7日のニューヨーク市場で原油先物相場が急落し、指標となる米国産標準油種(WTI)の2月渡しが時間外取引で一時1バレル=32.10ドルと、2003年12月以来12年ぶりの安値をつけた。原油相場は、主要産油国であるサウジアラビアとイランの断交を受けて今週初めに一時上昇したが、その後はむしろ断交が「売り材料」となって、下落に拍車をかけている状況だ。
サウジによるイスラム教シーア派指導者の処刑に端を発したイランとの断交問題は、双方の非難の応酬となっているものの、現時点では「原油供給への影響は限定的」との見方が市場では大勢だ。相互に原油関連施設を破壊し合うような本格的紛争に発展する可能性は乏しい上、両国が影響力を行使するシリアやイエメンなどの紛争地は、もともと産油量が少なく、「代理戦争」が激化しても供給への影響が少ないためだ。
市場関係者はむしろ、「サウジとイランの対立で、両国が加盟する石油輸出国機構(OPEC)の協調減産がますます遠のいた」(英大手銀)と見ている。14年後半以降、米国のシェールオイル増産と、中国経済減速による需要減で、原油はだぶついており、世界の生産量の3分の1を占めるOPECが価格押し上げのため減産に踏み切るかが焦点になっていた。
だが、サウジは5日に欧州向け石油価格を大幅に値下げするなど、イランに対する欧米主要国の経済制裁が今月にも解除されるのを見越して、自国の市場シェア防衛を優先する動きを強めている。
米金融大手ゴールドマン・サックスが昨年末のリポートで、「1バレル=20ドルまで落ち込むリスクがある」と予測するなど、市場の悲観的見方は根強い。英調査会社キャピタル・エコノミクス商品市場担当のジュリアン・ジェソップ氏は16年末の予想価格を1バレル=55ドルとしつつも、「達成できるかは、世界的な需要回復とOPECの減産次第」と指摘している。
サウジによるイスラム教シーア派指導者の処刑に端を発したイランとの断交問題は、双方の非難の応酬となっているものの、現時点では「原油供給への影響は限定的」との見方が市場では大勢だ。相互に原油関連施設を破壊し合うような本格的紛争に発展する可能性は乏しい上、両国が影響力を行使するシリアやイエメンなどの紛争地は、もともと産油量が少なく、「代理戦争」が激化しても供給への影響が少ないためだ。
市場関係者はむしろ、「サウジとイランの対立で、両国が加盟する石油輸出国機構(OPEC)の協調減産がますます遠のいた」(英大手銀)と見ている。14年後半以降、米国のシェールオイル増産と、中国経済減速による需要減で、原油はだぶついており、世界の生産量の3分の1を占めるOPECが価格押し上げのため減産に踏み切るかが焦点になっていた。
だが、サウジは5日に欧州向け石油価格を大幅に値下げするなど、イランに対する欧米主要国の経済制裁が今月にも解除されるのを見越して、自国の市場シェア防衛を優先する動きを強めている。
米金融大手ゴールドマン・サックスが昨年末のリポートで、「1バレル=20ドルまで落ち込むリスクがある」と予測するなど、市場の悲観的見方は根強い。英調査会社キャピタル・エコノミクス商品市場担当のジュリアン・ジェソップ氏は16年末の予想価格を1バレル=55ドルとしつつも、「達成できるかは、世界的な需要回復とOPECの減産次第」と指摘している。
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