1位はマクニカ・富士エレHD
2位との年収差は約500万円
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「東京都を除く関東地方で年収が高い会社ランキング」を作成した。対象は、東京を除く関東地方(神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城の6県)に本社がある上場企業で、単体従業員数20人以上の企業を対象とした。対象期間は2021年4月期~22年3月期。
さっそくランキングを見ていこう。
1位となったのは、独立系のエレクトロニクス専門商社であるマクニカ・富士エレホールディングス(HD)だ。平均年収は1873.8万円、平均年収は49.2歳となっている。
マクニカ・富士エレHDは、15年4月にマクニカと富士エレクトロニクスが経営統合してできた共同持ち株会社である。持ち株会社という組織の特性上、22年3月期時点での単体従業員はわずか28人だ。
ただし同社は、20年3月期に113人もの従業員を抱えていた。それが一転、21年3月期に25人まで激減。22年3月期の従業員数も同程度にとどまった。
21年3月期に従業員数が激減した理由について、マクニカ・富士エレHDは「国内グループの組織の見直しに伴い、当社に兼務出向していた管理部門実務者を当社子会社に帰任させたことによるもの」だと説明している。
「少数精鋭」の側面が強まったことで、同社の平均年収は20年3月期(1020.7万円)からの2年間で850万円近く激増した。
半導体や産業機器への需要増を追い風に、マクニカ・富士エレHDの22年3月期の通期連結業績は、売上高が前期比37.5%増の7618億円、営業利益が同95.6%増の367億円、最終利益が同137.2%増(約2.4倍)の258億円と大きく伸びた。
足元の23年3月期の上半期(22年4~9月期)も、売上高が前年同期比35.9%増の4926億円、営業利益が同73.6%増の268億円、最終利益が同40.3%増の168億円に拡大している。
この好調ぶりも、マクニカ・富士エレHDの高年収につながっているのだろう。
2位は、神奈川県横浜市に本社を置く半導体製造装置メーカーのレーザーテック。平均年収は1379.1万円、平均年齢は41.5歳だった。前回のランキング時の平均年収1310.8万円(平均年齢42.3歳)から70万円近い上昇となった。
今回のランキングの対象となった2021年6月期決算では、スマートフォンやデータセンター向けの半導体需要の好調を受け、売上高が前期比65.0%増の702億円、営業利益が同73.1%増の261億円、最終利益が同77.9%増の193億円に伸長していた。
電子ペン大手のワコムが
前回から大幅増で3位に
そして、前回のランキング時の平均年収は900万円に満たなかったにもかかわらず、そこから大きく伸ばし、1000万円を超えた企業が存在する。
それが、3位に入った電子ペン大手のワコム(埼玉県加須市)だ。同社の平均年収は1122.7万円、従業員数は410人、平均年齢は44.5歳となっている。
前回調査した21年3月期の平均年収は878.7万円であり、実に27.8%の大幅増となった。
年収が1000万円を超えていた企業は、以上の3社のみ。4位は海運会社の東京汽船で、平均年収は954.0万円(平均年齢40.2歳)。5位はプラント大手の千代田化工建設で、平均年収は926.6万円(平均年齢41.5歳)だった。
ランキング完全版では、6位以下の全200社の順位と平均年収を掲載している。イオンや日産自動車、キッコーマンといった大手企業は何位だったのか。ぜひ、確認してみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
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