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日々の恐怖 4月22日 ワイの話(6)

2020-04-22 12:12:06 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 4月22日 ワイの話(6)




 妹は小さい時、舌ったらずな話し方だった。
何度教えても『ヘリコプター』を『へこぷたー!』と言ったりしていた。
 ある日、家で妹と遊んでいると急に妹は怯えて怖がり、泣き出した。
人形を使ってヒーローごっこをやっていた最中、悪者役の怪獣(妹)が途中で抜けてしまったので、ヒーロー(ワイ)は激おこだった。
 ワイは、

「 続き、はよやるぞ!」

と妹に怒鳴るが、妹は怖がって泣くばかり。

「 何が怖いんだよ!?」

ブチギレて妹に問い詰めると、妹は窓を指差す。

「 ぼうしをかぶったひとが、こっちみてるの!!!」

ワイも窓を見る。
 窓は閉まっていて、外の様子はまったく見えない。
でも妹は窓を指差し、泣き続けている。
 ワイはすぐに妹の手を引いて、ダッシュでマッマのいるキッチンへと移動した。
ワイはすぐ、マッマに、

「 誰かが窓から覗いている。」

と話し、外を確認して貰う。
 再び遊んでいた部屋にマッマと戻ると、マッマは人影さえ映っていない窓を見て、

「 誰もいないから大丈夫だよ。」

とワイと妹の頭を撫でた。
 安心させる為にマッマは窓を開け、

「 誰もいないから大丈夫!」

と再度、説明してくれた。
 後日、テレビを見ている妹が、

「 あ~~~~!」

と声を上げた。

「 へんたいさん!へんたいさん!」

興奮した様子で、テレビに映る軍服を着た人を指差す妹。

「 このまえ、まどからみてたひと!」

ビビりのワイは、それから暫く、窓に近付けなくなった。










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