日々の恐怖 5月2日 20歳(2)
Tちゃんと新しいゲームをして、おやつを食べて楽しくあそびました。
トイレに行きたくなり、
「 Tちゃん、おトイレかしてね!」
Tちゃんの部屋は2階にあり、トイレは1階の玄関前だ。
何度か借りたことがあったから知っていました。
用をたしてTちゃんの部屋に戻ろうとしたとき、玄関の前にお姉さんがいました。
「 あ、こんにちは。」
お姉さんはいつものようにすこし顔色が悪く、けどいつも通りに、
「 こんにちは。」
でした。
部屋に戻ろうとすると、珍しくお姉さんが私の名前を呼びました。
「 Mちゃん。」
「 はい。」
「 Tといつも遊んでくれて、ありがとうね。
Tは大事な妹だから。」
「 あ、はい・・・。」
そんな会話をして部屋に戻りました。
戻るとTちゃんがゲームですごい点数を出していて、お姉さんのこととかすっかり忘れてゲームに夢中になりました。
門限まで遊んで家に帰り、夕飯を食べ、寝る支度をしていたとき、家の電話が鳴り、母が出ました。
「 あら、こんばんわ、今日はMがお邪魔したそうで・・・。」
Tちゃんのお母さんらしい。
「 ええ、ええ・・、えっ!!
まぁ・・、まぁそんな・・・、まさか・・・。」
母の声で、何かがあったことが伺えました。
「 そうですか、御愁傷様でございます。」
私は何だろうと思いました。
” 御愁傷様?
誰か亡くなったときに使う言葉だよね?
お姉さん病気だったって聞いてたけど・・・。
でも、今日、話したし・・・?”
私は訳が分からず母を見ていました。
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