雲は晴れ、夜空には星が瞬いていました。
夜明けには、まだ少し時間があります。
波は静かで僅かに音が聞こえてきます。
海賊たちを乗せたバイクとリヤカーは月明かりに照らされ、港の海賊船に向かって海岸に沿った道を走っていました。
海賊たちは、獲物を手に入れて上機嫌です。
お頭ブラックは、バイクを運転しながら、海賊のテーマソングを大声で歌っていました。
「 ひとつ出たほいのよさほいのほい、人の物品取る時は、覆面結んでせにゃなら
ぬ!
ふたつ出たほいのよさほいのほい、二人一度にやるときにゃ、糞で目潰しすれば
よい!
みっつ出たほいのよさほいのほい、・・・。」
エッチソンと たまちゃんが、お頭ブラックに言いました。
「 お頭、お頭、もう、そのテーマソング、4回目でっせ。」
「 そろそろ、終了した方がいいんじゃないですか?」
「 そんなに歌ったかな・・。
じゃ、別の歌にするぞ。
今度は、お前たちも歌うのだ。」
「 合唱でっか・・。
まあ、ぼ~っと揺られているのも退屈だし、みんな一緒にやりまひょか。」
「 そうですね、みんなで歌えば、お頭の歌声も聞こえ難くなるし・・。」
「 何か、言ったか?」
「 いや、別に・・。」
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