ポジティブ・コミュニケーション「周りを元気にする
「ほめる、笑う、感謝する」
●不機嫌な職場
不況の影響もあってか、日本の職場、不機嫌に満ち満ちているらしいですね。「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」 (講談社現代新書)という本で知りました。
自分の職場である教室も、不況とは関係ないにもかかわらず、実に不機嫌な顔をした学生諸君で満ち満ちています。
日本の社会、どうしてこれほど不機嫌がまんえんしてしまったのでしょうか。
忙しすぎる仕事、孤立した高い集中力を要求するIT依存の仕事、厳しい能力主義と競争、リストラ不安などが影響していると思います。
しかし、不機嫌は、不機嫌な本人にとってはもとより、その周りにいる人々にとっても、なんの得にもなりません。お互いにストレスを溜め込むばかりです。
今回は、ドンキホーテになるかもしれませんが、個人的な努力で少しは周りを元気に明るくしてみませんかという話です。
これまで「周りを元気にするキーワード」すべてがこれに関係してきますが、とりわけ、「ほンわか」(ほめる、わらう、かんしゃする)が鍵になります。ここでは、それらに共通する話をすることになります。
●ポジティブ・コミュニケーションのコツ
コミュニケーションの基本は、情報の伝達です。過不足なく正確に、かつわかりやすく情報を相手に伝えることです。
しかし、コミュニケーションには、時にはそれと同時に、あるいは、別途に、喜怒哀楽を伝える役割もあります。
ポジティブ・コミュニケーションは、こちらのほう、しかも、喜と楽の気持ちを伝えるコミュニケーションです。これによって、情報の共有だけでなく、気持ちの共有をはかります。
ポジティブ・コミュニケーションを効果的にするためには、どういうことに留意したらいいのでしょうか。4つほど、あげておきます。
① 自分が元気になる
これは言うまでもないことですが、一番大事なことです。頭も気持ちも元気に保っていれば、それが周りに自然に伝染するからです。元気の感染源なら、誰も文句は言いません。
② それを体全体で表現する
そして、心の元気はからだに無意識に反映されますから、あまりこのことは意識することはないのですが、それでも、顔の緊張をゆるめ、姿勢を正し、顔をあげてゆったりと動くくらいの気持ちはあったほうがいいですね。
③ それを言葉で表現する
これは、かなり意識的な努力、そして、習慣化が必要です。
周りを元気にする3つの言葉、「ほめ言葉」「挨拶言葉」「感謝言葉」を豊かにして、TPOに応じて口に出す習慣をつけることです。
・ 照れくささ 特に、家族となると、これが邪魔になります。
・ ネガティブ認知優先 特に、出来上がりに高い完成度をもとめる場合は、「まだ」「もっと」のほうについ目がいってしまいがちになります。
照れくささは、気持ちをいったんふんぎってしまうと、周りの反応がただちに変わりますから、すぐに習慣化できます。
ネガティブ認知優先のほうは、すぐに、ポジティブ表現でフォローする習慣をつければよいのです。「でも、よくここまでがんばった」「でも、思った以上だ」などなど。
④ 周りの元気を積極的に受け入れる
いつもいつも自分が元気というわけにはいきません。そんなときこそ、周りの元気に自分が感染するようにしておくのです。周りから元気をもらうのです。ほめられたら素直に喜ぶ、誰かがユーモアを発したら即座に率先して笑うのです。