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高脂肪食の過剰摂取に起因する脂肪肝発症メカニズムを解明

2017-01-29 | 医学
 東北大学犬塚博之准教授らは、高脂肪食の過剰摂取に起因する脂肪肝発症メカニズムを解明したと発表した(1月4日)。この研究は、東北大学の犬塚博之准教授らのグループが、米国のBeth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical Schoolと共同で行ったもの。研究成果は、米科学雑誌「Science Signaling」電子版に1月3日付けで掲載。
 食生活の欧米化に伴い、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFL:Dnonalcoholic fatty liver disease)が年々増加し、日本でも成人の1~3割が罹患していると推定される。今回の成果により、NAFLDなどの脂肪性肝疾患に対する有効な予防法・治療法の開発につながることが期待される。
 細胞では、ユビキチン・プロテアソーム系と呼ばれるタンパク質分解機構が細胞周期、免疫、代謝などの細胞機能の調節に関わっている。その中でbeta-TRCP1は、細胞内の多種のタンパク質に結合して分解に導くことで細胞機能を調節するとされる。
 研究では、beta-TRCP1の機能解明を目的として、beta-TRCP1の基質の探索を行い、「Lipin1」と呼ばれる新たな基質タンパク質を同定した。「Lipin1」は、肝臓において脂肪の消費を促進し、脂肪の合成を抑制する働きが報告されていることから、beta-TRCP1が「Lipin1」タンパク質を分解することで、肝臓での脂肪合成を促進することが予想された。
 培養肝臓細胞でbeta-TRCP1を欠損させると「Lipin1」タンパク質が分解されずに細胞内に蓄積して、細胞内で脂肪の合成量が減少した。さらに、beta-TRCP1を全身で欠損させたbeta-TRCP1ノックアウトマウスと野生型マウスに高脂肪食を長期間摂取させ、肝臓における脂肪の蓄積量を観察。その結果、野生型マウスでは脂肪肝が観察され、beta-TRCP1ノックアウトマウスでは抑制されることを発見した。
 ◆非アルコール性
 飲酒習慣がないか、1日1合(ビール大瓶1本)以下しか飲まない人を指す。

 今日の天気は晴れ、風も穏やかで雲も少ないので日差しが心地よい。散歩道をゆっくりと歩くと、「今日は冬の1日」を忘れる。でも、遠くの山々は雪に覆われている。春はまだまだ。