● 多重役割(multiple roles)
社会人であれば誰しもが日常的に複数の役割を果たしている。役割の特徴は、一定の社会的、文化的なしきたりに従った態度や行動が周囲から期待され、かつみずからもそうするように無言の圧力をうけるところにある。
介護もひとつの役割としてみなすと、①多重役割にもうひとつの役割が加わることによる負担感、②なぜ、自分がその役割を引き受けなければならないのかとう問題、③ほかの役割との調整、葛藤、④周囲から期待される役割の達成度への不安、といったことがみえてくる。
●燃え尽き症候群(burn-out syndrome)
福祉ケアー業務や接客業など人を相手の仕事では、絶えず笑顔をふりまき、丁寧な言葉使いで相手の気持ちを傷つけないように配慮することが求められる。そこでは、みずからの気持ちとは無関係なポジティブ感情の表出を絶えずしなくてはならない。これが過度かつ長期にわたって続くと、感情の枯渇と心身の疲労感を主訴とする燃えつき症候群(burn-out-syndrome)になりやすい。
性格的にまじめで、人に好かれたい気持ちの強い人、ストレスを発散できない人は、要注意である。