少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

キャリブレーションについて

2005-02-15 20:44:38 | 写真
18%グレーカードを使えば簡単にキャリブレーション(校正)が出来ると思ったら、案外これが難しいと言うか、恣意的な部分も結構あることがわかった。

たとえば、普通は18%グレーカードの反射露出をはかればそれが正しい露出を与えると、どこにでも書いてあるにもかかわらず、コダックの説明書を読むと、

普通の反射率の対象のときは0.5段露出を増やす

すごく明るい対象の時は0.5段減らす

暗い対象のときは1から1.5段増やす

と言う風にやっぱり”露出補正”するよう書いてある。(ふつうの補正より少ないでしょ、と言い訳までついて)まあ、これはフィルムのラチチュードを考えて安全サイドにちょっとふったということなのかもしれないが。

また、人工光による照明の場合、カードの角度はカメラと照明の角度の3割くらいにするとかいうお約束もある。人工光はともかく、外で撮る時も少しだけ光源のほうにカードを傾けておき、15cmくらい離れたところで測光するよう指示されている。測光と言う唯一の計測作業、これがどうも怪しいと自分でも思っていた。再現性良く計測するヒントをまたもらったような気がする。

18%グレーカード

2005-02-15 20:30:24 | 写真
写真のプロセスつまり

モノを見る→プリントが仕上がる

までをモノを見た時点でイメージすることがとても大切だ。(とアダムスは言っている)

そこで、いろいろとテストをやってきた。おかげで大分感じがつかめてきた気もする。でも、ネガの濃度やプリントのトーンなど主観的な部分がたくさんあって、本当にいいのか悪いのかはっきりしないところもある。

勿論ネガの濃度計などの高価な機械を使ったりすれば、仕上がりを客観化できるわけだが、アマチュアではそうも行かない。一度、秋葉原のキットで照度計もどきを作ったが、やはりそれでは絶対的な測定はできず相対的な比較値を与えるだけだ。

この一連のお話には、どこか一点でいいから基準になる点が欲しいと思うようになった。何が変化してもここだけは動かないという点。そこから実験を展開することによって相互の関係が明らかに出来るはずだ。

ということで、ヨドバシでコダックの18%グレーカードを買ってきた。ゾーンシステムではゾーン5の明るさだ。このカードの写真をフィルム感度におけるEV値の前後で5段露出をふって撮影すれば、それがプリントされたときにゾーン1からゾーン10までに対応した濃度になるはずである。というか、そういう風になるように条件をそろえればいい。だいたい、フィルムの現像条件はいいところがわかっているので(いや、教えてもらった)、あとは焼付け条件をこれで詰めればいいことになる。

キャリブレーション。今までは、基準器と計測器のトレーサビリティのための操作だと思っていた。でも本当はキャリブレーションってイメージ(心)とモノの接点をあたえる行為なのだと気がついた。