こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

よう育ったのう

2015年07月30日 13時01分30秒 | 文芸
いとおしい野菜たちに感謝

 暑さ続きの中、見計らっては畑に足を運ぶ。言い訳程度に育てている野菜。それでもナスなど夏野菜は買わずに済むので助かる。
 しかし最近の酷暑に世話は思うようにいかない。水やりも、まさに焼け石に水と言ったあんばい。
 育ちの早い雑草に負けがちだ。野菜は雑草の海に埋もれている。そーっと雑草をかき分ける。
 見つけた!カボチャ、マクワウリ、なんとスイカまで。劣悪な環境なのに、かなり見事な成長ぶりだ。
 思わず、
「よう育ったのう!」
 と、声を掛けながらの収穫。この時ばかりは厚さも、流れる汗も忘れている。
「立派な野菜。お父さんのお陰ね」
 と、食卓を囲む家族の褒め言葉。
(いやいや、父さんじゃないんだ。野菜たちの生命力のたまものさ。君らも、その生命力のご相伴に預かって、頑張らなきゃなあ…)
 わたしはひとり悦に入りながら、いとおしい野菜たちに、明日への活力をお裾分けして、貰った。
(神戸・2012・9・5掲載)

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どれがいいかな?

2015年07月30日 11時41分14秒 | 文芸
録画DVD鑑賞

 定年後も結構やることが多い。長男の飲食店を手伝ったり、家の食事を作ったりし、近所付き合いもある。
 ホッとする暇がなく、布団に入ってもすぐ眠れない。そんな時に登場sるの画、録画しといたDVDだ。
 現役のころ、深夜仕事だったので、めぼしいテレビ番組は見られなかった。それでせっせと録画した。
 DVD1000枚以上になった。要が、時代劇、韓流、ドキュメントと、一応分けて積み上げている。
 それを再生して楽しんでいる。ドラマ「家政婦のミタ」やアクション映画が面白くて、時間が過ぎるのを忘れる。観てスッキリすると寝つきもいい。
 まだ未再生の作品は数多い。日々の息抜きに役だってもらえるDVDが目白押しである。(讀賣・2015・1・4掲載)

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もうちょっとだよ

2015年07月30日 08時06分09秒 | 文芸
結婚をめざす娘頑張ってほしい

 娘の結婚話が進んでいるらしい。
 父親にもたらされる情報は少なく、妻と娘の会話を盗み聞きするしかない。実に情けない限りだ。とはいえ話が決まれば報告はあるのだろうが、やや手間取っている気配だ。
 思い起こせば、わたしの結婚も実現するまでは一進一退だった。決まりかけたと思えば崩れ、崩れるとまた話がぶり返す。
 ゴール到達は容易ではなかったが、妻の妊娠でどうにかたどり着けたゴールだった。
 荒波にもまれた末の結婚は、さすがに大したものだ。30年以上の結婚生活をプレゼントしてくれた。
 閉塞感に満ちた昨今の社会情勢で、娘の苦労は推し量れるが、諦めずに頑張ってほしい。
 娘がたどり着くゴールに、決して失望はないと確信している。
(讀賣・2013・10・21掲載)
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口ぐせ

2015年07月30日 02時19分54秒 | 文芸
 母が亡くなったのは十年前。あれからこっち、自分が生まれ育った土地に対する思いが微妙に変化した。母も父も健在だったころ強く持っていたふるさとへの思い。山も林も、田圃も畑も、自分にはかけがえがなかった。
 そんなふるさとへの思いが、母の死を契機に、一気にイロ褪せたものに変化を遂げた。
 旅行で遠くに出かけた時、昔なら感じた郷愁の思いは、もうなかった。まるで誰かの家に帰るような覚めた思いで帰宅した。
 よくよく考えてみれば、私にとってふるさとは母親そのものだった。小さい頃から母の豊かな愛情に育まれての成長。二人しかいない息子の末っ子を母は何くれとなく気遣った。
「いつでも帰って来いや。ここはお前のふるさとなんやから。ちゃんと待っとるでな」
 家を離れ働く息子を不憫に思ったのか、顔を見る度にいつも口癖のように言った母。
 帰郷して一番に求めた母の笑顔。間違いなく母は、私には“ふるさと”そのものだった。

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おかしいなあ

2015年07月30日 00時05分12秒 | 文芸
日本史学習で国を愛する心育む

 小学校から高校までの学習指導要綱の全面改訂が中央教育審議会に諮問された。
 その中で気になったのが、高校での日本史の扱い。必修化や世界史との統合科目化などが検討されているらしい。
「何をいまさら」
 と首をかしげる。
 娘の大学入試の情報を見るにつけ、日本史があまりにも軽んじられている実態にあぜんとする。よその国の歴史ではない。それが自国の歴史を知らないままに巣立っていく若者が多いことに危機感を持つ。
 日本人としてのアイデンティティ希薄化が進み、国の将来を危うくしかねない。
 日本人として国語や日本の歴史を学ぶことは最優先して当然であるべきなのに。
 大学入試に必要か、そうでないのかを選択基準にするような愚策だけは避けなければならない。
 日本の歴史を学ぶことが日本人の誇りに思えるような教育がなされなければならない。
 愛国心の強制ではなく、先人の歩みを学ぶことで、国を愛する心が自然に育っていくものと思う。
(神戸・2013・11・24掲載)

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できっこないよー!

2015年07月29日 20時09分40秒 | 文芸
団検診でメタボ予備軍宣告。市の健康課(?)が主催するダイエット(?)教室に参加。若い保健師さんの市道で、「無理しないで、1年間で1キロ減らすのを目標にしましょうか?」「まあ、それくらいなら」と気楽に答えてしまったのだが、結果は2キロ増!お腹はポッチャリと出張った。体重計にのると72キロ!ウソだー!あれ以来、ハカリに乗るのが怖い。甘いものは意識して減らそうとしているが、気持ちとは裏腹に、目の前に甘いものが…もうダメ、手が伸びてしまう。ご飯もt「小さいお茶わんに軽く一杯にしましょうね」

「はい、がんばります」カッコよく返事をしたものの、実行したのは本当の3日坊主。今ではモリモリ山モリ!もう長生きはできそうにないんだよなあ。神様、生活を改めずに体重だけ6キロ減らしてください。神頼みも、自分の覚悟は……?

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どうする?

2015年07月29日 19時40分48秒 | 文芸
頭の中にレシピ

 野菜を育てていると、収穫するまでの期待感は何にも代え難い。
 だが、いざ収穫時期を迎えると慌てる。同じ野菜が目の前で、山積みになることも再三ある。
 スーパーで買って来るのは、大抵家族が食事で消費するだけの量だが、自家栽培だと、
「どう料理するか?」と考えあぐねてしまう。
 ただ自分で育てたものなので、愛着があり、捨てるのはもったいない。かといって人にわけるにも限りがあるから、残りは自宅で消費するしかない。
 この前も、かなりの量の大根が取れたので、おでんやサラダ、ふろふきなどに使った。
「同じもんばっかりやん」
 と言われないように、料理本を見たり、インターネットを利用したりして工夫している。
 今やレシピが頭の中にあふれんばかりだ。
(讀賣・2013・11・10掲載)

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スゴ腕

2015年07月29日 18時03分52秒 | 文芸
「べん・ケーシー」に始まり、「ブラック・ジャック」「ドクター・ハウス」など、多くのスーパードクターを漫画やテレビドラマで知った。
 感動すると同時に、彼らの奇跡的な医療技術に魅入られた。自分が大病を患った時は、ぜひ彼らに登場願いたい。だが、現実はそんな奇跡は起こらない。
 私の主治医は片田舎の老医師。祖父から3代に渡ってお世話になっている。御年80歳。引退してもおかしくない高齢だが、まdまだ元気だ。
 腹痛や発熱など、彼の前に座れば、
「大丈夫や!」
 のひと言で吹っ飛んでしまう。内視鏡の操作もすごく手慣れたもので、苦痛はほとんど感じない。
 考えてみれば凄腕(すごうで)の医者である。
 子どもたちも小さい頃から老医師に診て貰い、無事に成長して今では立派な社会人だ。
 身近過ぎて分からなかったが、あの口の悪い平凡な老医師こそ、わが名医といえるのかも。
(サンデー毎日・2019・11月掲載)
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怠けもん

2015年07月29日 12時32分18秒 | 文芸
仕事したらあかん!

 高校卒業後、就職して町に出ていたが、20数年前、故郷にUターンした。
 地域はずいぶん様変わりしていたが、慣習や行事はほとんどそのまま。
 そして、久しぶりの田舎暮らしに慣れないうちに、地域の役員をすることになった。
 地区を代表する隣保長で、人気は2年。男性が年齢順に務めるしきたりだ。
 仕事は葬儀や草刈り用水路の点検などの差配。
 作業の段取りを記した書類を持って走り回る。気負うわたしに先輩が助言をくれた。
「中途半端に仕事をしたらあかんで。隣保長は怠け者でええんや。人に仕事さすのがリーダーシップちゅうもんやろ」
 だから、
「ここ遅れてるんや。応援に回ってえーな」
 と指図するだけで、仕事はしない。身体は楽だが、精神的にはきつかった。
 自分で働く方が性に合っているわたしには、リーダーの資質がないと思い知らされた。
(産経・2-12・9・25掲載)

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ウソー!

2015年07月29日 07時30分54秒 | 文芸
飛行機嫌い筋金入り

「飛行機」と聞くだけで背筋が寒くなる。64歳になったが、これまで飛行機に搭乗したことは一度もない。
 親に似て高校生の次女も飛行機嫌いだが、修学旅行の行き先はドイツ。
「飛行機に乗りたくない」
 なんて言っていられない。
 心配した妻と長女が北海道旅行を計画した。北の大自然を満喫するよりも、飛行機に慣れるのが目的だ。
 娘は、
「絶対に行かない!飛行機は怖い!」
 と断固拒否の様相だったが、妻とお姉ちゃんが、
「目をつぶっていたら大丈夫だよ」
 と強引に説得、侍女はしぶしぶ応じた。
 蚊帳の外にいたわたしは結局、家族旅行のメンバーから除外されてしまった。
 それもこれも飛行機嫌いを翻意できないので仕方がないが……。
 留守番していた私のもとへ侍女からメールが届いた。
「飛行機は快適でした。今度はお父さんも一緒にね」
 と侍女。
 娘からのお誘いは嬉しいが、飛行機に乗るくらいだったら、人間をやめた方がましだと、本気で思う。
(讀賣・2013・11・22掲載)

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