フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

京都浪漫

2011-04-12 | 日記

少し朝は冷え込んだが、今日も申し分ないいい天気になった。久しぶりに京都に行くことにする。今日は、清里から持ち帰ったクロモジの苗を、妻の人形友達の高槻の方に持っていくことになっている。冬に掘り起こしてきた苗なのだがまだ新葉が出ていないのでやや不安ではある。JR高槻駅ホームで苗をお渡しすると、クロモジの香りがいいと喜んでくれた。代わりに平安神宮の入苑券をいただいたのがうれしい。

京都駅に着くと、平日と言うのにびっくりするほどの観光客だ。

まずは平安神宮へ行こう。京都駅からのバスは、長蛇の列だ。ボランティアで観光案内をしている男性に尋ねると、「今並んでいるD1よりA1のバスの方が空いています」とのことなので、急いでそちらのバス停へ移動する。しかし、このバス路線、烏丸通りを北上し四条烏丸から四条河原町、おまけに三条京阪まで通っていく、交通渋滞路だった。

ようやく平安神宮前に到着。疏水周辺の桜は、満開だ。

昼近くになっていたので、しだれ桜が見事な神宮の手前の公園で昼食を食べることにした。

神宮に入ると、左近の桜は盛りを過ぎていた。

神宮神苑に入苑すると、苔むしたしだれ桜が今を盛りと咲いていた。このしだれ桜は奥州から移植された糸桜系といわれている。

いただいた入苑券に「観桜茶会」お点前料も含まれているので、入らせていただいた。

茶のたしなみなどない無粋者ながら、しばしの間、侘びの世界を楽しむことができた。

咲き誇る池の畔の桜は、どこまでも艶やかで美しい。

平安神宮を出て、岡崎神社に向かう。このあたりは、40数年前によく通ったところなので実に懐かしい。岡崎神社は観光地では無いので、ひっそりとしていて心が安らぐところだ。


そこから、天王町まで行き、白河通りを北へ上がる。真如堂前から錦林車庫前へ。ここは、昔は市電の車庫があったところだが、今は市バスの車庫となっている。面白いことに信号から、昔の市電の「カンカンカンカン」というような音が流れてきていた。かつていた安アパートの場所はどうしても思い出せない。

法然院前から、右折。坂道を登り、哲学の道へ。哲学の道の両側の桜も満開で、観光客でごった返していた。小さな土産屋やCAFEなどが、いたるところにできていて、「哲学の道」が泣こうというものだ。

銀閣寺道に出る。

 

喫茶「ケルン」のあったところは、古ぼけたパチンコ屋になっている。ビールが市価より安かった王将(1号店だったか)は、今はもちろんなくなっている。

 

そこから南に下る。今日はどうしても行きたいところがあった。吉田山だ。登り口が全く分からないので、近くを歩いている男性に尋ねる。細い急坂を登ると吉田山三角点に着いた。


小休憩して、西に下る。急な石段が懐かしい。運動部にいたころ、この石段を駆け上る練習をよくやらされた。汗だくでフラフラになったのを思い出す。しばしノスタルジーに浸る。

校舎はすっかり新しくなってしまっていて、立派な桜の木もなくっていた。浦島太郎の様な感じだ。名物の「立て看板」だけは、今も健在だった。

百万遍の交差点は、広くなった感じだ。そこから、西北に細い道が伸びている。この道もよく通ったところだ。出町柳に出たので「柳月堂」に入る。お聞きすると、今年で開店58周年になるとのことだ。

妻はコーヒーとケーキ、

私はギネスを注文した。オーケストラのミニチュア人形が可愛い。

店を出て1階の「BAKERY」でパンを買う。出町柳から京阪の始発が出ているので、座って帰ることができるのがうれしい。車中で食べた柳月堂のパンは、柔らかく、香りよく、昔ながらの味で、京都浪漫が凝縮していた。