日々の恐怖 4月17日 ワイの話(4)
後日、ワイは妹が何も無い空中を手で払うような動きをまたしていたので、黒い玉の事を聞いてみると、どうやら妹はたまに光るフワフワした玉のようなものが見えるらしい。
「 白い光の玉は良いヤツで、黒い光の玉は悪いヤツ。」
他にも緑や黄色の光の玉も見えるようだが、他の色についてはよく分からないと妹は言っていた。
ワイはどうして妹が白い光の玉がいいヤツで黒い光の玉は悪いヤツだと分かるのかと聞くと妹は以前、黒い光の玉がワイの身体に入っていくのを見た後、ワイが病気(水疱瘡)になったからと言っていた。
他にも腕に黒い光の玉が入っていった時は、ワイが金網に腕を引っ掛けて怪我をしたりと黒い光の玉が見えた時は良くない事が起きるので、妹は黒い光の玉=悪い奴だと思うようになったようだ。
因みに、白い光の玉は黒い光の玉が身体に入ろうとすると守ろうとするみたいに戦って黒い光の玉を追い払うから、白い光の玉=良いヤツだと妹は認識しているようだった。
「 じゃあ緑と黄色の光の玉は何?」
と妹に聞くと妹は、
「 よく分からない。」
と答えた。
たまに黒い光の玉を緑や黄色の光の玉が追い払う時もあるみたいだけど、黒い光の玉と合体して消えたり大きくなったりしたりと妹自体、あまり分からない様子でその説明を受けたワイも全く理解出来なかった。
“ とりあえず幽霊じゃないから怖くないな!”
と思っていたワイだったが、数週間後に祖母が肺を悪くして入院した。
ワイは妹に、
「 もし黒い光の玉がワイに入ろうとしていたら絶対に追い払って!」
と半泣きで妹に命令した。
でも、怖いから、
「 見えても、絶対にお兄ちゃんには言うなよ!」
と何度も念押しした。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ