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日々の恐怖 12月14日 コンビニの災難 (3)

2024-12-14 10:16:27 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 12月14日 コンビニの災難 (3)






 しかし奇妙なことに、捨てられた時間帯にいたはずの店員や当日いたという客
も含め、誰もゴミを持ってきた人間を目撃していないというのである。
ゴミ箱に投棄する音などの気配すら無い。
監視カメラには入店して捨てて帰るまでバッチリ映っているのに、その間は誰も
気付いていないのだ。
 原因は何なのか心当たりはあるのか聞いてみると、彼は暫く考えた末に、

「 なくはないんですけどね。」

と答えた。

「 ホラ、ウチの店の裏に神社あるじゃないですか。」

壁に遮られて見えない神社の方角を指差す。

「 神社の駐車場に、あるゴミを投棄していくヤツが増えてるらしくてですね。」
「 ゴミ箱を店内に移動したから?
それで神様に変なゴミを捨てられる呪いをかけられたって?
いくらなんでも逆恨みじゃない?」

そこはゴミを捨てた人間を呪うべきだろう。
そんな私の言葉に、彼は、

「 いえいえ・・・・。」

と手を振った。

「 そのゴミっていうのが、釘が打ち付けられた藁人形とかの使い終わった呪い
の道具らしくてですね。」

呪ったはいいが、どうもその後の処理に困って神社の近くに捨てていくらしい。

「 で、これは僕の推測ですが・・・。」

と彼は口を開く。

「 捨てられる度に呪いの残りカスみたいなのが蓄積してですね。
だけど当然ながら神様には影響がなくてですね。」

苦笑しながら言葉を続ける。

「 すぐ下にあるウチの店に、そういうゴミ的な呪いパワーが流れてきてるん
じゃないかと思うんですね。」
「 考えると変なゴミの大半って”使用済みの呪術アイテム”っぽいですしね。」

と彼は言う。

「 呪いのゴミ箱と化したウチの店が潰れちゃったら、次は近所の何処かがゴミ
箱になるんでしょうかね?」

別れ際に、彼はそう疑問を口にしていた。
そのコンビニのオーナーさん夫婦が夜逃げしてしまったので店舗が閉鎖されたと
耳にしたのは、つい先日である。









 
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