日々の恐怖 8月20日 古いアパート(1)
俺が住んでたのは、築30年以上の古い木造2階建てのアパートだった。
駅の近くだったが、古いせいか周りの物件より安かった。
当然、安いところに住む住民はみんな生活状況は悪かった。
1日中咳き込んでる老人。
四六時中訳の分からない言葉でケンカしてる外人夫婦。
そんな所に住んでいた。
当時の俺はフリーターで、働いてはいたが収入は少なかった。
ある頃から部屋の異変が始まった。
最初は、ささいな事から始まった。
捨てた記憶がないのに、ゴミ箱が空になっていた。
ゴミなんか盗むやつはいないだろうから、俺の勘違いって事にした。
数日後、またゴミ箱が空になった。
これで確信した。
誰かがゴミを盗んでいる。
でも、なぜゴミなんだろう。
そう思いはしたが、たかだかゴミがなくなったくらいで気に留めるのはやめた。
今度は数少ないパンツが1枚消えた。
コインランドリーに持って行き、帰ってきたら昨日履いたのがない。
数日後、部屋の中から出てきた。
なんかおかしい。
台所の茶碗が洗われてた。
もちろん、自分でやった記憶はない。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ