東北大学大学院生命科学研究科の東谷篤志教授と同大金属材料研究所の安彦兼次元客員教授らの研究グループは、超高純度のさびない鉄が生体によくなじみ、インプラント(人工歯根)や血管を補強するステント(網状チューブ)などの医用材料として有望であることが実験で分かったと発表した。実用化すれば、周囲の細胞との接着性の低さや毒性など、従来の金属などが抱える課題を克服できそうだという。この成果は医用材料学の国際専門誌「ジャーナル・オブ・ザ・メカニカル・ビヘービアー・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ」の電子版に3月27日に公開され、同大が5月13日に発表した。
安彦元客員教授が開発した純度99.9996%の超高純度鉄「ABIKO-iron:アビコアイアン」の表面にコーティングなどの処理をしないまま、マウスなど哺乳類由来の細胞を置き、変化を調べた。
その結果、細胞は鉄によく接着し順調に増殖。一方、比較のために使った合金ではほとんど増殖しなかった。骨などの元になる間葉系幹細胞や筋肉の元になる筋芽細胞の分化もできた。東谷教授は「間葉系幹細胞の分化は、培養実験で一般的に用いるプラスチック製のシャーレより好成績だった。他も、シャーレと同等の結果となった」と述べている。遺伝子発現の解析でも、毒性や重金属ストレス応答などの問題はみられなかった。
生体に用いる医用材料としてこれまで、チタン合金、コバルトとモリブデンの合金などの金属やセラミックスが用いられてきた。東谷教授によると従来の金属は加工しやすく強度がある半面、毒性や金属アレルギー、周辺の細胞や組織とのなじみにくさなどの負の面がある。セラミックスは生体になじみやすいが柔軟性がなく、加工できる形状にも制約がある。こうした課題に対応するため、さまざまな材料で表面加工などの工夫が続いてきたという。
今回の実験により、アビコアイアンが表面処理をしなくても生体になじみ、安全性が高いことが判明した。インプラント、ステント、骨を固定するプレートやボルトなど、医用材料としての用途が見込めることが分かった。
アビコアイアンは市販の高純度鉄に比べ不純物が100分の1。さびないほか、塩酸に浸けてもほとんど溶けない、加工しやすく割れにくいなどの特徴がある。2011年にはドイツの「国際標準物質データベース」に登録されるなど世界的に認知されている。優れた品質の半面、1キロあたり100万米ドル程度とされるコストが大きな課題となり、実用化に至っていない。
東谷教授は「原子炉や航空機ではなく医用材料ならば、使うのはごく少量で現実的な費用になるだろう。まず医療分野で普及してコストダウンが進むと、多彩な用途に拡大するのでは」と期待する。
◆用語説明
〇超高純度鉄(Abiko-Iron)
純度が99.9996%±0.0003%と市販されている高純度鉄よりも不純物の量がさらに100分の1と少ない。性質は汎用純鉄とは全く異なり、表面が銀色に輝きさびない。塩酸につけてもほとんど溶解することがない。柔らかいため、たたいて加工しやすいが、極めて割れ難く、簡単に切断できない。
2011年、ドイツ連邦材料試験研究所が主宰する「国際標準物質データベース」COMARに認証一次標準物質の一つとして登録された。
〇骨格筋の発生は、間葉系幹細胞が筋芽細胞へと分化し、次に、筋芽細胞が融合して多核の筋管細胞に分化し、最終的に収縮法力を有する筋線維に成熟する。マウス骨格筋由来の筋芽細胞株C2C12から分化誘導培地に置換することで、多核の融合した筋管細胞に分化させることができる。
〇間葉系幹細胞は、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞など、中胚葉性組織(間葉)に分化する能力をもつ幹細胞のこと。細胞をシャーレなどで培養する際に、それぞれの分化誘導培地に置換することで分化誘導させることができる。また、細胞が接着する基質(シャーレの表面、今回は、超高純度鉄を使用)の硬さも、分化に大きく影響を及ぼすことが知られている。
今日も天気は晴れ。気温は最高気温26℃と夏日となった。
”シラン”の花が咲きだした(写真も撮影日は2・3日前)。花は5月の中旬頃から咲きだしている。
名(シラン:紫蘭)の由来は、紫色の花を咲かせる蘭だから、と言う。・・そうか、そんなことは”シラン(知らん)”かった。
花色には紫色だけでなく、純白色、淡青紫色などがある。白花の先端が紫紅色の口紅シランや葉に白い縁取りが入る覆輪(ふくりん)シランもある。
シラン(紫蘭)
別名:紅蘭(こうらん)、白笈(はくきゅう)
学名:Bletilla striata
ラン科シラン属
宿根草(丈は30cm~70cm)
地表近くに球茎(球根のようなもの、バルブと言う)ができる
偽球茎は白及(びゃくきゅう)と呼ばれ、漢方薬として止血・痛み止め・慢性胃炎に用いる
原産地は日本・台湾・中国
開花時期は5月~6月
紫蘭(シラン)には色々な品種がある
・白花紫蘭(シロバナシラン)
白花が咲く。別名「白蘭(ハクラン)」とも呼ばれる。
・口紅紫蘭(クチベニシラン)
白い花の中心が、淡いピンク色。口紅を塗ったように見える。
・黄花紫蘭(キバナシラン)
中国南西部に多く見られる、黄色や薄いオレンジ色の花。
通常の紫蘭よりも小型で、紫蘭と黄花紫蘭の交配させた品種は、小白及と呼ばれる。
・覆輪紫蘭(フクリンシラン)
葉に白い斑が入った品種。花は純白や、中心が紫色になっている花が咲く。
・青花紫蘭(アオバナシラン)
花色が淡青紫色。
・アマナ蘭(アマナラン)
淡いピンクの花色で、中心が黄色く染まる小型な品種。
台湾と中国で多く見られ、漢方薬の材料としても利用されている。
安彦元客員教授が開発した純度99.9996%の超高純度鉄「ABIKO-iron:アビコアイアン」の表面にコーティングなどの処理をしないまま、マウスなど哺乳類由来の細胞を置き、変化を調べた。
その結果、細胞は鉄によく接着し順調に増殖。一方、比較のために使った合金ではほとんど増殖しなかった。骨などの元になる間葉系幹細胞や筋肉の元になる筋芽細胞の分化もできた。東谷教授は「間葉系幹細胞の分化は、培養実験で一般的に用いるプラスチック製のシャーレより好成績だった。他も、シャーレと同等の結果となった」と述べている。遺伝子発現の解析でも、毒性や重金属ストレス応答などの問題はみられなかった。
生体に用いる医用材料としてこれまで、チタン合金、コバルトとモリブデンの合金などの金属やセラミックスが用いられてきた。東谷教授によると従来の金属は加工しやすく強度がある半面、毒性や金属アレルギー、周辺の細胞や組織とのなじみにくさなどの負の面がある。セラミックスは生体になじみやすいが柔軟性がなく、加工できる形状にも制約がある。こうした課題に対応するため、さまざまな材料で表面加工などの工夫が続いてきたという。
今回の実験により、アビコアイアンが表面処理をしなくても生体になじみ、安全性が高いことが判明した。インプラント、ステント、骨を固定するプレートやボルトなど、医用材料としての用途が見込めることが分かった。
アビコアイアンは市販の高純度鉄に比べ不純物が100分の1。さびないほか、塩酸に浸けてもほとんど溶けない、加工しやすく割れにくいなどの特徴がある。2011年にはドイツの「国際標準物質データベース」に登録されるなど世界的に認知されている。優れた品質の半面、1キロあたり100万米ドル程度とされるコストが大きな課題となり、実用化に至っていない。
東谷教授は「原子炉や航空機ではなく医用材料ならば、使うのはごく少量で現実的な費用になるだろう。まず医療分野で普及してコストダウンが進むと、多彩な用途に拡大するのでは」と期待する。
◆用語説明
〇超高純度鉄(Abiko-Iron)
純度が99.9996%±0.0003%と市販されている高純度鉄よりも不純物の量がさらに100分の1と少ない。性質は汎用純鉄とは全く異なり、表面が銀色に輝きさびない。塩酸につけてもほとんど溶解することがない。柔らかいため、たたいて加工しやすいが、極めて割れ難く、簡単に切断できない。
2011年、ドイツ連邦材料試験研究所が主宰する「国際標準物質データベース」COMARに認証一次標準物質の一つとして登録された。
〇骨格筋の発生は、間葉系幹細胞が筋芽細胞へと分化し、次に、筋芽細胞が融合して多核の筋管細胞に分化し、最終的に収縮法力を有する筋線維に成熟する。マウス骨格筋由来の筋芽細胞株C2C12から分化誘導培地に置換することで、多核の融合した筋管細胞に分化させることができる。
〇間葉系幹細胞は、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞など、中胚葉性組織(間葉)に分化する能力をもつ幹細胞のこと。細胞をシャーレなどで培養する際に、それぞれの分化誘導培地に置換することで分化誘導させることができる。また、細胞が接着する基質(シャーレの表面、今回は、超高純度鉄を使用)の硬さも、分化に大きく影響を及ぼすことが知られている。
今日も天気は晴れ。気温は最高気温26℃と夏日となった。
”シラン”の花が咲きだした(写真も撮影日は2・3日前)。花は5月の中旬頃から咲きだしている。
名(シラン:紫蘭)の由来は、紫色の花を咲かせる蘭だから、と言う。・・そうか、そんなことは”シラン(知らん)”かった。
花色には紫色だけでなく、純白色、淡青紫色などがある。白花の先端が紫紅色の口紅シランや葉に白い縁取りが入る覆輪(ふくりん)シランもある。
シラン(紫蘭)
別名:紅蘭(こうらん)、白笈(はくきゅう)
学名:Bletilla striata
ラン科シラン属
宿根草(丈は30cm~70cm)
地表近くに球茎(球根のようなもの、バルブと言う)ができる
偽球茎は白及(びゃくきゅう)と呼ばれ、漢方薬として止血・痛み止め・慢性胃炎に用いる
原産地は日本・台湾・中国
開花時期は5月~6月
紫蘭(シラン)には色々な品種がある
・白花紫蘭(シロバナシラン)
白花が咲く。別名「白蘭(ハクラン)」とも呼ばれる。
・口紅紫蘭(クチベニシラン)
白い花の中心が、淡いピンク色。口紅を塗ったように見える。
・黄花紫蘭(キバナシラン)
中国南西部に多く見られる、黄色や薄いオレンジ色の花。
通常の紫蘭よりも小型で、紫蘭と黄花紫蘭の交配させた品種は、小白及と呼ばれる。
・覆輪紫蘭(フクリンシラン)
葉に白い斑が入った品種。花は純白や、中心が紫色になっている花が咲く。
・青花紫蘭(アオバナシラン)
花色が淡青紫色。
・アマナ蘭(アマナラン)
淡いピンクの花色で、中心が黄色く染まる小型な品種。
台湾と中国で多く見られ、漢方薬の材料としても利用されている。