心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

東京成徳大学応用心理学部

2009-03-04 | 健康・スポーツ心理学
「人間」を「心」という視点から考えるのが心理学です。その心理学をベースに日本が直面する心の諸問題への対応方法や周りの人々の心身の健康の支援について学ぶのが本学応用心理学部の特長です。

福祉心理学科では、福祉の心(受容と共感と自己実現)をキーワードに、知識と体験の結びつき、理論と現場の結びつきを重視した学びを用意しています。社会福祉士、精神保健福祉士、特別支援学校教諭をめざす方を徹底的に支援します。

臨床心理学科では「こころの問題」への理解を深め、悩める他者をサポートできるような臨床心理学の理論と実践を学びます。特にスクールカウンセリングや子育て支援、発達障害などの分野が充実しています。また、高度な学びをめざすため大学院を併設しています。

健康・スポーツ心理学科では「健康心理学」「スポーツ心理学」「ポジティブ心理学」の学びと幅広いスポーツ技能の習得を通して、自らの心身の健康維持はもちろんのこと周りの人々の健康を守り育てる人材を育成します。社会人としての基礎力を身に付け広く一般社会に通用する人材を育成します。

連日の低下傾向 200を割る アクセス数解析

2009-03-04 | Weblog
2009.03.03(火) 821 PV 181 IP 4182 位 / 1192977ブログ
2009.03.02(月) 1263 PV 243 IP 2652 位 / 1192391ブログ
2009.03.01(日) 1220 PV 254 IP

低下傾向が著しい
年度末
多忙のためか

こちらは、いまが端境期で
きわめてゆとりがある

こつこつ地道に更新

愛読感謝です

注意管理不全 心理安全工学序説第5回

2009-03-04 | ヒューマンエラー
01/11/25 「安全と健康」中央労働災害防止協会 リレー連載;
ヒューマンエラーを事故につなげないために ---心理安全工学序説   
海保博之 筑波大学「心理学系」
○第5回 注意管理不全

●はじめに  
注意不足とエラー、事故との関係はよく知られている。しかし、単なる注意の不足だけで事を済ましてしまっては事の本質を見逃すことになる。注意の特性を踏まえた注意管理の方策を考える必要がある。

●注意の2つの側面を区別する---注意の特性認識支援  
注意には能動的な側面と受動的な側面とがある。  騒音の中でも自分の名前が呼ばれれば自然に気がつく(カクテルパーティ現象)。これが注意の受動的な側面の1例。  騒音の中で演説を聞き取るために懸命に耳を傾けるのが注意の能動的な側面の1例。  注意の外部管理は受動的な側面に、注意の自己管理は能動的な側面に着目することになる。ただし、注意の能動的な側面の自己管理にも限界がある。いたずらに自己管理を強制するのは悪しき精神主義になってしまう。注意の特性を踏まえた外部からの支援が必要である。

●注意の受動的側面を活用する---注意の受動的側面活用支援  
注意を自然に引きつけるのは、「目立つもの」「よく知っているもの」「興味関心を引くもの」である。  事故防止には、注意のこの受動的側面を活かすことになる。 一つは、否が応でも注意を引きつけて注意喚起をする。  「美人多し、脇見運転するな」という交通標語?は、この点では秀逸な?事例である。  もう一つは、注意集中を乱す情報環境の排除である。  走行中の携帯電話の禁止、作業中の無造作な呼び出し放送の禁止などなど。ここ一番での集中が求められる作業をしているときには、これらが決定的なエラー、事故原因になる。  いずれも、注意配分の最適環境を提供するという観点からの作業現場の設計が求められるところである。

●注意量を増やす---注意活性化支援  
注意は自分である程度はコントロールできる。したがって、注意配分に失敗して事故を起こすと、「たるんでいる」として不当なくらいに責められる。  たるみとは、仕事に必要な十分な量の注意を注がないことである。具体的には次の2つの場面で起こる。  ・ぼんやり---注意の全般的な低下  ・あきる---注意の時間的劣化  「ぼんやり」も「あきる」も、実はごく自然な注意現象である。それだけにかえって、メタ認知を働かせることを怠りがちになるのか、自己コントロールがなかなか難しい。  強制的に休憩を入れたり、バックグラウンド・ミュージックや指示など、外的な注意活性化の手段を用意する必要がある。

●注意集中度と注意範囲の兼ね合いを考える---注意集中・範囲の兼ね合い支援  注意を集中すれば認知活動は活発になる。  しかし、注意量には限界があるので、あれこれと注意を配る範囲が広くなれば一つ一つへの注意集中の度合いは低くなる。逆に1点に注意集中すると、集中した認知活動は活発になるが、それだけしか見えなくなってしまう(視野狭窄)。  注意集中度と注意範囲と間にはトレードオフ(あちらたてればこちらがたたず)の関係がある。 図1 注意の集中と範囲 ***別添  作業の内容によって、あるいは、進行状況によって、このトレードオフは微妙に変化してくる。  たとえば、作業開始と終了時は注意範囲を広く、目標達成までは集中度を高く、といった調整が必要となる。   そうした自己管理に加えて、チームでの作業では、仕事に注意を集中する人と、広く注意をあちこちに配る人とを用意する、といった注意の集団管理もあってよい。

●管理用の注意を用意する---管理用の注意活用支援  
一つのことだけに注意を集中することで、認知活動をより活発にさせることは悪いことではない。  ただ問題は、仕事に注意のすべてを使ってしまうと、メタ認知を働かせるための注意がなくなってしまうことである。  注意配分の最適な状態は、複眼集中である。  仕事に7割、メタ認知による管理用に3割の注意を配分するくらいが丁度よい。  これによって、仕事の進行に応じた注意配分をしたり、自分の認知活動もモニタリングしたりコントロールしたりできる。  管理用の注意が用意されるためには、あえて、注意を拡散してみるようなこともしてみる必要がある。道路の前だけに注意を集中していないで、時折は「あえて」周囲の景色にも注意を配ってみる。  あるいは、一定時間ごとのアラームも、「我に返る」機会を提供する。

●集中の持続し過ぎに要注意---休息管理支援  
かつて、コンピュータ画面をみながら長時間の集中した仕事をすることから発生するストレスをテクノストレスと呼ばれ、その対策が話題になったことがある。現在、事態はもっと悪化しているように思うが、どういうわけか、話題性はなくなってしまった。  これに加えて、日本の会社には、「ガンバリズム」の組織風土があるので、注意集中の持続を恒常的に働く人々に要求する傾向が強い。  これでは心は持たない。自殺者年間3万人越えの原因の一端にもなっているはずである。  決め手は休息である。休めば、無理なく注意資源が補給される。小刻みな休憩から、週単位の休憩、さらには年単位の長期休暇のきめ細かい組織的な休息管理が求められるところである。

●注意コントロールのタイプに配慮する---注意タイプ別支援  
注意には、集中と持続がある。両者は独立ではないが、あえて独立と考えて、図2に示すような、注意特性に基づいた人のタイプ分け(類型化)をしてみた。
図2 注意の集中と持続で人を分ける 別添  エラー、事故との関係で、各タイプ別に一言。  
・真剣勝負型 常に緊張して仕事ができる 管理用の注意をいかに用意するかが問題  
・一発勝負型 ここ一番で猛烈な集中ができる。注意レベルが下がったときの活動が問題  
・気配り型  いろいろのことに気がつく  一つ一つの仕事をミスなくできるかが問題  
・泰然自若型 じっくりと時間をかけた仕事が得意 ここ一番での集中が求められたときが問題  
この試みで言いたいことは、まずは、自分がどのタイプであるかを知ることで注意の自己管理をより効果的なものにすること。  さらに、チームで仕事をするようなときには、タイプにあった作業配置を考えることもあってもよいこと。   *****本文114行 3行は図で調整