心の風景 認知的体験

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認知的体験
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音声コミュニケーションの信頼性は低い

2013-11-25 | 心の体験的日記
 航空機管制がもっぱら音声による指示に依存しているのを知ると、ぞっとします。なぜなら、音声ほど信頼のおけないものはないからです。
 したがって、音声でコミュニケーションをとるときは、音声以外に手振り、身振りなどのパラ言語を使うことで、伝達の信頼度を挙げるようにしています。相手が目の前にいない電話での話のときでさえも、パラ言語を使ってしまうくらいです。
 ところが、電話や無線での音声のみのコミュニケーションは、そのパラ言語が使えません。当然、相当に信頼度が落ちます。おまけに、日本語では、同音異義語が非常に多いので、ますます聞き間違えが起こってしまいます。
 それを克服するには、指示を冗長にするしかありません。
 昔、電報文を発信するときに、「カレーライスの「か」」「ねこの「ね」などとやっていましたが、それに類したことをする必要があります。
 さらに、大事なことを反復したり、確認の復唱をしたりすることも必要になってきます。
「類似ケース」
「さげて」と頼んだら、「あげて」と聞こえたらしく、スイッチが入ってしまい、あやうく感電するところだった。

朝倉実践心理学講座、全巻完成!!

2013-11-25 | 認知心理学
色彩とデザインの心理学」が最終巻
それがまもなく発売

これで全10巻完成です
最初の巻が、
平成21年10月刊行の山口裕幸先生編
「コンピテンシーとチーム・マネジメントの心理学」


わかりやすさとコミュニケーションの心理学 (朝倉実践心理学講座)
クリエーター情報なし
朝倉書店

局所最適、全体最悪

2013-11-25 | 教育
局所最適、全体最悪「大学問題
大学教員には、個室研究室が与えられている。これは、個人の研究環境を保証するためである。そして、その教員の研究は、極めて個人的な営みである。
 その個人的な営みを組織として保証するのが学科、学部である。当然の帰結として、学科自治、学部自治という考えが出てくる。
 これが、しばしば、大学全体の運営を難しくしている。学科、学部が自律的に最適な営みをしていても、大学全体としては最悪というケースがでてくることになる。
 これを調整するのが、学長のrマネジメント力とリーダーシップ力である。局所最適と全体最適の折り合いをどこでつけるかである。

プログラム学習(2)

2013-11-24 | 認知心理学
●プログラム学習とは
 プログラム学習の形態をあらためて紹介する必要はないほどよく知られているとは思うが、図1にプログラムのサンプルを一つ挙げておく。
 各問の提示と、その答の提示をするためのティーチング・マシーンとがセットになっている
 プログラム学習は、今では教育現場ではそのままの形では実践されていない。教育心理学の教科書には、条件づけを応用した指導法の一つとしても紹介されている程度である。ただし、「プログラム学習によるーーー」と冠した実用的な自学自習テキストは今でもかなり多数、出版されている。

●プログラム学習に込められた授業設計の思想
 このみかけは単純な学習を支えている考えは、しかし、その後、授業設計の思想にかなりのインパクトを与えた。以下、プログラム学習の基本的な考えと、その意義を摘記してみる。
1)教材の目標分析をする(教材)
 教材に関しては、目標分析という考えを具体化してみせた。つまり、ある教材で何をどこまで、どのような道筋で教えるかを徹底的に分析したのである。
 今、絶対評価が導入され、評価規準の設定が焦眉の急を要する課題となっているが、その基盤は、プルグラム学習の教材の目標分析とプログラム作りにあるといってよい。
2)スモールステップで目標に導く(教材)
  教材の目標分析を踏まえてプログラムのステップ(1つの問)が構成され、目標へと学習者を導くことになる。その際に、ステップから次のステップまでは、ごく自然に移れるように細分化することで、行動の逐次形成をはかるのである。
 この考えと技術は、技能訓練や生活習慣の形成などの行動変容に生かされている。
3)手がかり管理を工夫する(教材)
 学習の進捗状況に合わせて、問の中に作り込む解答の手がかりを調整する。
 学習初期では、正答が引き出しやすいように手がかりを増やし(promting)、後期になったら、正答の手がかりを減らしていく(fading)。
 これは、学習速度の効率化をする上で有効な方策の一つである。
4)ただちに正誤をフィードバックする(反応)
 一つ一つのステップでの反応の正誤をただちに学習者に知らせることによって、どこがわかっていて、どこがわかっていないかを自己認識させることで、学習の自己調整をさせる。
 この即時フィードバック(強化)の原理は、スポーツ訓練などにおいて、要素技能の習得のためのコーチングの基本技術になっている。
5)自己ペースでの学習を保証する(反応)
 一斉授業は教師ペースでおこなわれる。そのペースにぴったりと合う学習者以外は、退屈かわけのわからないものになってしまう。プログラム学習では、ティーチングマシーンを使うことで、それぞれの学習者が自分にとって最適なペースで学習を進めることができる。
 自己ペースでの学習を保証するための方策の一つを示した功績は大きい。
6)反応の自発性が学習の出発点になる
 オペラントとは「自発的」の意である。学習は、学習者からの自発的な反応があって始まる。反応が自発しなければ学習は進行しない。
 これについては、やや矛盾したところがある。学習者の「反応」の自発性を強調はしているが、「学習者は、強化によって変わる応答的な存在」とみなしている。プログラム学習への批判の原点にもなっているところである。

リスク補償

2013-11-24 | 認知心理学

●リスク補償( risk compensation)
高いリスクが存在するときには、それを避けるという消極的な方策と、そのリスクの発現を押さえるか除去する積極的方策とがある。後者の方策がとられたことがわかると、人は、安全裕度として事態をとらえ、危険を無視するようになる。これが長期間にわたると、また元のリスキーな事態に逆戻りしてしまう。これが「リスク補償」、あるいは「リスク恒常性」と呼ばれるものである。

東京駅かいわい

2013-11-23 | 心の体験的日記
東京駅かいわい
ごぶさたしていた
2,3年前から改築大工事をしているのは知っていた
突然、そうだ、どうなっているのだろうと気になった
行ってみた
見事な変貌ぶり
中央郵便局ビルがすごい
博物館まである
東京駅八重洲口のほうも、見事な変身ぶり
東京の玄関としてふさわいい変貌ぶり
もう一度
いってみたい


流行語大賞候補

2013-11-23 | 心の体験的日記
自分の知らない用語程度を***で
それが半分を超えたら、????

PM2.5
NISA(ニーサ)
母さん助けて詐欺
弾丸登山
美文字 **
DJポリス*
ななつ星
パズドラ*
ビッグデータ
SNEP(スネップ)*********
ヘイトスピーチ
さとり世代
ダークツーリズム
ご当地電力
ご当地キャラ
こじらせ女子
富士山
日傘男子<<<自分のこと?? 笑い

バカッター*************
激おこぷんぷん丸****
困り顔メイク
涙袋メイク
倍返し
今でしょ
ダイオウイカ
じぇじぇじぇ
あまロス**
ビッグダディ
ハダカの美奈子
ふなっしー
フライングゲット***
マイナンバー
NSC
アベノミクス
3本の矢
集団的自衛権
特定秘密
汚染水
ブラック企業
限定正社員
追い出し部屋
ナチスの手口に学
んだら
ネット選挙
アホノミクス
引いたら負け
二刀流
スポーツの底力
シライ************
お・も・て・な・し
コントロールされている

プログラム学習(1)

2013-11-23 | 認知心理学
プログラム学習は、行動主義心理学者の教育パパによって開発された
 プログラム学習の出自がおもしろい。
 開発者は、オペラント条件づけに基づく心理学を構築したことで、その名が知られているB.F.スキナーである。
 オペラント条件づけとは、自発した(operant)行動に対して、それが好ましい行動なら賞(正の強化)を与え、好ましくない行動なら罰(負の強化)を与えることによって、好ましい行動を形成していくものである。よく知られているパブロフのレスポンデント(応答的)条件づけとともに、行動変容の中核的な技術として活用されてきた。
 そのスキナーが、プログラム学習を開発することになったきっかけは、愛娘・デボラの授業参観に行き、その授業方法のあまりのお粗末ぶりにスキナーが憤慨したことにある。わかっていようがいまいが、教師が一方的にどんどん進めていく授業にあきれてしまったらしい。
 オペラント条件づけの原理を使えば、もっと効果的な学習指導ができるはずと考えて研究に取り組んだ結果が、プログラム学習とティーチング・マシーンの開発であった。
 60年代前半のことである。

多重課題

2013-11-23 | 安全、安心、
階段を歩くのは習慣的・自動的ですので、注意資源は10のうち3くらいですみます。したがって、書類を読むほうに注意資源を費やすことができます。
 ところが、書類に難しいことが書かれていたらどうでしょうか。注意資源をさらに割り当てなくてはならなくなります。こうなると、階段降りのほうの注意が減り、足の運びがおぼつかなくなり、踏み外しなどが起こってしまいます。
 2つ、ときには3つの仕事を同時にこなさなければならない事態(注意分割事態)は、日常的には意外によくあります。両方の仕事が慣れた仕事のときや軽いとき、あるいは、一方が慣れた仕事のようなときには、だいたいうまくいきます。
 しかし、問題は、ときおり、どちらか一方に注意資源をとられるときです。そこをねらってエラー、事故が起こります。
 とりわけ、運転や歩行など、一方が慣れた行為でも一瞬の不注意が事故に直結するような状況では、注意分割事態での仕事は厳禁です。とはいっても、もう一方が、考え事など心の中で行なわれてしまうこともありますから、なかなか困りものなのですが。

平面

2013-11-22 | 安全、安心、
 平面を歩くときは、ずっと平面であるとの前提で歩く。そこに突然の段差や斜面があったり、上下があったりすると、それがほんのわずかであっても、つまずく。下手をすると転んで怪我をすることもある。
 人の行為は予測によってガイドされているのである。
 自然環境なら、平面なのか斜面なのか、凸か凹かなどは、光線の加減や土の色具合などから自然にわかることが多い。自然には人の行為の予測をガイドする条件(アフォーダンス)が整っているである。
 しかし、人工環境では、同じ色や模様でしかも光線もかなりきついときには、平面ではないことを示す情報が瞬時にはわからないことが多い。結局、つまずいたり転んだりしたあとで気がつくことになる。
 こうしたことを防ぐためには、色彩や模様を使って、平面ではないことを気がつかせるようにしないと危ない。

学問文化

2013-11-22 | 認知心理学
管理運営もそうであるが、研究の進め方からその成果の公表の仕方といった研究現場についても、学問によってまるっきり違う。そもそも、論文を発表する機関誌もないところもさえある。  それぞれの学問領域の文化の違いとしか言いようがない。
 文化であるから、その形成には不確かなところが多いし、その特徴がどこにあるかを明示するのは難しい。、異文化(学問)と接触する機会があると、否が応でも、学問文化とはなんだろうか、なぜそんなものが出来たのかと考えさせられる。


ヒヤリハット

2013-11-22 | 心の体験的日記
暗くなるのが早い
4時半過ぎるともうライトが必要
というわけで今日は夕方交通ヒヤリハットを体験
道路脇にかなり大きな障害物
気が付いた
しかし、対向車がある
よけるわけにはいかない
急ブレーキをかけるほどの障害物ではない
ややスピードをゆるめた
しかし、うしろのタイヤで引いてしまった
かなりの音がした
まかり間違うと事故
暗くなっての運転は本当に怖い

隠蔽」安全・安心の心理学

2013-11-22 | 安全、安心、
 
隠蔽



           ―――隠せるものなら隠したい
●ひき逃げが増加
 佐賀県唐津市で起こった、小学5年生が車に轢かれて、さらに森に運ばれて放置され犯人が逃走(後日、逮捕)してしまった事件はまだ我々の記憶に新しい。これほどひどいケースではないが、最近、ひき逃げが増加していることが事件の統計からわかる。***注1
事故、それも人身事故を起こしてしまった時の当事者の気持ちの動転ぶりは想像できる。しかし、だからといって、「被害者を放置したまま現場から逃げてしまうなんて、なんと人倫にもとることをするのか」というのがおおかたの部外者の気持ちであろう。
これほどのミスの隠蔽工作の背景には、どんな心理が働いているのであろうか。なお、隠蔽には、組織がおこなうさまざまな隠蔽工作があるが、それについては、本書のいくつの項目で触れているので、ここでは取り上げない。

● 隠蔽のさまざま
 ミスの程度によって、隠蔽のありさまも変わってくる。
 自分でミスをしてしまってその結果が自分にだけ及ぶとき、最初に考えるのは、誰か見ていないかであろう。たとえば、つまずいて転んだとき、足の痛さよりも先に周囲を見回して誰か見ていないかどうかを確かめるはずである。ミスを自分の弱さの現われと考えて、それが知られるのを恐れる。これが、たわいないミス隠蔽のひとつのありさまである。
ミスが周囲の人々や物に損害を与えてしまうことがある。このときには、まず、事の限定化による隠蔽が起こる。事を大げさにせずに、とりわけ、警察沙汰にせずに、その時その場で事の解決を図ろうとする心理である。事がマイナーなとき、かつ相手が納得してくれたときは、これが最適な解決であるが、マイナーかどうかの状況認識を誤ると、「もみ消し」としてさらに批判にさらされることもある。
3つ目は、限定化処理が難しいときである。被害が大きく、相手が人であれば、救急措置が必要といった事態である。こんな事態での隠蔽は犯罪になってしまう。気持ちが動転しているだけに、最初に挙げたひき逃げ事件のように、とんでもない方策を考え出してしまうこともある。ここで、道理に従った判断、処理ができるようにすることがまともな社会人なのだが、それを難しくするものが、こうしたミスの現場にはある。

●気持ち動転時に人はどうする
気持ちが動転しているときには、我々はどのような思考と行動をするのであろうか。
表1は、スミスら***注3の情動の評価機能と各種情動との対応を示したものである。

表1 第1次評価、第2次評価の内容と情動

第1次評価とは、気持ちが動転したその瞬間に頭の中で自動的に発生する最小かつ高速の情報処理(評価)である。ここで注目されるのは、その情報処理が、自分の利害関心に関係しているかどうかを主な目的にしているところである。そして、この評価は、おおむね妥当なものである。
第2次評価とは、気持ちがやや落ち着いてきた後におこなわれる情報処理である。ここで、状況改善の可能性、責任の所在、将来どうなるかが慎重に判断される。相手に大怪我をさせてしまった交通事故を例にとれば、状況改善の見通しがなく、責任が脇見運転による自分にあることは明白で、もしかすると職を失う可能性もある、というような評価を下し、それに対応するネガティブな情動を強く体験する。ただし、この段階での評価は、熟慮的ではあるが、情動主導なので、しばしば、状況評価が限定的で論理性に欠ける。注4***

●第3次評価がありそう
第1次評価の段階では、情報処理が自動的に発生するので、隠蔽といった複雑な処理は起こらない。第2次評価の段階でも、評価の誤りはしばしば発生するが、隠蔽にまでは頭が回らない。
隠蔽は、この2段階の処理のあと、いわば、第3次評価の段階で発生するようだ。
ひき逃げを例にとれば、この事態は自分の利害関心に沿わないことが発生してしまった(第1次評価)、かなりの重傷らしい、飲酒運転がまずかった、解雇されるかも(第2次評価)。だとするなら、とりあえず、飲酒運転だけを隠蔽するために、一時的に現場から逃げて時間稼ぎをしよう(第3次評価)となるのではないか。
問題は、この第3次評価である。自分に責任ありと評価したすべての人々が、隠蔽工作に走ってしまうわけではない。ここで、しっかりと人の道にかなった判断、行動をする人が大部分である。緊急措置をし、警察などしかるべきところに連絡をし、事故、災害の連鎖を防ぐ措置をする、あるいはできる人々が大部分である。
そうさせるものは、ややあいまいであるが道徳心、そして事態対処にかかわる知識、さらにはその時の状況である。道徳心と知識は、教育によって身に付けることになるが、その際、あまりに厳罰を強調すると、隠蔽につながる恐れがあるので要注意である。(K)





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注1 警視庁の統計(HPによる)によると、ひき逃げ件数は、平成12年には755件だったのが、14年には2326件と激増し、以後、2000軒台で推移している。

注2 「A mistake has been made.」と「I made a mistake.」との違いはおわかりであろうか。アメリカ人は、後者の言い方はほとんどしないそうである。(湯澤淳「ワシントンレポート」HPより)

注3 Smith,C,A,,ら(1993) In serach of the hot cognitions:Attributions,appraisals,and their relation to emotion. Journal of Personality and Social Psychology,65,916-929
注4 認知現象には、計算や論理判断などの「冷たい認知現象」、穏やかな感情が絡んだ「温かい認知現象」、そして、本稿で取り上げているような、強い情動が関与している「暑い認知」の3領域がある。