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本作りの認知心理学」認知と学習の心理学」培風館より

2012-12-09 | 認知心理学

●知識の体系度が低下する
まず第一に挙げておきたいのは、知識形成への影響である。
情報化社会である。本を読まなくとも、「知識らしき」ものは簡単に得られる。とりわけ、さきほ示したデータのように、インターネットに蓄積されている情報は、「苦労なく」得ることができる。
また、「さまざまなメディアを通して」世の中のこと(情報)をいながらにして手に入れることもできる。
本が知識獲得の特権的かつ効果的な手段である時代が終わったことは確かである。だから本が読まれなくなったのである。
しかし、これで良いのか。
  まず問題にしたいのは、「知識らしきもの」である。
本に書かれている知識が唯一知識に値するというつもりはまったくない。みずから心とからだを動かして獲得するエピソード知識や手続き的知識も立派な知識である。さまざまな知識がバランスよく頭の中に格納されているのが望ましい。

コラム「4つの知」**********

頭能知 身体知 感情知 世間知
すみ
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インターネットで得られる「知識らしきもの」も、その意味では貴重である。しかも、最近では、インターネット経由での出版物(電子本)も出てきたので、話しがややこしくなるが、今は、これは考慮の外におくことにする。
インターネット上の情報を、あえて「知識らしきもの」としたのは、知識にとって必要な体系性が、本――ここでは、教科書あたりをイメージしているー-―とは比較にならないくらい低いことがある。Bookは、 Basic Organization Of Knowledge(A.ケイ)なのである。
  それは端的には、長さに現れている。インタネットで一冊の本の長さに匹敵するものが公開されているものをみたことはない。インターネット上では、知識の断片しか公開されていない。
それらを自分にとって意味のある体系だった知識にするには、どうしてもあらかじめ体系だった知識を本から仕込んでおく必要がある。体系だった知識があってはじめて価値が出てくるのが、インターネット上の情報なのである。
とりわけ、高校生くらいまでは、本を通しての体系的な知識の取得が必須である。それなくしては、より高度に体系化された知識の形成は無理というものである。
  次は、「さまざまなメディアを通して」である。これは読書にとって大敵である。
  情報化社会は、ビジュアル化優位の社会である。テレビ、DV、さらにインタネットによる動画配信など、目で見て楽しんだり、直感的に理解したりする情報が家庭に押しているのが現状である。
 
コラム「若者は映像志向」**************
 やや古いデータであるが、1986年――日本での情報化社会への入り口あたりの時期になる-―新入社員1400名に「あなたは、文字志向ですか、映像志向ですか」「理論的ですか、感性的ですか」と問うたら、次のようになった。(旧・太陽銀行調べ)
    文字志向  映像志向     理論的  感性的
男性  20。9% 79。1%   20。9% 70。1%
女性  31。7% 68。3%   18。9% 81。1%
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机に座って頭を使っての知識獲得よりはるかに楽である。最後に問題にしたいのは、「苦労しなくとも情報が手に入る」ことである。
レポートでも、インターネットから情報を拾ってきてそれを編集することで(カット&ペーストすることで)仕上げるようなことがかなり普及?しているらしい。
  この点は、頭の能力陶冶の観点からもさらに考えてみる必要がある。


編集本リスト<wikipediaより

2012-12-09 | 心の体験的日記
編集 [編集]
 『漢字を科学する』(有斐閣、1984年11月発行、ISBN 4-64-102431-6)
 『心理・教育データの解析法10講 基礎編』(福村出版、1985年10月発行、ISBN 4-57-120035-8)
 『心理・教育データの解析法10講 応用編』(福村出版、1986年5月発行、ISBN 4-57-120036-6)
 『「温かい認知」の心理学 認知と感情の融接現象の不思議』(金子書房、1997年7月31日発行、ISBN 4-76-082126-0)
 『瞬間情報処理の心理学 人が二秒間でできること』(福村出版、2000年9月発行、ISBN 4-57-121033-7)
共編 [編集]
 『患者を知るための心理学』(次良丸睦子と共編、福村出版、1987年3月発行、ISBN 4-57-120028-5)
 『教育心理学』(佐藤泰正・新井邦二郎と共編、学芸図書、2002年11月30日初版発行、ISBN 4-76-160370-4)
監修 [編集]