しばらく積読していた三宅伸吾『市場と法 いま何が起きているのか』を読みました。
著者は日経新聞の経済法制担当の編集委員で、ライブドア事件や敵対的買収をめぐる争いなどの特集記事を数多く書いています。
本書は過去の記事をまとめるだけでなく、ここ数年の経済法制の変化を俯瞰するような内容になっています。
ライブドア事件などはかなりこのブログでも書いていたはずが、「ああ、こんなこともあったよなぁ」などと懐かしく思い出すとともに、現時点から見直してみると、ひとつの時代の流れ、方向性を感じることができます。
特に刑事司法や東証、公取委の「厳罰化」についてはここ数年で大きく舵が切られたという感を改めて持ちます(独禁法はまだ「現在進行形」ですが)。
最終章の「市場国家と法律家」の章はタイトル以上に「市場国家と法規制のあり方」全般を格調が高く語っており共感するところ大です。
ちょっと残念なのは、そのまえの「弁護士と法律事務所」、「裁判所と政治」の章が踏み込みが足りないように感じるところです。
取材源に対しては厳しいことも言いにくいということもあるのでしょうが、「この弁護士/裁判官がこうした」という象徴的な出来事を取り上げているものの、大きなトレンドへの視点がここでは若干不足しているように感じました。
特に日経新聞への連載記事などの頃は細切れになっているせいもあり、傍からは弁護士への提灯記事のように思えたものがあったので、本になった時点では俺はこんなことまで知っているんだ、と食い込んだ取材をしたことをアピールするのでなく、もうひとつのジャーナリストの役割である大きな視点で書いてほしかったな、と思います。
このテーマに興味のある方は、まとめ本として手元に置いておく価値は(特に前半部分については)あると思います。
著者は日経新聞の経済法制担当の編集委員で、ライブドア事件や敵対的買収をめぐる争いなどの特集記事を数多く書いています。
本書は過去の記事をまとめるだけでなく、ここ数年の経済法制の変化を俯瞰するような内容になっています。
ライブドア事件などはかなりこのブログでも書いていたはずが、「ああ、こんなこともあったよなぁ」などと懐かしく思い出すとともに、現時点から見直してみると、ひとつの時代の流れ、方向性を感じることができます。
特に刑事司法や東証、公取委の「厳罰化」についてはここ数年で大きく舵が切られたという感を改めて持ちます(独禁法はまだ「現在進行形」ですが)。
最終章の「市場国家と法律家」の章はタイトル以上に「市場国家と法規制のあり方」全般を格調が高く語っており共感するところ大です。
ちょっと残念なのは、そのまえの「弁護士と法律事務所」、「裁判所と政治」の章が踏み込みが足りないように感じるところです。
取材源に対しては厳しいことも言いにくいということもあるのでしょうが、「この弁護士/裁判官がこうした」という象徴的な出来事を取り上げているものの、大きなトレンドへの視点がここでは若干不足しているように感じました。
特に日経新聞への連載記事などの頃は細切れになっているせいもあり、傍からは弁護士への提灯記事のように思えたものがあったので、本になった時点では俺はこんなことまで知っているんだ、と食い込んだ取材をしたことをアピールするのでなく、もうひとつのジャーナリストの役割である大きな視点で書いてほしかったな、と思います。
このテーマに興味のある方は、まとめ本として手元に置いておく価値は(特に前半部分については)あると思います。
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