日々の恐怖 5月5日 20歳(3)
電話を切って母が教えてくれました。
「 M、よく聞いてね。
あのね、Tちゃんが、亡くなったって。」
「 え・・・、Tちゃんが・・・?」
「 さっき事故で。
病院に運ばれたけど間に合わなかったって・・・。」
「 えっ、嘘、だって今日遊んだよ?
何で事故・・・?」
「 Hちゃん(Tちゃんのお姉さん)の具合が悪くて、お母さんは1日病院で付き添ってたんだって・・・。」
後から聞いたことも交えて、経過を説明します。
お父さんは仕事で遅くなるし、お母さんはお姉さんに付き添わなくてはならず、お母さんはTちゃんに電話をして、夕飯はコンビニに買いに行くように話したそうです。
Tちゃんは一人で待つ寂しさからか、
「 今日Mちゃんと遊んで、すごく楽しかったんだよ~!」
と、お母さんに何度も言っていたようです。
電話を切って、お母さんに言われた通り自転車でコンビニに行く途中、事故に遭いました。
救急車でお姉さんの入院している、お母さんのいる病院に運ばれたけど、もう救急車のなかで亡くなったと言うことでした。
ショックで、私も母も号泣してしまいました。
私は、
” さっきまで楽しく遊んでいたTちゃんが、もう死んじゃったなんて・・・・。”
と、その晩はうとうとはするものの眠れないままでいました。
今日Tちゃんと遊んだときに話したこととか、一緒に食べたおやつのこととかいろいろ考えていてふと気がつきました。
” お姉さん、入院していたって・・・・?”
お姉さん、確か家にいたよね、話したよね。
あのあと、具合が悪くなったのかな・・・?
と、考えました。
そして、なんだか怖くて寒気がして一晩眠れず、翌朝熱を出して学校を休んでしまいました。
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