを徹底して教育する……うーん、当社では新入社員のレベルではできていないことだ。改善の余地があるなぁ……。

"ソフト系リーダーシップ"

2006-06-21 20:14:30 | 時事
 『人材マネジメント革命』など人事系に強いコンサルタントから慶応大学教授になった高橋俊介さんのインタビュー。

Working Woman キャリアセレブ塾 男たちのホンネ 
女性の強み、“ソフト系リーダーシップ”を活用せよ
高橋俊介さんに聞く、今後求められるリーダーの姿(前編)


「『ハード系リーダーシップ』とは、ビジョンを作り、それを皆に伝え、鼓舞したり勇気づけ、引っ張っていくイメージです。“戦国武将に学ぶリーダーシップ”という感じですね。これに比べ『ソフト系リーダーシップ』は、相手の気持ちを察して、それに対して積極的に影響を与えていくというものです」。これまで日本社会を支えてきたのは、「ハード系リーダーシップ」だと高橋さんは指摘する。「正社員の男性ばかりで、年功序列、終身雇用というピラミッド型組織では、上下関係がはっきりしている。リーダーは、相手の気持ちを思いやらなくても(上下関係に従って)『こっちだ!』と言えば、基本的に部下はついてくる。部下としても、長く会社のお世話になるわけですから、上司の言うことを聞いた方が得なわけです」

 このような組織の中では、管理職には「ハード系リーダーシップ」さえあればいい。序列という組織的背景があるから、これ以外に特別な能力がなくてもリーダーが務まるのだ。「これは、“日本的男社会”の中で素晴らしくうまく考えられたシステムです。能力要件が少なくとも、リーダーシップが発揮できる。しかしその一方で、『ソフト系リーダーシップ』はスポイルされてきたのです」と高橋さんは言う。

 ところがここ10年ほど、「ソフト系リーダーシップ」が注目されている、と高橋さんは指摘する。理由は、組織の環境が変わってきたため。上下関係だけで仕事を進めるのではなく、横のつながりを重視する「プロジェクト型」になってきているのだ。例えば半年間のプロジェクトで、職種や部門の違うスタッフが一時的に一緒に仕事する場合がある。「このような時、同じ社内でも『あなたはこのプロジェクトのチームリーダーだが、私の上司ではない。今後、何年間も一緒にいるわけではない』という状況が出てくる。そうなると、これまでのやり方では相手が言うことを聞かなくなってくるんです」と高橋さんは言う。このように、相手に対して命令権限がない場合に、自分の思いを伝え言うことを聞いてもらうには、「ソフト系リーダーシップ」が奏功する、というわけだ。


 序列で仕事をする、ということはポジションパワーで仕事をすると言い換えてもいいですね。

人材コンサルティング会社のキャリパージャパンの調査によれば、企業の役員の男性と女性を比較した場合、女性の方が「ソフト系リーダーシップ」が強い、という結果が出たという。「『ソフト系リーダーシップ』があるというのは、人間関係の調整などの“ドライブ”が強いということ。相手とうまくやっていくという社交性は、明らかに女性リーダーの方が強い。女性リーダーは、『ソフト系リーダーシップ』を男性以上に活用しているということです」と高橋さん。これが冒頭で触れた、リーダーシップにおける男女差ということになる。


 ソフト系リーダーシップの描写を読んでいて思い浮かべるのは私のスタッフの女性。彼女は30代半ばだが、相手が部門長だろうと部長だろうとあまり臆することなく、構えることなく、柔らかくクライアント部門と接して彼らの仕事上での課題や悩みを聞き出し、人を巻き込んで問題解決のプロセスをつくるのが抜群に上手い。ガンガン前に出て行くタイプではないけど、問題解決のお手伝いをしながら着実に信用を築いている。

 そういうしなやかなリーダーシップを発揮できる人が、もっと欲しい(贅沢か?)。