ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

祝・『仁―JIN―』連載再開

2006-06-13 13:06:12 | 読書
 この一年間くらいは「週刊スーパージャンプ」に不定期連載だった『仁―JIN―』村上もとかが毎号連載となって再開された。嬉しい。

 現代の大学病院で脳外科医をやっていた主人公・宗方仁がある夜運ばれてきた身元不明の急患(怪我で入院したのだが、驚くべき持病を脳に抱えていた)を手術して間もなく、病院から脱走を図るその男を引きとめようとした時に階段から落ちて、そのままタイムスリップ。そこは幕末の江戸だった。

 そして、当時の西洋医学の知識がようやく少しずつ入ってきたばかりで、まだウィルスの知識も抗生物質の精製方法もない時代に、仁は歴史改変のリスクを感じつつも現代の医学知識を幕末の江戸で応用していくことで人々の命を救おうとする、という話。

 連載再開となった今回はタイムスリップのエピソードをなぞっていたが、謎の急患が仁に伝えた言葉が、今回ようやく明らかになった……ネタバレになるのでそれ以上は踏み込まないが、想像していた通りだ。いずれ、頭痛を引き起こしていたアレと仁との関係、そしてタイムスリップを引き起こした異常な現象の説明もあるのだろうが、それらが出てくる頃には最終回だろう(涙)。

 今はとにかく、幕末の時代の人物たちと仁との出会い、そしてその出会いが歴史上の出来事にどう関係していくのか、あるいは改変につながるのか、ということと、幕末の時代に奇跡を起こす医療ドラマとしての面白さに注目していたい。そして、仁をめぐる女性たち、武家の娘で母親に勘当されながらも仁の助手として生きていくことにめざめてしまった橘咲ちゃんと、一世を風靡した吉原の花魁ながら乳癌が見つかって仁の手術を受け、仁のもとで病に苦しむ苦界の女たちを何とかしたいと思っている野風の今後に注目(他の村上作品でもそうだが、描かれる女性たちは自分の生き方や社会との関わり方を模索し、安易に恋愛に逃れないところが魅力的)している。

「キャリモテの時代」第2回

2006-06-13 12:34:37 | 時事
白河桃子の「“キャリモテ”の時代」(第2回)
“モテ”と“キャリア”の歴史
エビちゃんOLはなぜ生まれたか?


 キャリアウーマンが働く女性の代名詞とならなかったのは、バブル崩壊後、女性の就職戦線も氷河期のあおりで壊滅状態になったから。キャリアウーマンどころか、正規雇用のOLとしての勤め先すらなく、女性たちの仕事に対する意欲も減退した「失われた10年」の影響だ。さらにもう1つ大きな問題だったのは、モテとキャリアは両立しなかったことです。カッコよくて、女磨きもたっぷりした、仕事もできる魅力的な先輩女性たち(主に60年代生まれ)が、「負け犬」化していくのは、酒井順子さんの著書で明らかになった。それを見た「妹世代」(主に70年代生まれ)は、「バブル世代と違ってろくな就職もなかった私たちは、さっさと結婚してかわいいママになりたい」と保守的気分になってきたのだ。

 いくらカッコよくて、いい女のキャリアウーマンになっても、モテるのはトレンディードラマの中だけ。「一生お守りします」(注2)なんて言ってくれるのは、皇太子様だけ。結局、カンチだってリカよりもサトミ(注3)を選んで、仕事に生きるリカはカッコいいけれど独身のままだった。それに、やっぱり幸せ感が漂うのは紀子様になってしまう。それをはっきり見極めた今の20代前半女性たちは、総「エビちゃんOL」(注4)化している。「めちゃモテ」「愛され」重視のファッションをするOLたち。去年の女性誌は、「愛され」と「モテ」の大合唱だったのだ。


 すみませんねぇ、「負け犬」で(苦笑)。

今の20代は「結婚はもう、デフォルトじゃない」と悟ったのだ。一生懸命頑張っていればいつかきっと「そんな君がステキだ」と言ってくれる王子様が現れる、と強固に信じているのは60年代生まれまで。今の20代にとって「結婚」は、愛されて勝ち取らなきゃいけないアイテムなのだ。仕事して、結婚して、子供産んで、幸せに世の中をサバイバルするための「愛される武装」。それがエビちゃんOL。外見はエビちゃんそっくりでも、中身はしっかり働く女。リカとサトミの、いいとこ取りをしちゃう。そんな20代が、これからたくさん出てくるような気がしています。


 「一生懸命頑張っていればいつかきっと『そんな君がステキだ』と言ってくれる王子様が現れる、と強固に信じているのは60年代生まれまで」……いや、別に、そう信じてませんけど^^;。

 ただ、60年代生まれの男目線は結局「おでん女(テレビ版ではね)」サトミを選ぶんだよな、と冷めた思いでいるだけです(苦笑)。まぁ、たまには例外もいるとは思いますが。

 一方で私は、「おでん女」サトミが好きじゃなかった(笑)し、なりたいとも思わなかった。「おでん女」を演じて、カンチのような男のために家庭的な妻になることが自分の幸せに結びつかなかった……逆に言えば、自分から好んで「負け犬」やってます。別に結婚しない主義でもなかったけど、人生における「結婚」のプライオリティが下がると、ますます縁遠くなるのは確かかも知れません(苦笑)。

 次回は、“モテ”と“キャリア”の歴史…「負け犬世代」です。


 次回の「負け犬」分析を楽しみにしています。