日々の恐怖 11月17日 病院関連話(11) パジャマ
入院患者が亡くなられた時、遺品はもちろん家族に引き取ってもらう。
て言うても、コップだの歯ブラシだのそういう日用品なので、
「 そっちで処分して下さい。」
と言われる事もままある。
入院時の契約書にも、
” 私物を何カ月以上放置された場合~。”
みたいな一文があるので大抵は捨てる。(余計な作業だけど)
ただ勿体ないのがパジャマ。
何着も持ち込んでるので、
” なんとかならんかなあ・・・。”
と捨てるたびに思う。
あるご遺族、お葬式の事を済ませると、
「 後は全部捨てておいて下さい。」
それで、ダンボールに詰め込んでとりあえずそこに置いておいたんだけど、次の朝、病室に入ると布団がまるで人が寝ているように膨らんでいる。
で、すぐに、
” ぺちゃ~っ。”
と平らになった。
朝だし他の患者さんもいるので、
” 怖くなんかない!”
と布団をめくると、パジャマがちょうど寝返りをうったような形で横たわっていた。
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