大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月13日 音(3)

2021-01-13 17:03:18 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 1月13日 音(3)




 信じられない音を聞いてしまい、息をするのも忘れて固まっていると、爺さんの目が

” カッ!”

と見開いたかと思うと、俺の隠れている花棚の方に首を、

” グリン・・・。”

と向けた。
 玄関のライトに照らされた不気味な表情に見つめられて、俺は一瞬軽く意識が飛びそうになった。

” バレた・・・?
いや、あの位置からこっちは見えないはず!
でも俺を見てる・・・。”

とパニックになりつつ、頭を下げて出来るだけ小さくなって隠れた。
 すると、玄関からこっちに歩いてくる音が近づき、花棚の近くで止まった。
必死に息を潜めたが、それより心臓の音が爺さんに聞こえてるんじゃないかと思う程うるさく鳴っていた。
 しかし、しばらくすると、花棚の前から玄関へと戻って行く音が聞こえて、

” ガラガラガラガラ・・・。”

と玄関が閉まる音と、

” カチャッ!”

と鍵をかける音がした。
だが、俺は、爺さんが見張っているような気がして、その場から動けなかった。
 それから、ある程度落ち着いた俺は身を小さくしつつ、家に逃げ帰った。
爺さんが何を家に招き入れたかよりも、バレたんじゃないかということが怖くて仕方が無い。
そして、今日も扉を開く音が聞こえる。








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