お役立ち情報ブログ

日々の生活やビジネスにおいて役に立ちそうな情報を収集、公開しています。

「年14.4万円の負担増」が年収500万円世帯に降りかかる!“増税メガネ”はさらに「ふるさと納税」「扶養控除」改悪へ

2023年10月20日 07時24分48秒 | 税金
「年14.4万円の負担増」が年収500万円世帯に降りかかる!“増税メガネ”はさらに「ふるさと納税」「扶養控除」改悪へ
「年14.4万円の負担増」が年収500万円世帯に降りかかる!“増税メガネ”はさらに「ふるさと納税」「扶養控除」改悪へ© SmartFLASH

(写真・保坂駱駝)

国民から“増税メガネ”と揶揄されることを、本人は相当気にしているようだ。岸田文雄首相は、9月25日に「税収増等を国民に適切に還元するべく、経済対策を実施したい」と発言して以降、たびたび「減税」をアピールしている。森山裕総務会長や世耕弘成参院幹事長などの自民党幹部も同調し、国会では“減税解散”が噂されている。

だが、騙されてはいけない。実際は、これから増税の予定が山積みなのだから。

「この10年で、国民の負担は明らかに増えています」

と話すのは、ファイナンシャルプランナーで家計コンサルタントの八ツ井慶子氏だ。

今回、八ツ井氏は2013年から2023年の10年間で、どれだけ家計に負担が増えているかをシミュレーションしてくれた。

厚生年金や介護・雇用保険料率の上昇や、消費増税などを考慮すると、年収300万円世帯は年8.7万円、500万円世帯は年14.4万円、700万円世帯は年17.8万円の負担増となるという(すべて1000円未満は切り捨て)。

「会社員の夫の年収が920万円、パートの妻の年収が109万円、公立高校2年生の子供がいる家庭の場合、いわゆる『106万円の壁』(短時間労働者の厚生年金・健康保険の適用拡大)が創設されたことや、高校授業料無償化の所得制限が導入されたことで、年間の負担は49万円も増えることになるのです」

2023年10月からは、「106万円の壁」または「130万円の壁」を超えることで発生する保険料を肩代わりする企業への補助金支給が始まったが、扶養に入っていない人には不公平になるうえ、物価の上昇に比べれば“焼け石に水”だ。

さらに、税理士の脇田弥輝氏は「10月から導入されたインボイス制度の影響は大きい」と語る。

「これまで、売上げが1000万円以下の事業者は消費税の納付が免除されていましたが、課税されるケースが多くなりました。物価高、人件費が高騰しているなかで、商品価格に転嫁できずに苦しんでいる中小企業は多く、政府が推奨しているサラリーマンの副業の拡大にも逆風でしょう」

身近なところだと「ふるさと納税」も改悪されるという。

「これまでも、自治体には『経費は寄付額の5割まで』というルールがありましたが、10月からは寄付金受領証の発行費用なども経費に含まなければなりません。そのぶん、これまでもらえていた1キロのお肉が800グラムに減ってしまうかもしれないのです。それでも生活を守るために、『ふるさと納税』は利用したほうがいいと思います」(脇田氏)

2025年に廃止されるかもしれない扶養控除も見逃せない。

「私が小さな子供を2人育てていた民主党政権時代の2010年に『子ども手当』が新設され、その代わりに『年少扶養控除』が廃止されました。その後の2012年に子ども手当は廃止されたのに、『年少扶養控除』が復活することはありませんでした。今回、岸田政権は児童手当の対象を高校生まで広げるとしていますが、一方で16歳以上の扶養控除が廃止される可能性があります。自分が苦労した経験があるので、実現性に疑問符がつきます。毎年12月に公表される『税制改正大綱』で、しれっと増税案が盛り込まれていないか、注意しましょう」(脇田氏)

岸田政権の甘言は、色メガネで見ておいたほうがよさそうだ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「通勤手当や生命保険控除など聖域なし」岸田政権が目論む〝サラリーマン増税〟の「やりたい放題」

2023年07月20日 07時25分38秒 | 税金
過去最高の税収になったが、岸田政権はまだまだ国民から税を〝絞り取る〟計画が……
過去最高の税収になったが、岸田政権はまだまだ国民から税を〝絞り取る〟計画が……© PHOTO:アフロ

もはや〝息をするだけ〟でも税金を取られる状態になりそうだ――。

6月末に岸田首相に提出された、政府税制調査会(首相の諮問機関)の中期答申の中身がネット上で炎上している。

これまで雇用の流動化などを促すためにも長期就労のメリットを減らす「退職金増税」は報じられていたが、答申では他にもまだまだ〝増税できる〟と考えているラインナップがあるのだ。

その検討されている内容は、給与所得の控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険控除、通勤手当、社宅の貸与、食事の支給、従業員割引、退職金の課税制度の見直しなどだ。

サラリーマンから税金を取らない手はない

先送りが発表されたが’25年には防衛費増額のため、所得税、法人税、たばこ税の増税も〝待ち受けている〟。こちらに関しては骨太の方針として閣議決定されたので間違いなく上がるだろう。

「’22年の労働力調査では就業者数が6723万人で、自営業主・家族従業者数は648万人となっているため、就業者のうち89.9%は〝雇用されている〟ことになる。税調はここに目をつけたのでしょう。

 

就労者の9割がサラリーマンならばここから税金を取らない手はない。しかしサラリーマンというのはすでに、自営業者に比べると給料から税金などが天引きされるため、節税がほとんどできていない。日本の税収を支えているのは多くのサラリーマンなのですが、岸田政権はお構いなしに増税路線を貫いている」(全国紙記者)

サラリーマンの数少ない節税方法が年末に調整される「生命保険控除」だ。

やっている人も多いだろうが、これすらも〝控除などけしからん!〟といわんばかりだ。さらに通勤手当や食事の支給などという目を疑いたくなる項目まである。アルバイトの交通費や飲食店のまかないにも課税しようというのだろうか。

実業家の「青汁王子」こと三崎優太氏は16日ツイッターで

《「通勤手当を課税対象に」って、本気で言ってるのか?「サラリーマン増税」より「政治家増税」が先だろ。

月額100万円の文通費や政治資金への課税は勿論、居眠り税、失言税、まともに質問に答えない税…。真面目に働いて国を支えてくれる人達より、政治家こそ率先して多くの税金を納めるべきだ》

と批判した。

「政治家が自身の収入を減らす法案など出すはずがありません。旧文通費(調査研究広報滞在費)ですら当選後の〝日割支給〟が決まっただけで、給料と一緒の口座に毎月プラス100万円が振り込まれる。

領収書は不要のため、高級時計を買おうがキャバクラで使おうが一切国民に知られることはない。日本維新の会など文通費をすべて公開している党もありますが、ほとんどの議員は使途不明といってもいい」(ワイドショー関係者)

国民からは巻き上げるだけ巻き上げて、自分たちは甘い汁を吸い続ける構造だ。

「若者も生活がどんどん苦しくなっているのに少子化など歯止めがきくはずがないでしょう。岸田政権は裏テーマでは〝日本を滅ぼそうとしているのではないか〟と勘繰りたくなります」(同・ワイドショー関係者)

ここまでひどい仕打ちにあっても自民党は多くの組織票などに固く守られているため、長きにわたり政権を担っている。日本人は近い将来〝人口減〟で消滅するかもしれないが――。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月給からの天引き額11万円に膨張中! 国民に課す「非消費支出」こそ少子化の元凶だ

2023年05月14日 06時55分07秒 | 税金
【給与からの天引き額の推移】/(C)日刊ゲンダイ
【給与からの天引き額の推移】/(C)日刊ゲンダイ© 日刊ゲンダイDIGITAL

額面から健康保険料や所得税などがガバッと“天引き”された「給与明細」にガッカリする人もいるはずだ。直接税や社会保険料など世帯の自由にならない「非消費支出」(以下、天引き額)が急増している。総務省が9日発表した「家計調査」によると、3月の天引き額(2人以上世帯の勤労者世帯)は9万1000円と前年同月比で11カ月連続の増加となった。2022年度のボーナスも含めた月平均は11万5000円で前年比4.8%も増えている。

立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)は「政府は給料から天引きされる税金や社会保険料をジワジワと増額してきました。それが長期にわたる消費の低迷を引き起こしたと言えます」と指摘する。

■02年度8万円→12年度9万円→22年度11万円

 

実際、天引き額は激増している。天引き額の推移について、総務省の公表データを基に作成したのが別表だ。20年前と比べ月3万2000円(年間38万円)、10年前からは2万3000円(同27万円)の負担増だ。これだけ天引き額が膨れ上がれば、手取りの少なさを実感するのも無理はない。

 

消費マインドはズタズタ

なお、総務省統計局によると消費税は「消費支出」に含まれており、家計にとって避けられない負担として、天引き額とは別に消費税もある。消費税は14年に税率5%から8%に、19年に10%(食料品などは8%)に増税されている。

「月給から11万円も引かれ、買い物で10%もの消費税を取られれば、消費マインドはズタズタです。経済的不安から結婚や出産を躊躇することにもなりかねない。消費を好転させ、少子化に歯止めをかけるには、国民に課している大きな負担を軽減するしかありません。ところが、少子化対策の財源として、消費税や社会保険料を増やす議論が盛んになっている。的外れと言わざるを得ません」(浦野広明氏)

値上げラッシュは長期化する見通しだ。手取りが減り続ければ、暮らしはボロボロだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ガソリン税に消費税10%」はやはりおかしい…取れるところからお金を搾り取る「二重課税」という理不尽

2022年09月28日 06時16分14秒 | 税金

物価高で値上げラッシュが続いている。さらに重くのしかかるのが、消費税などの税金だ。日本女子大学家政学部の細川幸一教授は「ガソリン税、酒税、たばこ税には消費税がかかる。税金に税金を課すことになるこうした個別消費税は『二重課税』と映り、重税感を高めるもので見直すべきだ」という――。

値段が上がり、消費税の負担も重くなる

モノの値上がりが毎日のようにニュースになっている。現在の物価高はロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が大きく関係していることから、日々の生活に欠かせない電気代、ガス代やガソリン代の値上げが続いている。

さらに最近では円安も続いており、円安は輸入品の価格を押し上げる。とくに海外からの輸入に頼っている食品などはたびたび値上げが行われている。

日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」(2022年6月調査)では、物価に対する実感が1年前と比べて「上がった」と回答した人は全体の89%にも及ぶ。また、1年後の物価が「上がる」と回答した人も87.1%となっており、今後も物価高が続くと考えている生活者は多い。

OECD加盟諸国に比べて極端に日本において給与が上がっていなことが指摘されており、今後、政府の対策が十分に行われず、さらに給与も上がらなければ、物価の上昇によって経済的なゆとりがなくなる家庭は急激に増えていくだろう。

1989年に税率3%ではじまった消費税は、5%、8%となり、現在10%となっている(8%の軽減税率は導入)。多くの消費者がモノを購入するたびに消費税に対して重税感を持っているのではないだろうか。モノの価格が上がれば、その分、消費税として支払う額も大きくなる。そこで消費者の関心は減税の可能性に向いてくる。

ガソリン税、酒税、たばこ税の重税感

こうした状況もあり、今年7月10日に投開票が行われた参議院議員選挙では、消費税の減税・廃止が争点の1つになった。7野党がそろって「減免税」の主張を掲げたが、与党は現状維持を主張した。

自民党は同党HP(8月4日掲載)で、「物価高を抑制するために消費税を一時的に減税することは、有効に感じられるかもしれませんが、消費税率を見直すには法改正が必要であり、直ちに実施できる政策ではありません。また、税率を引き下げると一時的な買い控えが起こることも予想され、実体経済が混乱することは明白。物価高騰対策には現実的な政策を進めることが最も効果があります」とし、「ガソリン等の激変緩和事業や電気代の燃料費調整制度、小麦の国内価格上昇を抑制する措置等を実施」としている。

消費税以外にも国民はいろいろな税金を支払っているが、モノを購入するときに負担する税金でやはり重税感がたびたび指摘されるのは、ガソリン税、酒税、たばこ税だろう。

ガソリンは1リットルあたり53.8円、お酒は、ビールの場合350ミリリットル缶で70円、1箱(20本)580円の紙たばこで304.88円だ。

これだけ税額が大きいとおかしなことに気付く人も多いはずだ。ガソリン、酒、たばこの販売価格にはこれらの税金が含まれている。それに対して現行10%の消費税を払っているということは税金に税金が課されているということだ。これは「二重課税(Tax on Tax)」であり、課税権の乱用ではないのかという疑問だ。

物価高で問われる「二重課税」

ガソリン税を例に考えてみよう。レギュラーガソリン1リットル160円(ガソリン税を含む)だとすると、ガソリンを満タン50リットル入れると代金は8000円になり、それに消費税10%の800円が加算され、8800円を支払うことになる。

すなわち、ガソリン税にも消費税が課されていることになる。もし160円のうちのガソリン税53.8円が課される前の価格106.2円に消費税を課し、それにガソリン税を加えたら、支払い金額は8531円(消費税は531円)ほどになる。その差は269円だ。

毎月50リッターを利用する人はこの12倍の年間3228円、毎週使う人は48週とすると1万2912円を税金に対する税金として支払っていることになる。たばこもお酒も同様であり、たばこも酒もドライブも好きな人は一生でいくら払っているのだろうか。

なぜ税金に税金を課すことが許さるのであるか。国税庁は以下のように説明している(一部抜粋、揮発油税は本稿でのガソリン税を指す)。

消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税などが含まれます。これは、酒税やたばこ税などの個別消費税は、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の一部を構成しているので、課税標準に含まれるとされているものです。

これに対して、入湯税、ゴルフ場利用税、軽油引取税などは、利用者などが納税義務者となっているものですから、その税額に相当する金額を請求書や領収証等で相手方に明らかにし、預り金又は立替金等の科目で経理するなど明確に区分している場合には、課税資産の譲渡等の対価の額には含まれないことになります(国税庁HP上のタックスアンサーNo.6313「たばこ税、酒税などの個別消費税の取扱い」)

税金に税金が課されている

すなわち、ガソリン税はメーカーなどが納税義務者であるから販売価格の一部であり、軽油引取税は利用者が納税義務者となっているから軽油販売価格の一部を構成していない。それゆえに違いが出るという見解だ。ガソリンと同様にお酒やたばこも消費者から見ると税金に税金が課されていることになる。

この説明にある軽油引取税はディーゼル車に乗っている人が購入する軽油に課されるものだ。軽油にはガソリンのような二重課税は起きないのだ。

軽油には軽油引取税が1リットルあたり32.1円課されるが、軽油の場合は軽油引取税を含めた軽油の価格に消費税を課すことはせず、軽油引取税を課す前の軽油価格に10%の消費税を課し、それと軽油引取税を加える仕組みになっている。

(注:この他、ガソリン、軽油とも1リットルあたり2.8円の石油石炭税等が課されているがここでは省略して説明している)

そもそも企業は固定資産税や法人税など多くの税金を払っている。それらはその企業が販売するモノの価格にコストとして転嫁されている訳だから、ガソリン税、酒税、たばこ税に消費税がかけられるのも当然であるという理屈なのだ。

しかしながらこれらの税金は消費者が購入するモノにかけられているものであり、税額も高額であるから消費者からみると納得できない二重課税という印象が強い。そもそもガソリン税、酒税、たばこ税などは個別消費税とされている。個別の消費税なのだから、消費税(10%)の課税対象に含めないのが筋ではないのか。

いつまでも続く「臨時の税金」

ガソリン税については、その税率が高すぎるという声が大きくなり、トリガー条項の発動が議論となっている。トリガー条項は2010年度税制改正で導入されたが、東日本大震災の復興財源確保のため2011年に凍結されたまま現在に至っている。

ガソリン税は本来1リットルあたり28.7円だったのでだが、道路財源の不足を理由に臨時の税金(暫定税率)25.1円が加算されて、現在の53.8円になっている。

ガソリンの平均小売価格が3カ月連続で1リットルあたり160円を超えると、「トリガー(引き金)」を引くように発動され、ガソリン税53.8円のうち、上乗せされている分の25.1円の課税を停止し、また3カ月連続で130円を下回ると元に戻る仕組みだ。

現在のガソリン価格はこれを超えているので、トリガー条項の凍結解除(発動)が主張されているのだが、政府・与党は見送っている。買い控えや駆け込み購入といった流通の混乱、ガソリンスタンドの事務負担増など課題が多く、発動は現実的ではないとの判断による。

代わりに石油元売り各社へ支給する補助金制度を導入している。現在は1リットル当たりの補助金上限は35円だ。政府は、補助の上限について、段階的に縮小する方向で調整していたが、最近の円安ドル高などを背景に据え置きを決めたと報じられている。

過熱式たばこは物価高でも増税値上げ

たばこについても増税による値上げが進行中だ。

2018年の税制改正で決定した毎年の値上げが進行中ですでに4回目の2021年10月の値上げまで行われている。紙巻きタバコだけではなく、IQOS(アイコス)やglo(グロー)、Ploom TECH(プルーム・テック)といった加熱式タバコも対象となっており、この10月からは加熱式タバコが再び値上げされる。

ただ、紙たばこ1箱(20本)が500円のワンコインでは買えなくなったと一時話題になったが、まだ禁煙先進国から比べると安く(オーストラリアでは1箱2000円位、イギリスは1700円位)、さらなる増税も予想されている。

旅行客を狙い打つ熱海市のもくろみ

熱海市は住民登録をしていない別荘所有者には固定資産税に加え、別荘税(別荘等所有税)を全国で唯一課している。税率は延べ床面積1平方メートルにつき年額650円だ。これは納税義務者が同じであり、不当な二重課税ではないのか?

熱海市の見解はこうだ(熱海市HPの別荘等所有Q&A質問6より)。

固定資産税は家屋の価格(評価額)、別荘等所有税は述べ床面積をそれぞれ課税標準として課税されており、課税標準が異なっていますので二重課税とはなりません。

また、同市は入湯税を徴取している。地方税法に定められている温泉などで徴収される市町村の税金だ。課税されるのは鉱泉施設があるホテル、旅館、スーパー銭湯、健康センターなどで税額は1人1日当たり150円(標準税率)だ。現在1000ほどの自治体が徴収している。

入湯税に加えて、宿泊税を徴取することを熱海市は検討している。

2022年3月時点で宿泊税をすでに導入している地方自治体は、東京都、大阪府、福岡県(福岡市、北九州市は独自税率)、京都市、金沢市、倶知安町だ。例えば、東京都の場合、宿泊料金が1人1泊1万円未満の宿泊には課税されず、1人1泊1万円以上1万5000円未満は100円、1万5000円以上は200円となっている。

国民の負担はかなり重くなっている

入湯税に加え、宿泊税を課税するとなると、温泉施設のある宿に宿泊する者にとっては二重課税と映る。同市の宿泊客は温泉に入ることを目的に宿泊施設を利用しており、宿泊と入湯は一体の行為だろう。

齋藤栄・熱海市長は、「熱海に泊まり、温泉に入ることが目的の客からすると、一連の行為の中で2回課税されることとなることから、二重取りではないかといった指摘はもっとも」とした上で「地方税法上の整理では、宿泊税と入湯税は納税義務者(宿泊者と入湯客)、課税客体(宿泊行為と入湯行為)、課税標準、宿泊日数と入湯日数が異なるものであり、問題は生じないと考えている」(筆者要約)とした(熱海市議会2018年9月定例会10月10日)。

財務省が発表した令和4年度の租税負担率と社会保障負担率を合計した国民負担率の見通し推計によると、国民負担率は46.5%となっている。これは国民所得に占める税金+社会保障費の負担割合を示したものである。

その内訳は、租税が27.8%、社会保障費が18.7%である。社会保障費は第二の税金とも言われる。サラリーマンにとって、源泉徴収や社会保障費はかなり大きく、「天引き」額の大きさに嘆いている人も多いであろう。ここで述べたような課税側の「屁理屈」にもみえる二重課税問題についての関心も今後高まってくるに違いない。

---------- 細川 幸一(ほそかわ・こういち) 日本女子大学家政学部 教授 独立行政法人国民生活センター調査室長補佐、米国ワイオミング州立大学ロースクール客員研究員等を経て、現職。一橋大学法学博士。消費者委員会委員、埼玉県消費生活審議会会長代行、東京都消費生活対策審議会委員等を歴任。立教大学法学部講師、お茶の水女子大学生活科学部講師を兼務。専門:消費者政策・消費者法・消費者教育。著書に『新版 大学生が知っておきたい生活のなかの法律』『大学生が知っておきたい消費生活と法律』(いずれも慶應義塾大学出版会)などがある。 ----------

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「税務署員はわざとウソをつく」元国税調査官YouTuberが教える税務調査の脅しの手口

2022年03月05日 06時43分44秒 | 税金

企業や個人事業主の確定申告に対して、税務署は申告内容を詳しく調べる「税務調査」を行うことがある。元国税調査官の根本和彦さんは「税務署員もノルマを抱えたサラリーマン。ノルマ達成のために、調査時にウソをつくことがある」という――。

※本稿は、根本和彦『元国税調査官が捨て身の覚悟で教える「節税」の超・裏ワザ』(SB新書)の一部を再編集したものです。

税務署員には「ノルマ」がある

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」

このあまりにも有名すぎる『孫子』の言葉どおり、まずは、税務署および税務署員の手の内を明らかにすることから始めましょう。

税務調査とは、毎年行われている企業や個人事業主の確定申告に対して、申告された内容が正しいかどうかを税務署がチェックすることです。

おもに株式会社などの法人が事業活動で得た所得にかかる税金が、法人税です。法人税は申告納税制度になっており、申告する人が、自分の会社の所得と税額を計算して納付します。

申告の内容が正確であれば問題ありません。しかし、単純なミスや、税制を理解していないことによる間違い、さらには、意図的な虚偽の申告などが存在します。そこで、税務署が調査をするわけです。

じつは、この税務調査には「ノルマ(=目標)」があることをみなさんはご存じでしょうか?

もちろん、税務署や国税庁に「ノルマがあるんですか?」と聞けば、はっきりと「ないです」と答えるでしょう。さすがに、誰にでもわかるような形で示されることはありません。

ところが、税務調査には実質的なノルマがたしかに存在しているのです。

税務調査の件数、納税額を上積みさせたい…

税務署では、年度当初に事務計画というものを作成します。その中で、税務調査に割り当てる日数が発表されます。

その日数を合計して、「この期間があれば、税務調査はこれくらいできるな」という判断のもと、税務署の各部門に税務調査の件数を提示します。

この件数が、実質的なノルマになります。上から提示された件数ですから、当然、その件数をこなさなければ、直属の上司の人事評価は下がりますし、何より自分たちの評価も下がります。

したがって、最低限、その件数を達成しなければなりません。これが、ノルマたるゆえんです。

また、税務署員にとって、件数だけが重要なのではありません。税務調査によって、納税額が増えるかどうかもポイントになってきます。

件数だけをこなして、「今年は大きな問題はありませんでした」では済みません。「会社に修正申告をしてもらって納税額を増やしてもらう」「所得隠しを見つけて追徴課税をする」などといったこともやらなければなりません。

この金額の部分のノルマについては微妙です。件数ほどはハッキリしていません。ただし、基準らしきものはあります。

たとえば、その部署の前年度の実績がわかりやすい目安になるでしょう。できれば、前年度の金額は超えたいところです。下回ってしまうと部署の評価が下がりますし、逆に上回れば、評価は上がります。

また、他の税務署の金額より、大幅に下回ることも避けたいところです。これは、税務署全体の評価につながってしまいます。そうした事情を勘案すると、「これくらいは納税額を上積みしたい」という、大体のラインは見えてきます。

したがって、税務署員は件数をこなすとともに、納税額を上積みするというノルマが課せられることになります。まず、この大前提を覚えておいてください。

これが、税務署員の弱点にもなってくるのです。

「税務署員もサラリーマン」税務署員の意外なホンネ

先ほど、わざわざ“ノルマ”という言葉を使ったことには理由があります。

「税務署員もサラリーマンである」ことを強調したかったのです。

「経営者ではない」という意味で、サラリーマンは、つねに上司から評価され、その上司もその上の上司から評価されるという構造になっています。「自分の出世なんてどうでもいい」という人以外、自分の評価を気にして行動することになります。

税務署員もあくまでサラリーマンであることを踏まえて、税務署員が上司から評価されるポイントを整理してみましょう。

①税務調査の割り当て件数(=ノルマ)をしっかりこなすこと

 

②税務調査をしたときは、修正申告を取って、追徴税額を出すこと

③意図的な所得隠しを発見し、多くの追徴税額を出すこと

④納税者とはトラブルを避けスピーディーに調査を完了させること

つまり、税務署員はこの4つのポイントの逆のことを嫌がることになります。たとえば、税務署員にとって、わざわざ税務調査に入って何も見つけられずに帰るなんてことはあってはならないことです。

そのため、どんな小さな金額であっても、せめて修正申告だけは取ろうとします(国税庁が公表している直近のデータでは、税務調査に入った先の約8割が、何らかの修正申告をしています)。

コスパ重視…短い時間で修正申告を出させる

また、税務調査したものの、追徴税額が少なく、しかも、納税者ともめて時間がかかってしまった――。これも、最悪の状況といえます。

もし、納税者ともめて裁判になってしまうと、膨大な労力を裁判に割かねばなりません。こうなると、他の税務調査はストップしてしまいます。

したがって、税務署員は、1件当たりの調査にあまり時間をかけず、件数をこなしながら、効率よく修正申告をさせ、追徴税額を積み上げていく、という工夫が求められるのです。

簡単にいってしまえば、「コスパ重視」なわけです。そのため、いったん税務調査に入れば、修正申告をなるべく早く取るために、あの手この手を使って経営者を説得しようとします。この説得の過程で、しばしばトラブルが発生するのです。

きちんとした証拠を示して、説得をすれば何も問題ありません。しかし、ときには、納税者や税理士の税制に対する無知につけこんで、ウソの説明をすることがあります。

また、結果を急ぐあまりに、このまま調査が長引くと、その会社の取引先に悪影響が及ぶことをほのめかすこともあります。それは、「脅し」といってもかまわないものです。

納税者を惑わす「ウソ」と「脅し」のテクニック

税務署員がウソをついたり、脅しをかけたりするなんて、にわかに信じられないという人も多いでしょう。ですが、これは真実なのです。

たとえば、次のようなやりとりも、それほど珍しいことではありません。

【調査員】社長、この領収書は、経費の二重計上になっているんですよ。この経費って、クレジットカードで支払われていますよね?

【経営者】はい。

【調査員】それで、クレジットカードの明細書で、また別の日に経費処理がされているんですよ。ほら、ココ。

【経営者】いやー、そうでした。すいません、うっかりしていました。

【調査員】それ、本当ですか? 別の領収書でも、二重計上をやっていますよね?

【経営者】本当に単純なミスで、お恥ずかしい……。

【調査員】これね、ミスで済ませられる金額じゃないですよね。これくらいの額になってくると、わざとやったとしか思えないんですよ、社長。

【経営者】いえ、わざとということはありません。

【調査員】みなさん、そういうんですよね。これね、金額が金額なだけに、私も見過ごすことはできないんです。これは、重加算税の対象になってしまいます。

【経営者】本当に、故意じゃないんですよ!

【調査員】重加算税ということで、承諾していただけませんか?

【経営者】……………………。

【調査員】もし、承諾していただけないということであれば、次は「査察」が来るかもしれませんよ。それでもいいですか? 新聞やニュースに出ちゃう可能性もありますけど。

【経営者】査察だけは勘弁してください。わかりました、重加算税を払います。

実際にこのようなやりとりをしたことがある人にとっては、おそらく悪夢のような思い出になっていることでしょう。

このやりとりには、「ウソ」と「脅し」が含まれています。

「査察が来るぞ!」とは言わない

まず、査察は、事前に通告されることはありません。

査察とは、悪質な脱税を摘発することが目的の強制的な調査です。事前に通告してしまうと、脱税の証拠などは隠滅されてしまいます。そんなお人好しが査察に来るわけがないのです。

したがって、「査察が来るぞ!」というのはウソなのです。

そして、査察に入られた場合、地方都市であれば、ほぼ間違いなく地元の新聞やテレビのニュースとして取り上げられるので、その会社のイメージはガタ落ちとなってしまいます。これは、経営者にとって、放置することは絶対にできません。

そうなるくらいなら、重加算税を受け入れることになります。これは、脅しといって差し支えないでしょう。

また、そもそも二重計上が重加算税の対象になるかどうかは、決まっていません。重加算税の要件は、「隠ぺいまたは仮装」とされる行為です。簡単にいうと、知っているのにわざとやった場合に重加算税の対象となります。

経費の二重計上をしていても、単純なミスであれば、重加算税の対象にはならないのです。つまり、税務署員による金額に基づいた判断というのは誤りです。

当然、税務署員は百も承知。わざとウソをついているのです。こちらのほうは明確な故意ですが、何のおとがめもありません。

手ぶらで帰れない…税務署員が「重加算税」を狙う理由

税務調査に入ったら、税務署員は手ぶらで帰れません。ですから、会社に何らかの修正申告をしてもらうことになります。このとき、税務署員は重加算税を狙うのです。

確定申告で届け出た納税額と、修正申告で算出された税額の差を「追徴税額」といいます。また、その差分を徴収することを「追徴課税」といいます。

追徴課税をする場合、おもに次の4つの税金があります。

①過少申告加算税

 

②無申告加算税

③重加算税

④不納付加算税

ここでは、1つひとつの税について詳しくは述べません。この4つの中では、重加算税がその名のとおり最も重い税金であるということを覚えておいてください。それが、税務署が重加算税を狙う理由だからです。

それほど追徴税額が大きくならなくても、重加算税にしたほうが税務署では高い評価になります。2000万円の単純な経理ミスを指摘して修正申告してもらうよりも、200万円の所得隠しを指摘して重加算税にするほうが評価される、といった具合です(ちなみに重加算税は通称「ジューカ」と呼ばれています)。

---------- 根本 和彦(ねもと・かずひこ) 元国税調査官YouTuber 1976年生まれ。東北大学大学院修了、政策研究大学院大学修了。在学中、研究者の道から路線を変え、大学院修了後はキャリア官僚として文部科学省入省。数千億円規模の予算獲得、大規模な法改正に担当者として従事。文部科学省退職後、民間の勤務を経て、国家公務員として国税局に再就職。国税調査官として会社の税務調査を行う。税務調査では、主に悪質・困難な納税者を担当し、様々な脱税手法、脱税心理、欲に溺れた人間模様を目の当たりにする。2016年に国税局を退職。YouTubeチャンネル「元・国税調査官【税金坊】」を開設し、中小企業の経営者や個人事業主向けに税とお金についての情報発信を続けている。 ----------

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする