05/3/2海保
日立テクニカルコミュニケーションズ(株)
「技術翻訳のチェックポイント」
丸善株式会社 05/2/21刊行
******************************
推薦します
筑波大学大学院教授(心理学)
テクニカルコミュニケーター(TC)協会会長
海保博之
役に立つ本です
言うまでもないことですが、現在、英語への翻訳実務に携わっている方々にとって、大変に役立つ本です。
本書は、日立テクニカル コミュニケーションズ(株)での長年の翻訳経験に基づいて、著者が中心となって作り上げた翻訳評価システムTES(Translation Evaluation System)を解説したものです。わずか27コード(チェックポイント)からなる簡便な評価システムです。明日からでもどこでも誰でもが活用できます。
企業間競争の激しい昨今、これほどの貴重な情報を外部に公開する日立テクニカル コミュニケーションズ(株)のTC技術向上への使命感には、TC協会会長として非常に感銘を受けています。
さらに、英語への翻訳力をもう一歩高めたい人、翻訳についての知識を豊富にしたい人にとっても、実に有益な本です。
27コードのそれぞれについて、どうすれば、そのチェックポイントをクリアできるようになのかが簡潔に解説されています。これを読むことで翻訳についての知識が豊富になります。また、それぞれのコードについて、練習問題とその解答があります。丹念に解答してみることで、翻訳で起こしてしまいがちなミスを防ぐ力がついてきます。おまけに、多数の例文は、ほとんどがテクニカル文章ですので、自然に英文のテクニカル文章に馴染むことができます。
親切な本です
本書全体が2段組の日英対訳形式になっています。本文はもとより「はじめに」「目次」さらに「索引」まですべてが対訳になっています。「推薦文」まで対訳にしてもらいました!<ーーー????*
日本語を読みながら気になることを右側の英語でチェックしたり、その逆をしたりすることで、知らず知らずのうちに翻訳力がつきます。
退屈もしません。
もっと親切なのは、英文の用語と文の平易さです。これなら自分でも英語翻訳ができそうとさえ思わせてしまうようなところがあります。ちなみに、用語と文の平易さは、テクニカルライティングの基本的な執筆原則の一つです。
さらに、5章には、テクニカルライティング一般の基本原則まで解説してくれてあります。むろん、これも対訳です。
お得な本です
日英翻訳の評価ができて、翻訳力がついて、さらに翻訳の知識が豊かになる本ですが、これ以外にも、2つのお得があります。
一つは、この本だけに限りませんが、テクニカル文書の書き方についての本は、その本で述べたことが実践できていなければなりません。この本では、それが見事なまでに実践できています。「平易な用語と文」は先程指摘しましたが、構成からメリハリの付け方や箇条書きの使い方、操作手順の書き方などまで、テクニカル文書の書き方の原則が自然に学べます。
もう一つは、テクニカル文書の翻訳をする現場でのちょっと英語表現も知ることができます。すべてが対訳されていますので、たとえば、「箇条書きにしてください」と英語で指示したい時、どう言えばよいかといったことも知ることができます。
広がりのある本です
本書が、英文マニュアルの開発者や執筆者を対象読者としているのは当然ですが、その世界だけでの活用に限定されるのは、もったいないように思います。
たとえば、最近、大学でも実用英語を重視するようになってきました。日常会話を大学の教室でもどんどんやるようになってきました。では、実用英語の書き方はどうなっているのでしょうか。そんなところで、この本がテキストに使われたらどういうことが期待できるのでしょうか。
日本の学生はテクニカルコミュニケーションの世界の存在そのものさえ知りません。こんな世界があることを本書で知るだけでも大変な効果があります。
おまけに、これくらい平易な英語でよいとの認識を学生が持ってくれれば、もしかして自分でもこの領域で何かできそうだと考えてもらえるかもしれません。そして、ライター予備軍にもなってもらえるかもしれません。
さらに、日本のあちこちの働く場で外国人の方々が増えて来ました。そうした方々への作業指示や危険表示などで苦労されている方々にも役に立ててもらえることが期待できます。
平成17年1月7日
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日立テクニカルコミュニケーションズ(株)
「技術翻訳のチェックポイント」
丸善株式会社 05/2/21刊行
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推薦します
筑波大学大学院教授(心理学)
テクニカルコミュニケーター(TC)協会会長
海保博之
役に立つ本です
言うまでもないことですが、現在、英語への翻訳実務に携わっている方々にとって、大変に役立つ本です。
本書は、日立テクニカル コミュニケーションズ(株)での長年の翻訳経験に基づいて、著者が中心となって作り上げた翻訳評価システムTES(Translation Evaluation System)を解説したものです。わずか27コード(チェックポイント)からなる簡便な評価システムです。明日からでもどこでも誰でもが活用できます。
企業間競争の激しい昨今、これほどの貴重な情報を外部に公開する日立テクニカル コミュニケーションズ(株)のTC技術向上への使命感には、TC協会会長として非常に感銘を受けています。
さらに、英語への翻訳力をもう一歩高めたい人、翻訳についての知識を豊富にしたい人にとっても、実に有益な本です。
27コードのそれぞれについて、どうすれば、そのチェックポイントをクリアできるようになのかが簡潔に解説されています。これを読むことで翻訳についての知識が豊富になります。また、それぞれのコードについて、練習問題とその解答があります。丹念に解答してみることで、翻訳で起こしてしまいがちなミスを防ぐ力がついてきます。おまけに、多数の例文は、ほとんどがテクニカル文章ですので、自然に英文のテクニカル文章に馴染むことができます。
親切な本です
本書全体が2段組の日英対訳形式になっています。本文はもとより「はじめに」「目次」さらに「索引」まですべてが対訳になっています。「推薦文」まで対訳にしてもらいました!<ーーー????*
日本語を読みながら気になることを右側の英語でチェックしたり、その逆をしたりすることで、知らず知らずのうちに翻訳力がつきます。
退屈もしません。
もっと親切なのは、英文の用語と文の平易さです。これなら自分でも英語翻訳ができそうとさえ思わせてしまうようなところがあります。ちなみに、用語と文の平易さは、テクニカルライティングの基本的な執筆原則の一つです。
さらに、5章には、テクニカルライティング一般の基本原則まで解説してくれてあります。むろん、これも対訳です。
お得な本です
日英翻訳の評価ができて、翻訳力がついて、さらに翻訳の知識が豊かになる本ですが、これ以外にも、2つのお得があります。
一つは、この本だけに限りませんが、テクニカル文書の書き方についての本は、その本で述べたことが実践できていなければなりません。この本では、それが見事なまでに実践できています。「平易な用語と文」は先程指摘しましたが、構成からメリハリの付け方や箇条書きの使い方、操作手順の書き方などまで、テクニカル文書の書き方の原則が自然に学べます。
もう一つは、テクニカル文書の翻訳をする現場でのちょっと英語表現も知ることができます。すべてが対訳されていますので、たとえば、「箇条書きにしてください」と英語で指示したい時、どう言えばよいかといったことも知ることができます。
広がりのある本です
本書が、英文マニュアルの開発者や執筆者を対象読者としているのは当然ですが、その世界だけでの活用に限定されるのは、もったいないように思います。
たとえば、最近、大学でも実用英語を重視するようになってきました。日常会話を大学の教室でもどんどんやるようになってきました。では、実用英語の書き方はどうなっているのでしょうか。そんなところで、この本がテキストに使われたらどういうことが期待できるのでしょうか。
日本の学生はテクニカルコミュニケーションの世界の存在そのものさえ知りません。こんな世界があることを本書で知るだけでも大変な効果があります。
おまけに、これくらい平易な英語でよいとの認識を学生が持ってくれれば、もしかして自分でもこの領域で何かできそうだと考えてもらえるかもしれません。そして、ライター予備軍にもなってもらえるかもしれません。
さらに、日本のあちこちの働く場で外国人の方々が増えて来ました。そうした方々への作業指示や危険表示などで苦労されている方々にも役に立ててもらえることが期待できます。
平成17年1月7日
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