道内の個人美術館のはしりである、後志管内岩内町の木田金次郎美術館が、ことしで開館30周年を迎えたそうです。
個人美術館というと、いつ行っても展示物は同じではないかと思っている人がいるかもしれませんが、木田金次郎美術館は違います。企画展では毎回斬新なテーマと切り口で、画業に新たな角度から光を当てています。
さらに、開館後も、作品の寄贈や寄託が相次いでいます。筆者もはじめて知ったのですが、開館当 . . . 本文を読む
2021年に52歳で亡くなった札幌の吉川聡子さんの画業を振り返る展覧会が、生前に教壇に立っていた、北海道芸術デザイン専門学校の玄関横にあるギャラリーで開かれています。
吉川さんといえば、筆者には、高い描写力で若い女性を描いた日本画がすぐに思い出されます。
道展の会員で、「越境する日本画」などのグループ展にも出品していました。
今回は、イラストや、絵本とその原画も数多く展示してい . . . 本文を読む
北海道新聞9月7日付朝刊に以下の文章を発表しました(ウェブ版はこちら)。<展覧会>宮崎むつ展 線が生む自在で深い境地:北海道新聞デジタル1980年代からさまざまな美術家が粒よりの個展を開いてきた札幌のギャラリーミヤシタ。2022年の閉廊以降、発表をしていない作り手も多い。どんな空間にどう作品を並べるかは...北海道新聞デジタル
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昨年に続いての札幌・ギャラリー犬養での個展。
佐藤菜摘さんは秋田県出身で、道教育大在学中から道展で賞を受けるなど、若いころから頭角を現してきました。その絵は、不思議な空想の生き物「気持ちちゃん」などが画面で躍動するのですが、いわゆるキャラクター絵画とは異なる雰囲気をたたえています。
今回の個展は、気持ちちゃんたちキャラクターがメインに登場するかわりに、背景を生かした絵が多くなっています。
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銅版画を中心に、リトグラフ、シルクスクリーン、謄写版、石版画…。
札幌芸術の森版画工房で指導しているだけに、木版以外のすべての版種があるのではないかと思われるほど、バラエティーに富んでいます。手彩色の作品も多いです。
1995年生まれの若手。5年ぶりの個展だと聞きました。
作者のことばを引用しておきます。
通勤で森の中を歩くようになってから、
植物や昆虫など、見かける景色の小さな変化 . . . 本文を読む
(承前)
■奇跡のシールアート 大村雪乃の世界 (2024年6月29日~8月18日、釧路)ー2024年夏の旅(14) - 北海道美術ネット別館(承前)現段階で「2024年夏の旅」シリーズは(1)~(5)と(7)(8)しかアップできていませんが、(14)を先に更新します。この展覧会がきょう8月18日で終了するためです。とはいえ、...goo blog
すでに会期終了した展覧会ですが、 . . . 本文を読む
ことしの新道展で会員に推挙された札幌の小谷良さん。
会場で、76歳ですとあいさつされましたが、とてもそうは見えない、精力的な活動ぶりです。
「20回目を盛大にしようと思ったら、もう81歳なので、どうなるかわからない。それで今回、(15回の節目で)過去の作品などもたくさん持ってきました」
という意味のことを話しておられましたが、きっと健筆をふるっておられることでしょう。
画歴は長いですが、発 . . . 本文を読む
札幌拠点の画家、井桁雅臣さんは、キャンバスに絵の具を直接染み込ませるステイニングという手法の絵画を制作しています。
この技法は、20世紀米国の画家モーリス・ルイスがよく知られているほか、道内では故・杉山留美子さんがいますが、井桁さんの絵は2人とは異なります。
共通しているのは、「かたち」が後景に退き、色彩が純粋に浮き上がってきたような感覚を受けることです。
絵の前に立つと、自分が見ているの . . . 本文を読む
すみません。初日に見に行ったのに、アップが遅れてしまいました。
帯広在住の画家の浅川茂さんが札幌で絵画の個展を開きました。
筆者は、札幌に当時あったアートスペース201で開いた個展(2019)や、帯広市民ギャラリーでの個展(2022)は見ていないので、個展を拝見するのは実に7年ぶりとなります。
作品は全道展で見る100号サイズよりは小さめで、計20点。
タイトルに「2000ー2022 . . . 本文を読む
十勝管内新得町の画家で全道展会員の森弘志さんの音頭で始まった5人展です。
近年は全道展に、魚やカニを写実的かつ大きく描き、近年はやりの写実絵画をわらうかのような(本当のところはわかりませんが)絵画を出している森さんですが、今度は木々の幹だけを描いた絵を並べています。
左から
「シラカバの木」「クルミの老木」「プラタナスの木」「イチイの木」
です。
通常の絵 . . . 本文を読む
「ゲゲゲの鬼太郎」などではなく作者の妖怪画に焦点を当てた絵画展。
水木しげるの妖怪画はとにかく背景の描きこみが細かいこともあり、タブローとしても十分な強度を持っており、見ごたえがありました。プロダクションの制作であり、すべてのペンを水木本人が入れているわけではないのでしょうが。
前半部で、水木の生い立ちや戦争体験をパネルで簡潔に解説するとともに、神田の古書店街で入手した鳥山石燕の画集や『 . . . 本文を読む
7月26日に見た本田征爾展の会場風景です。
本田さんは札幌在住の画家。
奇妙な動物や生き物が水彩で描かれた幻想的な小品が並んでいるのは、いつもの本田さんの個展風景と同様です。
ただし、今回は粘土の立体が一点もありません。
絵画は、人物をモチーフにした作品がいつもにくらべると多いような感じを受けます。
統計を取っているわけではないので、はっきりとはわかりませんが。
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お盆時季に毎年、夕張市美術館が所蔵していたコレクションを公開する展覧会。
タイトルには明記されていませんが、事実上の「木下勘二展」といってよいでしょう。
会場の「りすた」では、廃校になった市内の小学校の歴史の特集展示や、石炭細工の展示、新収蔵品の紹介なども行われていて、にぎやかですが…。
木下勘二(1917~89)は夕張生まれで、晩年は釧路で活躍した画家です。
筆者もこれまで何度か作品 . . . 本文を読む
(承前)
白日会は日展系の団体公募展。絵画と彫刻があります。
この春、第100回の記念展を開きました。
近年はスーパーリアル系の画家が多く所属することで知られています。
回数を見ればわかりますが、北海道支部も長い歴史があります。
今回は、ベテラン会員の小堀清純さんと中矢勝善さんの特別企画展を行い、2人の作品を特陳していました。
冒頭画像は小堀さんの「雪の漁港」(2020)、「古潭 . . . 本文を読む
三回忌を迎えた館田孝廣さん、娘・高田千絵さん、孫・羽未さんと爽良さんによる絵画展。
おなじタイトルと趣旨の展覧会は一昨年にも開かれていました。
筆者はすっかり忘れていました。
館田さん(1949~2022)は、2007年に退職すると、本格的に水彩画の筆を執り始めました。
10年には道展で佳作賞を受賞したほか、日本水彩画会(日水)でも入選を重ね、21年には日水の会友に推挙されています . . . 本文を読む