少年カメラ・クラブ

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現像テスト分析

2005-02-08 22:57:03 | 写真
TRIX400フィルムを使った現像条件のテストを行った。

まず12枚のフィルムを1段づつ絞りを換えて撮影したフィルムを2本用意した。

このフィルムを次の2つの条件で現像した。

(1)通常現像:D-76現像液1:1希釈、温度22度、1分攪拌後30秒ごとに7秒攪拌で8分30秒
(2)希釈現像:D-76現像液1:2希釈、温度22度、1分攪拌後30秒ごとに7秒攪拌で9分30秒

露出不足のコマでは、ハイライト部分においては通常現像の方が希釈現像に比べて2段分通常現像の方が濃度が高い。シャドー部分については同様に1段分通常現像の方が濃度が高い。したがって、ネガのダイナミックレンジは、露出不足の場合においては、絞り1段分程度通常現像の方が広いことになる。

適正露出以上の露出条件では、希釈現像したフィルムのネガ濃度は完全に飽和してしまいコントラストが低くなってしまっている。特にハイライト部分は少し色合いも茶色っぽい感じになってしまった。

ということで、希釈現像をした場合、相当露出オーバーになってもそこそこのネガにはなるもののコントラストは十分に得られず満足なプリントを得るのは難しいと思われる。これに対して通常現像の場合は、適正な露出をかけないと非常に濃度の高いネガになってしまう可能性はあるものの、適性な露出をかけた場合、広いダイナミックレンジを持ったプリントを期待できることが分かった。

通常現像のネガをコマごとに詳細に見ると、

適正露出-3段:完全にシャドーのディテールがつぶれる
適正露出-2段:ここでもシャドーの一部はつぶれている
適正露出-1段:シャドーはつぶれないもダイナミックレンジがやや狭い感じ
適正露出-0段:OK
適正露出+1段:適正な条件との差は微妙
適正露出+2段:やはりネガが濃くなってネガのコントラストが低下
適正露出+3段:濃い
適正露出+4段:非常に濃い

という感じだった。よく言われることだが、露出がマイナス側に行った場合、ダーク部のつぶれは1段程度の余裕しかない。これに対してプラス側に振った場合は、1段程度のオーバーの影響は比較的小さいことがわかった。

今回の被写体は山と晴れた空と言う組み合わせで比較的明るさのダイナミックレンジが広い対象だった。もっと明るさのダイナミックレンジが小さい場合は、減感撮影し、現像時間をもう少し長めにとってプリントの明るさのダイナミックレンジを広げる工夫なども必要になるだろう。この場合のポイントは、減感してもダークのディテール(ゾーン2あたり)がつぶれないかどうかと言うことだと思う。