チャンク仮説(chunk hypothesis>
今から言う数字を覚えてみて下さい。
2,2,3,6,0,6,7,9
覚えられましたか?
今言った8つの数字を「ただでたらめに並んでいる」と思うと覚えるのは大変です。しかし「富士山麓オーム鳴く」と語呂合わせをすると、あっという間に覚えられますね。このように語呂合わせをすると、8つの数字を「富士」「山麓」「オーム」「鳴く」と4つの単語にまとめられます。今のように、バラバラの数字や文字などを単語などにまとめること、それをチャンキングと言います。そして「富士」や「オーム」といった1つ1つのまとまりをチャンクと呼びます。
人間が何かを短い間だけ覚えておこうとする時、7±2、つまり5から9チャンクの内容を覚えられると言われています。1つのチャンクの中にたくさんの数字や文字をつめこむほど、一度に覚えられる量が増えるわけです。
人間の記憶についてのこのような考え方をチャンク仮説と呼びます。テスト前などにみなさんが頼りたくなる記憶術、その中にもチャンク仮説が活用されています。(SK)
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チャンクとは記憶における情報の1単位で、チャンキングとは情報のかたまりを小さくすることです。たとえば電話番号で11チャンクの0-9-0-1-2-3-4-5-6-7-8を3チャンクの090-1234-5678とする、というように使います。
このように、いくつかの要素をまとめて高次の単位に構成することを「チャンキング」、その構成された単位を「チャンク」と言いました。
人間の短期記憶の容量は、チャンク数にして7±2といわれています。例えば、個々のアルファベットf・e・s・t・i・v・a・lは7つのチャンクですが、festivalという単語にすれば1つのチャンクになります。チャンキングは短期記憶をする際に有用で、例えば、憲法の前文をノートに写す時、一字一字見ながら写すと大変だが、ある程度の意味のまとまりで写すと効率がよくなり、そのまとまりが大きくなればなるほど、写す速度は速くなります。また、長期記憶においても、チャンキングは役立ちます。例えば、鎌倉幕府の始まりを、1192年と数字を丸覚えするより、「良い国作ろう」と覚えた方が覚えやすい、数学の問題で使う公式の組み合わせのパターンを覚えてしまえば、機械的に解答できるなどです。(SH)