村上ファンドの阪神株、野村系が買い取りに名乗り
(2006年2月21日 16:01 Nikkei Net)
村上世彰氏が率いる投資ファンド(村上ファンド)が発行済み株式の約44%を保有する阪神電気鉄道株の買い手として野村証券グループの投資会社、野村プリンシパル・ファイナンスが名乗りを上げていることが21日、明らかになった。
京阪電気鉄道や南海電気鉄道、近畿日本鉄道など関西の大手私鉄などを中心に出資を呼び掛ける案が浮上している。
日経新聞の夕刊によると、
阪神のメーンバンクである三井住友銀行と財務アドバイザーである大和證券SMBCが仲介し、NPFを中核に私鉄各社や関西の有力企業に参加を打診している。取得価格については1株700円前後を想定しているとみられる。阪神電鉄の株価(2/20終値で969円)との乖離が大きいため、最終的な取得金額の調整になお時間がかかりそうだ。
とのこと。
ちなみに村上ファンド(MAC)の平均取得単価は600円強だそうです。
野村プリンシパルはミレニアム・リテイリング(旧西武百貨店)の株式をセブン・アンド・アイ・ホールディングスに売却して800億円ほど儲けたので、お金とリスク許容度はうなるほどあるでしょうね。
ただ、TOB規制がかかるので、TOBの条件設定が難しいところです。
まずは700円という価格設定をどう正当化するかの問題。
投資側がどのようなビジネスプランを描くのか、特にNPFは基本はMACと同じ行動原理のはずなのですが、今回このようなコンソーシアムだと資産の切り売りやタイガースの上場というわけには行かないと思います。
また、阪神電鉄側も取締役のTOBに対する賛同意向表明をどう理由付けするかというあたりもポイントです。
定義が曖昧なまま使われている「企業価値の最大化」なり「株主価値の最大化」の議論がまたされそうですね。
また、TOBの買付株数に上限を設定しなかった場合に、思惑買いしていた株主が手仕舞いして応募してくると大株主比率が上場廃止基準に抵触(確か2006年4月からは上位10人で75%?)してしまう可能性もあるので「株主の利益」を考えるにはここら辺も悩みどころです。
もうひとつは「大和証券SMBCの仲介」という話
MACから1/3超を取得するのであればTOB規制にかかります。
なので、事前に合意があるとすると市場外の売買として証券取引法違反になるはずです(その意味では「仲介」という表現は不適切だと思います。)
買い手が複数でもこの場合は共同買付者になるでしょうからアウトですね。
この記事が「あたり」だとすると、当事者の対応は相当難しいと思います。各企業に打診した際に情報管理が甘かったとすると大和証券SMBCの責任問題になるかも。
関係者のコメントに注目です。
あと、ウルトラCとしては、上述のようにTOB規制があるため、MACに対して拘束力のある合意(=市場外取引になってしまう)ができないので、NPF側がTOBをかけた場合に、MACがそれ以上の価格でTOBをかけて、一気に2/3超を握ってしまう、というシナリオもあります。
こうなると阪神電鉄の取締役は(特に「株主価値」ということを標榜したとすると)つらいことになりますね。
何か「今後の展開が注目される」というような無責任なエントリになってしまいましたが(まあ、未だかつて責任あるエントリなどないのですがw)今朝(あ、もう昨日だ)はカーリング観戦で4時起きだったので、裏も取らずうろ覚えの証取法の知識でのとりあえずの備忘録としてご勘弁ください。
PS でも、そもそも近鉄なんてそんなお金があるんでしょうか。本社ビルはREITに売り、バファローズも売り、と経営再建中だったのでは?(元バファローズ・ファンは怒るだろうな・・・)。