日々の恐怖 5月30日 ワイの話(20)
卒業後、ワイは周囲の反対を押し切って、地元からかなり離れた場所で就職した。
この時からマッマや祖父母とは離縁したような状態になってしまったが、妹や弟とは今までと変わらず、たまに連絡を取っていた。
新生活を始める前に、ワイは会社の近くで新たに借りる部屋を探す時、地元から妹を呼び、部屋探しを手伝って貰った。
二人で不動産屋に行くと、大抵夫婦に間違われ、広めの部屋を勧められた。
その都度、妹だと説明する要らない労力もあったが、それよりもこれから自分の住む部屋に幽霊がいるよりはマシだろうと思った。
無事に部屋探しを終えて、妹が地元に帰る前にワイに尋ねてきた。
「 お兄ちゃんって今、付き合ってる人、いる?」
「 いると言えばいる、かな~。
多分、春からは遠距離になるから、近い内に終わると思うけど・・・・。」
「 その相手の人って髪の色、緑?」
ぶっ飛び過ぎた質問に、ワイは思わず噴き出しながら、
「 違うよ。」
と妹に答えた。
今まで金髪に差し色でピンクや、黒髮に差し色でシルバーという個性的な髪色の女性とは付き合ったことはあったが、流石に緑色なんてぶっ飛んだ髪色の女性とワイはお付き合いしたことは無い。
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