日本の華字メディア・日本華僑報は19日、日本では新型コロナによる格差が拡大しており、対策が急務だとする記事を掲載した。
記事は、日本で現在、新型コロナのオミクロン株への感染が拡大していると指摘。専門家からはウイルスは弱体化してインフルエンザに近いものになっているとの見方が出る一方で、国民からは依然として心配する声が上がっているとした。
その上で、新型コロナにより貧富の格差も急激に拡大していると言及。「全体的に見ると富裕層の富は目減りしているどころか口座の数字は跳ね上がっている一方、飲食や旅行、娯楽など多くの雇用を抱えるサービス業界は困難を極め、企業の倒産も相次いでいる」とした。
また、「幼稚園や保育園などがコロナにより閉園すると、リタイアした祖父母が子育てを手伝う伝統がない日本の家庭では、子どもの世話のために仕事を休まざるを得なくなる人が必ず出てくる。収入が減少したり、職を失ったりするケースもあり、深刻な社会問題になっている」と説明した。
続いて、教育においても格差が顕在化し始めていると指摘。「コロナによりさまざまなオンライン教育が盛んになっているもが、裕福な家庭は質の高い教育を受けられる一方で、低所得世帯ではオンライン教育の費用どころか、驚くことに自宅で安定したネットワーク環境を整備する費用も負担できないのである」とし、こうした事態がすでに深刻化している格差社会を加速、固定化させることは明らかだと論じた。
記事は、「米英などに比べて日本の格差は目立っていないように見えるが、日本の一人親世帯の貧困率は50%を超えている」とし、「岸田文雄首相は子育て世帯への経済支援を打ち出しているものの、継続性がなく不安定で、短期的なものであり、根本的な解決にはならない」と指摘。「日本の低所得層のほとんどは非正規労働者で、労働者全体の40%以上を占めている。これは世界的に見ても高い水準にある。正規労働者と比べて待遇に差があり、失業リスクが高い。一人親世帯も多くはこれに該当する」と指摘した。
そして、「非正規雇用問題の解決こそが格差問題の根本的な改善につながる」とし、「日本政府はさまざまな力を動員して既存の分配システムを変え、大もうけをしている大企業により多くの社会的責任を負わせることで低所得層の所得を高める必要がある」と主張。「容易ではないことだが、だからこそ日本の政治家の腕が試される」と論じた。(翻訳・編集/北田)