株式市場での下落に歯止めがかからない。東京市場ももちろん、世界の主要株式市場はここ10年間で最も深刻な株安に見舞われている。ロンドン市場は9月4日に14年来の高値を付けた後急落し、この間に時価総額で1790億ポンド(30兆円)が失われた。債券市場はと見れば、やはり欧州の弱小国、すなわちギリシャ、スペインの国債が大きく売り込まれている。たとえばギリシャ国債10年物の利回りは先月末の5.6%から昨日は8.71%に急上昇したし、アテネ株式市場の株価は2日間で12%も下落している。このことは、市場が再びギリシャ、そしてスペインの債務履行能力に疑念を抱き始めたからでもあるが、それ以上に、欧州経済が日本が20年ら苦しんできたデフレスパイラルに入ったのではないかと感じ始めたからだろう。この意味では、2011年の欧州債務危機とは様子が異なるといえるかもしれない。
さらに、米国をはじめエボラ出血熱の拡大も懸念材料だ。原油価格暴落に見られるように、世界的な景気減速によりエネルギー需要が減少していることも明らかだ。欧州中銀(ECB)、米国連邦準備銀行(FRB)、英蘭銀行(BOE)もこれでは当面引き締めにはできない。
例年、10月初めにIMF/世界銀行の年次総会が開かれるが、その時期に合わせて国際金融市場に動揺が走る。集まる各国財政当局、大手銀行の首脳には毎回、やりごたえのあるテーマが提供されているようだ。
下は今朝のハイビスカス
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