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イオン、ダイエー子会社化を正式発表 丸紅との二人三脚に限界

2013年03月29日 06時51分55秒 | 経済
 イオンは27日、約20%を出資するダイエーに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社にすると正式発表した。筆頭株主の丸紅から24%強を追加取得し、仕入れや店舗運営の一本化など、イオン主導で最終赤字が続くダイエーの再建を急ぐ。同時にイオンは丸紅との協力関係を継続し、シェア拡大へ首都圏での食品スーパー連合の実現を狙う。


 イオンは4月上旬にもTOBを始める。買い付け価格は1株270円で、丸紅は5%を残して24%強を応募する。イオンの取得額は約130億円。TOBに上限は設けず、一般株主の応募も含めて発行済み株式の5割超の取得を目指すが、ダイエー株の上場は維持する。市場価格(27日終値は286円)を下回るため、TOB後の出資比率が50%以下の可能性もあるが、取締役の過半数を派遣して会計ルールの連結子会社の条件を満たす。

 ダイエーを子会社化にすることでイオンの連結売上高は単純合算で6兆5000億円になる。岡田元也社長は都内で開いた記者会見でダイエーの経営不振の原因について大株主が2社あり「誰が責任者なのかハッキリしなかった」と意思決定の曖昧さを指摘。丸紅の岡田大介常務執行役員は「リーダーシップがとれず、営業面の回復が遅れた」と述べた。

 今後イオンはダイエーの再建を進め、規模のメリットを追求。価格引き下げを意味する「消費者主権の確立」(イオンの岡田社長)を急ぐ。店舗運営や仕入れの一本化を進めるほか、商品政策も見直す。ダイエーは現在、自前のプライベートブランド(PB=自主企画)商品だけでなく、イオンのPB「トップバリュ」も販売している。岡田社長は「両方持っていることは意味がない」としてトップバリュに集約する方針だ。

 赤字脱却へ複数の不採算店舗を閉鎖する考え。雇用は維持するが、過剰な人員については2013年度以降、イオンの新店などに出向させるなどして、売上高販管費比率を下げる方針だ。ダイエーは単体で約5500人(12年2月期)の社員を抱え、「売上高が落ちる中で、余剰感がある」(大手証券アナリスト)。このほか顧客の囲い込みにつながる電子マネー「ワオン」の導入、物流施設の相互利用を進める。

 イオンは01年に破綻したマイカルを傘下に収めて、短期間で再生した。14年春に消費税増税が迫る中、ダイエーは13年2月期に連結営業損益が27億円の赤字に転落した見通しとなるなど、販売力が弱体化。昨秋から丸紅とイオンで抜本的な経営体制の見直しについて協議を開始。今年3月上旬にダイエーにイオンによるTOBの提案を出し、合意に至った。





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