フランス議会の委員会が14日に発表を予定している移住者報告書によれば、歴史や文化に誇りを持つ、愛国心という点ではどの国民にもひけをとらないフランス人が今、大量に国外に脱出しているという。
その傾向は若者から起業家、年金生活者までまんべんなく広がっていて、公式には最大250万人のフランス人が国外に居住しているが、さらに海外移住の希望を持っているフランス人は大量にいるといわれている。フランスを去る決心をした理由としては若者にとってはフランスにいても成功する見込みのないことや、企業家には複雑な労務管理の問題、年金生活者は国外のほうが税負担が低いこと、などさまざま。フランス外務省によれば移住先としては英国が最も多く次いでスイス、米国、ベルギー、ドイツの順であり、在英フランス領事館によればロンドンだけでも40万人のフランス人が居住していてこの数はフランス第6位の年の人口に匹敵する。
しかしながら興味深いのは、国外のフランス人は、フランス人同士で話すときには母国に対してきわめて辛辣な批判をするが、もし批判がフランス人以外からなされた時には結束してフランス擁護に回るというから、どこにいてもやはりフランス人は愛国的であり続けるようだ(外国からの根拠なき批判を嬉々として受け入れ、自国を貶めているどこかの国の新聞社とは正反対か)。
失業率が10%前後で推移しているフランス、ホランド大統領も女性のことばかりにかまけておらずに、如何に自国経済を立て直すか腹を決めて立ち向かわなければならない時のようだ。
沈みゆく太陽とパリ。