"世界の迷惑国"がまた、やってくれた――。
事件が起きたのは、日本ではなく、遠く離れたドイツ。中国から輸入されたイチゴが"犯人"だった。
「10月9日、ドイツ東部で、児童らが、給食後に下痢やおう吐の症状を訴えたんです。ドイツ政府は、原因は中国から輸入した冷凍イチゴに付着していたノロウイルスの可能性が高いとし、中国の衛生面の不備を指摘しています」(通信社記者)
死者は出ていないが、症状が出た児童の数は、1万2000人に及び、ドイツ国内では過去最大規模の食中毒事件となった。
だが当然、"居直り国家"が自らの誤ちを認めるはずはない。
中国政府は冷凍イチゴを輸出した企業の在庫品を分析。その結果、ノロウイルスは検出されず、ドイツ国内でウイルスが付着したと主張したのだ。
中国に詳しいジャーナリストの宮崎正弘氏は今回の事件に関し、こう指摘する。
「中国では、温度管理の設備が老朽化していることが多く、食品の保存法は杜撰になりがち。しかも、電気の過剰使用などで停電事故が、しょっちゅう起きる。自家発電などの設備を備えているケースも少ないですから、もし、冷凍設備が事故に遭えば、食品は腐ってしまいますよ」
ノロウイルスがどこで付着したか定かではないが、食品管理の杜撰さが、以前からたびたび指摘されてきた中国だけに、今回の事件で再び、中国食品への不安が強まるのは間違いない。
「中国では、日本でも話題となった糞尿まみれのドブ水から作る"地溝油"、成長促進剤を使用して爆発したスイカなど、危険な食品の例はあとを絶ちません」(前出・通信社記者)
中国政府も、この事態を重く受け止め、食品の安全管理を徹底するよう規制強化を図ってきた。
しかし、中国の"毒食品天国"の実態は何も変わっていない。以下、中国での食品事件を見ていこう。
「今年3月、福建省の業者が病死した豚肉を養豚場から買い入れ、それをソーセージに加工して販売し、摘発されました。病死した豚だから、原材料は二束三文で、業者は大きな利益を上げていたんです。しかも、数々の検査をくぐり抜けたというから、さらに驚きです」(北京駐在記者)
逆にいうと、そこまで見事に衛生当局者の目を欺くのだから、"騙しの技術"はたいしたもの。なにしろ、中国のシンクタンクが自国民へアンケート調査したところ、中国人の偽造能力について、36%の人が「非常に高い」と自画自賛するような国なのだ。
中国人のその手の能力が発揮(?)されたのが"プラスチック豚耳"だ。
「今年の5月に江西省の業者がゼラチンとプラスチックで人造豚耳を食用として販売していたことが発覚。豚耳といえば、中華料理の珍味のひとつ。業者は人造豚耳を購入し、醤油や調味料で味つけ。本物そっくりに加工。市場の半分の価格で販売したため、客が殺到し、ボロ儲けしていたんです」(前同)
だが、微量の化学薬品の臭いに気がついた消費者の通報で発覚したという。
同じ5月には、ホルマリンを噴霧した白菜が山東省青州市の市場に出回ったと報じられた。
「青州市からは、北京などの消費地への輸送に長時間かかる。その間に白菜がしなびると、商品価値が落ちるので、出荷する前にホルマリンを噴霧するんです。すると、翌日になっても変色せず、新鮮だと錯覚させることができるんですよ」(同)
このホルマリンは長期間、摂取すると白血病になるといわれている薬品だ。
北京在住経験もあり、中国の食品事情に詳しいジャーナリスト・近藤大介氏は、中国には、まだまだ"毒食品"が出回っていると語る。
「去年、北京の映画館でポップコーンを食べ、観客が体調不良を訴える事件が発生しました。そのポップコーン、実は、白いほうが見栄えがいいという理由で、大量の漂白剤に浸されていたことがわかったんです」
もはや、なんでもありの状況。そして、極めつけは"セメント・ミルクティー"だ。近藤氏が続ける。
「これは昨年、中国国内で大きな問題となりました。広東省のセメント会社が、不景気のあおりを受け、売れ残ってしまったセメントを、どうにかできないかと思案した結果、それを溶かし、香料を混ぜてミルクティーを作ったんです」
しかも、その会社は自社のブランド名までつけ、出荷していたという。呆れてコメントすらできない現状だが、なぜ、こんなにもバカげた食品が蔓延するのか。
「中国は、商業モラルが崩壊している国。儲かればいいという考えが基本にあり、毒が入り込んでも、"困ったこと"くらいにしか考えていない」(前出・宮崎氏)
11月04日公開のvol.2に続く・・・。
週刊大衆11月05日号
事件が起きたのは、日本ではなく、遠く離れたドイツ。中国から輸入されたイチゴが"犯人"だった。
「10月9日、ドイツ東部で、児童らが、給食後に下痢やおう吐の症状を訴えたんです。ドイツ政府は、原因は中国から輸入した冷凍イチゴに付着していたノロウイルスの可能性が高いとし、中国の衛生面の不備を指摘しています」(通信社記者)
死者は出ていないが、症状が出た児童の数は、1万2000人に及び、ドイツ国内では過去最大規模の食中毒事件となった。
だが当然、"居直り国家"が自らの誤ちを認めるはずはない。
中国政府は冷凍イチゴを輸出した企業の在庫品を分析。その結果、ノロウイルスは検出されず、ドイツ国内でウイルスが付着したと主張したのだ。
中国に詳しいジャーナリストの宮崎正弘氏は今回の事件に関し、こう指摘する。
「中国では、温度管理の設備が老朽化していることが多く、食品の保存法は杜撰になりがち。しかも、電気の過剰使用などで停電事故が、しょっちゅう起きる。自家発電などの設備を備えているケースも少ないですから、もし、冷凍設備が事故に遭えば、食品は腐ってしまいますよ」
ノロウイルスがどこで付着したか定かではないが、食品管理の杜撰さが、以前からたびたび指摘されてきた中国だけに、今回の事件で再び、中国食品への不安が強まるのは間違いない。
「中国では、日本でも話題となった糞尿まみれのドブ水から作る"地溝油"、成長促進剤を使用して爆発したスイカなど、危険な食品の例はあとを絶ちません」(前出・通信社記者)
中国政府も、この事態を重く受け止め、食品の安全管理を徹底するよう規制強化を図ってきた。
しかし、中国の"毒食品天国"の実態は何も変わっていない。以下、中国での食品事件を見ていこう。
「今年3月、福建省の業者が病死した豚肉を養豚場から買い入れ、それをソーセージに加工して販売し、摘発されました。病死した豚だから、原材料は二束三文で、業者は大きな利益を上げていたんです。しかも、数々の検査をくぐり抜けたというから、さらに驚きです」(北京駐在記者)
逆にいうと、そこまで見事に衛生当局者の目を欺くのだから、"騙しの技術"はたいしたもの。なにしろ、中国のシンクタンクが自国民へアンケート調査したところ、中国人の偽造能力について、36%の人が「非常に高い」と自画自賛するような国なのだ。
中国人のその手の能力が発揮(?)されたのが"プラスチック豚耳"だ。
「今年の5月に江西省の業者がゼラチンとプラスチックで人造豚耳を食用として販売していたことが発覚。豚耳といえば、中華料理の珍味のひとつ。業者は人造豚耳を購入し、醤油や調味料で味つけ。本物そっくりに加工。市場の半分の価格で販売したため、客が殺到し、ボロ儲けしていたんです」(前同)
だが、微量の化学薬品の臭いに気がついた消費者の通報で発覚したという。
同じ5月には、ホルマリンを噴霧した白菜が山東省青州市の市場に出回ったと報じられた。
「青州市からは、北京などの消費地への輸送に長時間かかる。その間に白菜がしなびると、商品価値が落ちるので、出荷する前にホルマリンを噴霧するんです。すると、翌日になっても変色せず、新鮮だと錯覚させることができるんですよ」(同)
このホルマリンは長期間、摂取すると白血病になるといわれている薬品だ。
北京在住経験もあり、中国の食品事情に詳しいジャーナリスト・近藤大介氏は、中国には、まだまだ"毒食品"が出回っていると語る。
「去年、北京の映画館でポップコーンを食べ、観客が体調不良を訴える事件が発生しました。そのポップコーン、実は、白いほうが見栄えがいいという理由で、大量の漂白剤に浸されていたことがわかったんです」
もはや、なんでもありの状況。そして、極めつけは"セメント・ミルクティー"だ。近藤氏が続ける。
「これは昨年、中国国内で大きな問題となりました。広東省のセメント会社が、不景気のあおりを受け、売れ残ってしまったセメントを、どうにかできないかと思案した結果、それを溶かし、香料を混ぜてミルクティーを作ったんです」
しかも、その会社は自社のブランド名までつけ、出荷していたという。呆れてコメントすらできない現状だが、なぜ、こんなにもバカげた食品が蔓延するのか。
「中国は、商業モラルが崩壊している国。儲かればいいという考えが基本にあり、毒が入り込んでも、"困ったこと"くらいにしか考えていない」(前出・宮崎氏)
11月04日公開のvol.2に続く・・・。
週刊大衆11月05日号
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