日々の恐怖 12月5日 コンビニの災難 (2)
するとアッサリ犯人は判明した。
近所にある幼稚園に勤める年配の男性事務員さんだったそうで、供述によると、
” 園で管理していた園児の短パンが不要になったため、コンビニに捨てただけ。”
という迷惑きわまりない理由だったそうである。
「 そりゃあまた迷惑な話だなあ。
しかし、幼稚園で短パンなんて管理してるものなのかね?」
「 警察もそこは疑問に思ったらしくてですね、いまも調査中なんだそうですよ。」
なかなかに業の深そうな話だったが、語る店員の顔は優れない。
どうしたのかと尋ねてみれば、話のオチはそこではないらしく、むしろそれが始
まりだったのかもしれないと大きな溜め息を吐く。
「 なんかですね、その日を境にですね、ウチのゴミ箱に変なのが捨てられるよ
うになってですね……。」
ある時の深夜には血が染み込んで乾いたティッシュが大量に捨てられていた
り、ある時の早朝には緑色の液体(警察が教えてくれなかったので中身不明)が
満タンに詰まったアクエリアスのペットボトルが何本も捨てられていたり、切り
刻まれ、血のような赤黒い液体で汚れたアニメキャラの人形(クレーンゲーム
で取るぬいぐるみ)が何体も捨てられていたり、何処の国の文字かわからない言
葉で表も裏も”みっしり”と書かれたハガキが何百枚も捨てられていたり。
一番最悪だったのが”魚の内臓を大量に入れたビニール袋”が捨てられていた時
だったそうだ。
小動物の内臓や血だと勘違いした店員が卒倒し、警察と病院が駆けつける騒動に
まで発展したのだとか。
「 えっ、もしかして同一犯?」
「 いえ、それぞれ別の人の仕業だったんですけどね。」
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