公的年金の運用が大幅に改善している。国民年金と厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2日、2012年度の運用成績を発表した。運用益が11兆2222億円、運用利回りが10.23%と、いずれも過去最高だった。昨年11月からの円安・株高の影響で国内外の株式の評価額が膨らんだ格好だ。
GPIFは債券や株式に分散投資している。資産別に見ると、運用益は国内株式が3.3兆円、外国株式が3.8兆円と大幅な黒字になった。昨年11月から運用成績が急激に改善、今年1~3月だけで7.6兆円の運用益を出した。13年3月末時点の運用資産額は120兆4653億円で、前年に比べて6兆8541億円増加した。
厳しい年金財政にとっては朗報だ。団塊世代の大量退職などで毎年の収入だけでは年金給付がまかなえず、GPIFが積立金を取り崩して支払いに充てている。13年度まで5年連続で毎年度4兆~6兆円の取り崩しが実施される見通し。09年度に立てた想定では11年度末時点の積立金(時価ベース)が想定に比べ3.1兆円の赤字になっていた。運用結果を受け12年度末時点では「黒字に転換する」(厚生労働省)。
急激な円安・株高はGPIFにとって“想定外”だった。GPIFは規定の資産構成割合を定めており、限度を超えることを認めていない。実際の保有割合が一定以上離れると、保有する株や債券を売買して元の割合に戻す必要がある。昨年末以降に国内債券が下限を一時割り込み、半ば強制的に国内債券を5.9兆円購入していた。
GPIFは6月7日に運用の目安とする資産構成割合を変更。国内債券の比率を7ポイント引き下げ60%にしたほか、国内株式を1ポイント引き上げた。市場環境の実勢に合わせ、望まぬ売買を避けた形だ。
政府・与党内には一段の株式比率の引き上げを求める声がある。GPIFや公務員共済などの運用のあり方を見直す有識者会議が1日から始まった。GPIFの運用が低利回りの国内債券に偏り、株式などでの運用に消極的すぎるとの考えが背景にある。
菅義偉官房長官は2日、「(昨年末からの円安・株高が)年金財政の安定に大いに役立った」とアベノミクスの成果を強調した。今回の運用結果を受けて、株式や外国資産の買い増しを求める声が強まる可能性がある。
GPIFは債券や株式に分散投資している。資産別に見ると、運用益は国内株式が3.3兆円、外国株式が3.8兆円と大幅な黒字になった。昨年11月から運用成績が急激に改善、今年1~3月だけで7.6兆円の運用益を出した。13年3月末時点の運用資産額は120兆4653億円で、前年に比べて6兆8541億円増加した。
厳しい年金財政にとっては朗報だ。団塊世代の大量退職などで毎年の収入だけでは年金給付がまかなえず、GPIFが積立金を取り崩して支払いに充てている。13年度まで5年連続で毎年度4兆~6兆円の取り崩しが実施される見通し。09年度に立てた想定では11年度末時点の積立金(時価ベース)が想定に比べ3.1兆円の赤字になっていた。運用結果を受け12年度末時点では「黒字に転換する」(厚生労働省)。
急激な円安・株高はGPIFにとって“想定外”だった。GPIFは規定の資産構成割合を定めており、限度を超えることを認めていない。実際の保有割合が一定以上離れると、保有する株や債券を売買して元の割合に戻す必要がある。昨年末以降に国内債券が下限を一時割り込み、半ば強制的に国内債券を5.9兆円購入していた。
GPIFは6月7日に運用の目安とする資産構成割合を変更。国内債券の比率を7ポイント引き下げ60%にしたほか、国内株式を1ポイント引き上げた。市場環境の実勢に合わせ、望まぬ売買を避けた形だ。
政府・与党内には一段の株式比率の引き上げを求める声がある。GPIFや公務員共済などの運用のあり方を見直す有識者会議が1日から始まった。GPIFの運用が低利回りの国内債券に偏り、株式などでの運用に消極的すぎるとの考えが背景にある。
菅義偉官房長官は2日、「(昨年末からの円安・株高が)年金財政の安定に大いに役立った」とアベノミクスの成果を強調した。今回の運用結果を受けて、株式や外国資産の買い増しを求める声が強まる可能性がある。
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