かつて太陽系の惑星は9と教えられてきた。それが2006年、国際宇宙連合(IAU)によって、他の8個の惑星とは異なり、太陽の他の惑星とは同列ではない、第二級のいわば小人衛星に格下げされてしまった。理由はこの星が小さすぎて(月よりも小型)、支配的な重力の領域を持っていないため、とされた。
しかしながら、いまでも太陽系の惑星を水金地火木土天海冥(英語でも同様の記憶法は“My Very Excellent Mother Just Sent Us Nine Pizzas.”)と呼んでしまう人は多い。特に、冥王星(ローマ神話では冥界の神Pluto)のファンにとっては納得しかねるものだった。
それが今般、米国のハーバードースミソニアン天体物理学センターがおこなった投票によれば、冥王星は太陽系の惑星である、という意見が多数を占めたという。太陽の周りを周回している最も小さな惑星と定義すれば冥王星は太陽系の惑星と、認められるべきだ、というもの。
もちろんこのセンターの投票は何らの拘束力もないので、冥王星が再度太陽系の惑星に列せられるかはわからない。ただ、冥王星ファンにとっては議論が始まるかもしれない、ということで朗報だろう。どちらにせよ、秋の澄んだ空にいろいろと思いを馳せてみるのも悪くはない。