心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

回想その4(最終回)

2009-03-11 | 健康・スポーツ心理学
その4
● 頭を元気にする回想をする
さて、では、どうすれば頭が元気になる回想ができるのでしょうか。
一つには、今現在が幸せと思えること、感じることです。
 幸せをと思う(幸福感)については、別のところで、大事なキーワードとして取り上げてありますので、ここでは、それほど深く考えずに常識的な意味でとっておいてください。
 なぜ、幸せ感なのか。それは、楽しい時には楽しいことが、悲しい時には悲しいことが思い出されるからです。これをポリアンナ原理と言います。
 もう一つは、幸せ物語を持つことです。
 自分の人生を振り返り、さらに、将来を見すえて、自分をポジティブな存在として自分なりに納得できることです。そのためには、幸せエピソードが必要になります。必要になれば、自然に思い出すことになります。
幸せ感と幸せ物語作りが幸せエピソードの回想を促すわけですが、実は、その逆もありえます。幸せエピソードの回想が、幸せ感をさらに強み、幸せ物語をもっと精緻はものにするのです。
つまり、幸せエピソードの回想は、幸せ感と幸せ物語と行ったり来たりきたりしているのです。この往復が大事になります。


  幸せ感    幸せエピソードの回想  幸せ物語

そして、こうした往復がどうして頭を元気するかは、おわかりですね。
往復ですから、どちらから出発してもかまいませんが、一番楽なのは、幸せエピソードの回想だと思います。これまでの人生を振り返って何かうれしかったことを一つでも2つでも思い出してみてください。だんだん幸せな気分になってくるはずです。
そして、自分をほめてやりたい気分になってきませんか。そこで、自分についての幸せ物語作りをするのです。「貧しかったけれども、お母さんはかわいがってくれた」「才能はあまりないと思うが、よくここまでがんばってきた」などなど、物語といってもそれほど大げさなものを考える必要はありません。自分の誇れるところをつないでいけばいいのです。
こうした好循環を促すのが、思い出品です。写真、表彰状、あるいは給料明細など。自分の場合は、自著です。そんなものを時折、引っ張り出しては、幸福回想にひたってみるのです。
 思い出すのは、頭の働きです。その働きが活発になします。それはとりもなおさず、頭が元気になることにほかなりません。
 


8と6

2009-03-11 | 心の体験的日記
801へ電話
話し中
802へ電話
話し中
803もだめ
しかたなく、一階のオフィスへ直接でかけた
普段通りの事務
電話が通じない!
故障?
いえ
用件を口頭ですませて
なんで801はだめなんだろう?
というと
先生、ここは、601です
8と6の見間違い
1と7もよくあるが、最近、8と6の区別が難しくなってきた
昨日も、268号線なのか 288号線なのか
どんなに拡大してもわからなかった!!
手書きだと大丈夫なのだが、
印刷では難しい
字体を工夫してほしいなー

カーナビがほしい

2009-03-11 | 心の体験的日記
購入時に
もうあまりあちこちいくこともない
というより、いかないようにしよう
と思い
カーナビを付けなかった
後からは取り付けできないらしい
それがいけなかった
今日は迷いに迷って150キロも走ってしまった

回想その3

2009-03-11 | 健康・スポーツ心理学
回想その3
● 回想ってどんなもの
記憶には、覚えこむ(記銘)、覚えたものを保存しておく(貯蔵)、保存しておいたも
のを思い出す(想起)の3つの局面があります。
回想は、想起の一つで、自分の昔々の経験(エピソード)を思い出すことです。
昔々のことを思い出すのですから、ちょっと前を思い出しのとは少し違っています。その違いのいくつか。

①必ずしも事実が思い出されるわけではない
 一般的に思い出せる量も思い出した内容の正確さも、時間に反比例します。名前、場
所、エピソード、いずれも、昔になればなるほど思い出は曖昧になってきます。したがって、思い出せたとしても、どうしても不正確なものになってきます。

②回想には一貫性がある
回想された内容は曖昧で不正確だとしても、思い出した人にとっては、それなりに一
貫したものがあります。なぜかというと、一貫性があるように自分で記憶している内容を編集してきているからです。編集を促すのは、自分自身やあなたの周囲に常にいた家族などです。
 先ほど、「物語作り」という用語を使いました。記憶内容の一貫性のある編集とは、この物語作りと関係します。
 ここで少しやや面倒で長に道草をします。でも、大事なことなのでちょっと我慢してお付き合いしてください。できるだけ、わかりやすく説明しますので。
 「あなたは何者?」といきなり聞かれても困ってしまうと思いますが、実は、中学生頃から、陰に陽に、こんな問に悩まされ続けているはずです。
・ 自分にはどんな才能があるのだろうか
・ 自分の性格は
・ 自分は人に好かれているのだろうか
 自分なりの世界(自我)が広く深くなっていく時期だからです。
 もとより「自分が何者?」かなんてビッグな問にただちに答が出せるわけではありません。でも、それが気になってしかたがないのが、青年期なのです。そして、青年期とは、その問の答を見つけるために、あれこれと格闘、葛藤する時期なのです。
 時には、使命感に駆られてのボランティア活動にのめりこんだり、時には、怠惰で自堕落な生活にはまり込んだり、となります。こんな時、あなたは自分なりの一貫性のある自分作り、つまり「自分物語作り」をしているのです。
 青年期は、その「自分物語作り」が混乱しています。というより、いくつもの物語作りが同時進行しています。過去と現在と未来とが渾然一体となって進行します。
だから大変なのです。あまりの混乱ぶりに、心が耐え切らなくなってしまうことさえあります。その混乱が収まってくると、つまり、一貫性のある物語が出来上がってくると、青年期が終わりに近づいたことになります。
 さて話を元に戻します。
 回想の一貫性の話でした。
 高齢者の回想は、青年期のこうした自分物語作りの経験も含めて、その時々でやってきた物語作りの経験の総まとめになります。一見すると、ばらばらな回想内容のようですが、
たとえば、今の自分をしあわせだと思っているひとは、幸せ物語を作りあげているエピソードを回想します。それは、たとえ、経験したときは、つらく悲しいものであっても、「あの経験があったからこそ今のしあわせがある」というように編集されることになります。

③感情的な要素が入り混じっていることがほとんど
うれしいかったことや、反対に悲しかったこと、それも凄くうれしかったことや、反対に凄く悲しかったことがよく回想されます。
 回想されるのは、このように強い感情を伴うエピソードが多くなります。いたずらしてひどく叱られた思い出、艱難辛苦のすえ試験に合格した思い出などなど。
 ただ、その感情は、回想されるときには、客観的なものになっています。そういえば、涙を流しながら喜んでいたなーとなります。
さて、ここが、回想療法に関係してくるのですが、心を元気にする回想内容は、言うまでもなく、ポジティブな感情を伴うエピソードになります。