大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道261

2009-10-13 18:41:02 | E,霧の狐道
 俺は諦めて窓の正面を見る。
川の向こうの太い道には、多くの自動車が元気にせわしなく走っている。

“ あれと比べりゃ、駐車場の自動車は、しばしの休憩ってとこか・・・。
 そうだよな、この敷地の外は普通の生活があるんだよな。
  俺もどっちかと言うと休憩か・・・。
 それに・・・、ずっと休憩ってイヤだな。
 長いの困るよな。”

 俺の頭の中の引出しから、狸小路やお揚げ婆や女の子や訳の分からん黒いヤツが顔を出す。
引出しがパタンパタンと開いたり閉まったりしながら、順にこいつ等の顔がヒョコヒョコ出たり入ったりするのだ。

“ ううう、気が滅入る。
 取り敢えず、病室に戻ろう。”

 俺は窓から部屋へと車椅子の向きを変えた。
のどかな風景と裏腹に、俺の心は重く沈んでいた。




 俺は談話室から病室に戻った。
病室に一歩入って、俺は立ち止まった。

“ あれっ!?
 面会者がいる・・・。”

驚いたことに、病室には山本爺の面会人が二人もいたのだ。

“ 誰かな?
 山本爺の子供にしては若すぎるような・・・。”






☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------