かつてスポーツ選手が国籍を変更すると言えばおおよそ共産主義国から米国へということになっていた。しかし、今回のソチ五輪では、元韓国籍のアン、元米国籍のビック・ワイルドといった名実ともに世界の第一人者(少なくとも自国で代表に選ばれずに出場のために国籍変更したような選手ではない)がそれぞれロシア国籍で金メダリストとなった。一昔前までであれば考えられないような動きで、ソチ五輪という特殊性だけではなく(ショートトラックスケートもスノーボードも五輪以外に試合は多数ある)ロシアに魅力を感じるスポーツ選手が出てきたことを示すのかもしれない。もっともビック・ワイルド場合は同じくスノーボーダーであるロシア女性(彼女は銅メダリストを獲得)との愛のために国籍変更したらしい。
国籍はあるけれども、スポーツには国境はない、ということの証左かも知れない。
話は変わるが、大リーグ野球中継を見ていると、試合開始前に必ず米国国歌が独唱される。田中将大はじめ、米国籍ではない選手が胸に手を当てて聞いているが、この儀式は米国に対する敬意の表れであって、五輪のように国家の代表ととしての国旗・国歌とは意味が違うから違和感はない。