日々の恐怖 2月11日 ガキの頃の話 (7)
そこでMがとうとう泣きだして、
「 俺君は関係ない。
Kも直接は関係ないけど、僕が話したから知ってる。」
とだけ言うと、後は泣いて何も話さなかった。
俺とKは関係ないということで、直ぐにその場から追い出すように出された。
そのまま、Kと帰宅することになるが複雑な気持ちは拭えなかった。
「 俺だけ退けもんか?」
と誰に言うでもなく呟いたあと、何故か悔しくて涙が流れた。
「 ごめん。」
とKは謝った。
「 口止めされてたから。」
「 どうせ、俺だけ退けもんや。
お前らは兄弟・従兄弟やからな。」
と引くに引けず、俺はKに八つ当たりした。
「 違う。
Sがお前を巻き込むなって言うたんや。
俺かってほんまは聞きたくなかった。
巻き込まれたくなかった。」
とKの本音を聞いて、俺は居たたまれなくなった。
「 何があったんや?」
と問いかけた俺にKは俄には信じられない話をした。
話は、おっさん探しを思いついた翌日にまで遡る。
翌日は雨で誰もが諦めたはずだった。
その翌日も翌々日も雨はしばらく続き、誰もがおっさんのことすら忘れていたは
ずがSだけは違った。
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