教育大岩見沢校美術文化専攻の卒業生を取り上げて毎年開かれている企画展。
今年の第5回ホープ展は、若手2人の絵画展です。
左が太田香さん、右が坪井明花さんです。
この2人の作品に共通しているのは
「絵を読みこむ楽しさ」
だと思います。
もちろん、絵の中に文字が書かれているという意味ではありません。
また、近世の欧洲絵画のように、アトリビュートや寓意をよみとる、ということでも . . . 本文を読む
道展会員の小林義晃さんが代表で毎年開いている具象絵画のグループ。
今年は、阿部正子、小川智、柴崎康男(案内状には「柴﨑康夫」になっていましたが、「夫」は「男」ではないかと思います。﨑は崎の異体字)、高間恭子、和田仁智義の5氏も出品しています。
以前参加していた芦別の河瀬陽子さんや小樽の千葉晃世さんらが今年はおらず、初期からいるメンバーは小林さんだけになりました。
冒頭画像の左手前は小林 . . . 本文を読む
キャンバスに絵の具を染み込ませるステイニングと呼ばれる技法で美しい絵画を制作する札幌の井桁雅臣さんが、年に2度の個展を開くのは初めてだと思います。
制作に時間のかかる技法ということもあり、もともとひんぱんに個展を開催する画家ではありません。
「最初は3階のギャラリーも使おうかと思ったが、すぐに無理だと分かった。本当に大変でした」
と振り返っていました。
今回は2009年から新作まで約25点 . . . 本文を読む
1996年札幌生まれ、札幌大谷高校から東京藝大油画科に進み、東京などで盛んに個展・グループ展などを開いている奥山さんと、東京が拠点の野口さんによる共作展。
2人展というのはよくありますが、今回の出品作はほとんどが合作で、どのようにして制作したのか、驚いてしまいます。
冒頭画像で、上のほうに並んでいる丸いキャンバスが、奥山さんの作品。
シラカバの林に着想を得ているようで、色調を大きく変換 . . . 本文を読む
(承前)
札幌大谷大3年の油彩画の個展。
昨年秋に同じ会場で、ことし5月にビストロカフェ+ギャラリー・オマージュで個展を開いているほか、昨年暮れのグループ展「未完の大器」にも出品しています。
2022年には道展で新人賞を受賞しています。
人物の肌の質感などの描写に、学生とは思えないほどの高い技倆ぎりょうを発揮してきました。とにかくうまい。
なので、今回の個展で一番大きな作品「 . . . 本文を読む
(承前)
ことしも「おたる Book Art Week」が10月13日~26日(会場によって会期は異なります)、小樽市内の文学館や飲食店など8カ所を会場に開かれています。
このうち札幌から一番遠いのが、塩谷の「生きるための詩歌と道具 がたんごとん」です。
本来なら、JR塩谷駅から行くのが筋だと思うのですが、あまりに忙しいので、期間内に列車で来られるかどうかわかりません。
鉄道によく乗っ . . . 本文を読む
1980年代を中心に抽象絵画の制作・発表を行うかたわら、「北海道現代作家展」の開催に尽力し、84~85年には札幌発の隔月刊誌「美術ノート」の編集・刊行を手がけた佐佐木方斎さん。
90年代以降の長い沈黙を経て、ゼロ年代後半からぽつぽつと個展を開いています。
このたび、陶芸家の蔦井乃理子さんと染色家の蔦井美枝子さん姉妹が自らのコレクションを時折公開しているスペース「tuus」などの . . . 本文を読む
(承前)
三越札幌店の9階ギャラリーはたいてい、正面から見て左側の部屋で陶芸などの工芸を、右側の部屋では絵画展を、火曜から翌週月曜までのサイクルで開いています(最近、エレベーター前のスペースを利用して、非写実系の絵画を紹介していることもあります。以前は仏壇用具などの販売コーナーでした)。
工藤和彦さんとひとしきりおしゃべりした後、となりで行われている絵画展ものぞいてみました。
非常に写実 . . . 本文を読む
1958年北京生まれで、NHK 水墨画講座の講師を担当するなど、日中を往復して活躍している水墨画家、王子江おう す こうさんの個展が、空知管内浦臼町「えみる」で始まりました。
浦臼出身のコレクターがいる縁で、今回の個展が実現しました。
2016年に札幌の茶廊法邑や岩見沢で個展が開かれていますが、今回は、このほど浦臼町に寄贈された、別の作品による会場構成になっています。
冒頭画像の横 . . . 本文を読む
三岸好太郎美術館は公立の個人美術館の先駆けといわれ、妻で画家の三岸節子から寄贈された好太郎の代表作の多くを所蔵しています。
1年を四つぐらいの会期に分かち、一つは「特別展」、他は所蔵品展と銘打って彼の作品などを展示していますが、展覧会ごとにテーマを設定し、新たな知見や「見る角度」を提供してくれるところには、ほんとうに頭が下がる思いです。
出世作「檸檬持てる少女」(冒頭画像の左から2枚目)や「 . . . 本文を読む
およそ20年ぶりに制作・発表を再開したのが2010年。
それ以降の瀬川葉子さんの精力的な活動ぶりには目をみはるものがあります。
とにかく巧いし、手法は独特だし、質量ともにたいへんな仕事だと思います。
会場にあった略歴によると瀬川さんは1954年生まれ。
「特美」の略称で知られ多くの作り手を輩出した北海道教育大札幌校の特設美術過程を卒業しました。
瀬川さんの作品は抽象絵画といえますが . . . 本文を読む
(承前)
会期終了間近なので、いったんアップします。
なお、この後の9月17日から24日まで
「画家生活25周年記念 盛本学史絵画展 第二部 盛本絵画の住人たち」
と題して、個展が続きます。
盛本学史もりもとさと し さんは旭川を拠点にする画家です。
学校の先生でしたが、若くして教壇を離れています。
この会場の「ピカソ画廊」を会場にした絵画教室を開き、肖像画なども手がけていますが、 . . . 本文を読む
道内の個人美術館のはしりである、後志管内岩内町の木田金次郎美術館が、ことしで開館30周年を迎えたそうです。
個人美術館というと、いつ行っても展示物は同じではないかと思っている人がいるかもしれませんが、木田金次郎美術館は違います。企画展では毎回斬新なテーマと切り口で、画業に新たな角度から光を当てています。
さらに、開館後も、作品の寄贈や寄託が相次いでいます。筆者もはじめて知ったのですが、開館当 . . . 本文を読む
2021年に52歳で亡くなった札幌の吉川聡子さんの画業を振り返る展覧会が、生前に教壇に立っていた、北海道芸術デザイン専門学校の玄関横にあるギャラリーで開かれています。
吉川さんといえば、筆者には、高い描写力で若い女性を描いた日本画がすぐに思い出されます。
道展の会員で、「越境する日本画」などのグループ展にも出品していました。
今回は、イラストや、絵本とその原画も数多く展示してい . . . 本文を読む
北海道新聞9月7日付朝刊に以下の文章を発表しました(ウェブ版はこちら)。<展覧会>宮崎むつ展 線が生む自在で深い境地:北海道新聞デジタル1980年代からさまざまな美術家が粒よりの個展を開いてきた札幌のギャラリーミヤシタ。2022年の閉廊以降、発表をしていない作り手も多い。どんな空間にどう作品を並べるかは...北海道新聞デジタル
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