回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

スポーツと国籍

2014年02月22日 18時44分21秒 | 日記

かつてスポーツ選手が国籍を変更すると言えばおおよそ共産主義国から米国へということになっていた。しかし、今回のソチ五輪では、元韓国籍のアン、元米国籍のビック・ワイルドといった名実ともに世界の第一人者(少なくとも自国で代表に選ばれずに出場のために国籍変更したような選手ではない)がそれぞれロシア国籍で金メダリストとなった。一昔前までであれば考えられないような動きで、ソチ五輪という特殊性だけではなく(ショートトラックスケートもスノーボードも五輪以外に試合は多数ある)ロシアに魅力を感じるスポーツ選手が出てきたことを示すのかもしれない。もっともビック・ワイルド場合は同じくスノーボーダーであるロシア女性(彼女は銅メダリストを獲得)との愛のために国籍変更したらしい。

国籍はあるけれども、スポーツには国境はない、ということの証左かも知れない。

話は変わるが、大リーグ野球中継を見ていると、試合開始前に必ず米国国歌が独唱される。田中将大はじめ、米国籍ではない選手が胸に手を当てて聞いているが、この儀式は米国に対する敬意の表れであって、五輪のように国家の代表ととしての国旗・国歌とは意味が違うから違和感はない。

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ウクライナとシリア/この相似性

2014年02月22日 07時56分46秒 | 日記

選挙で選ばれた大統領と世襲の独裁者の違いはあっても、ヤヌコビッチとアサドは旧知の仲。ウクライナ情勢の展開をアサドは固唾を呑んで見守っていることだろう。

この両国情勢に共通していることは、当初は平和的な抗議活動から始まった反体制運動が、その後は外部勢力の介入を許して尖鋭化、暴力化している流血の惨事となっている(もちろん、今のところシリアの犠牲者数とウクライナのそれは比較にならない)こと、ロシアが既存政権を擁護し、西側が反体制派を支持していること、そして、いずれも米国がロシア外交の前にその無策ぶりを露呈していること、である。

もし、ヤヌコビッチをプーチンのロシアがあくまで擁護するのであれば、アサドとしても自分の地位がしばらくは安泰と胸をなでおろすだろう。逆に、プーチンがウクライナで西側と取引を行う、すなわち、米国とEUがロシアに対してウクライナの将来をロシアに白紙委任することの引き換えにロシアがシリアから手を引くこと、に合意でもすれば、アサドの命運も尽きることになる。

米国によるシリア空爆を阻止することに成功したロシアはウクライナでもロシアの権益保持のために米国、西側には主導権を渡すことはない。更に軍事的あるいは資金的に言って、ロシアにとっては、シリアとウクライナの両面作戦を展開することは十分に可能だ。

そうだとすれば、いまや、この2か国の命運を握っているのはロシアであり、米国、西側諸国は、口先はともかく、実際には指をくわえて見守るしかないのかもしれない。

2人のシャンパングラスの底にプーチンの顔が見えてくるようだ。

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